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韓国漫画アプリが日本市場を6割掌握

韓国漫画アプリが日本市場を6割掌握

韓国ネット2強のネイバーとカカオが漫画配信プラットフォームで陣取り合戦を繰り広げています。

主戦場は最大市場の日本です。

ネイバー系の「LINEマンガ」とカカオの「ピッコマ」が読者と作家を奪い合っています。

韓国事業は成長余地が限られ、日本を突破口として世界市場で稼ぐビジネスモデルを模索しているようです。


詳しく解説していきます。


動画でも解説しています



韓国漫画アプリが日本市場を6割も掌握

韓国漫画アプリが日本市場を6割も掌握

LINEマンガが首位の33%、ピッコマが2位の30%。

MMD研究所が2022年調査で日本の漫画配信アプリの利用動向を複数回答で聞いたところ、韓国企業が関わる両アプリが激しく競る結果となりました。

帝人子会社のインフォコムが手掛ける3位の「めちゃコミック」(12%)を大きく引き離しています。


調査はスマートフォン画面を上から下にスクロールして読む「縦読み」アプリの利用者を対象に実施されました。

縦読みは韓国企業が発祥です。


日本勢は後れを取っている

日本勢は後れを取っている

LINEマンガの運営会社LINEデジタルフロンティアには、ネイバーが間接的に出資しています。

ネイバーにとっては同社が世界で展開する漫画配信アプリの日本版という位置づけです。

ネイバーの日本法人が源流である対話アプリ「LINE」を基盤にして世界で月間利用者8500万を抱えています。


一方、ピッコマはカカオの日本法人カカオピッコマが運営しています。

23時間ごとに1話を無料で読める「待てばゼロ円」が人気で、累計ダウンロード数は4000万件を超えています。


漫画配信アプリは集英社や小学館など日本の出版大手も力を入れている分野ですが、数千万人単位の利用者を抱えるLINEマンガやピッコマに後れを取っています。


人口5170万人の韓国では伸びしろが少ない

人口5170万人の韓国では伸びしろが少ない

韓国を代表する2大ネット企業が、日本の漫画配信アプリで激突するのは国外に活路を求めているからです。

検索中心のネイバーと、対話アプリのカカオは、決済や通販など韓国内のネットサービスで火花を散らしてきました。

しかし、人口5170万人の韓国では伸びしろが少ないのです。


11月9日に出そろった両社の2023年7~9月期の連結決算は、ネイバーの売上高が前年同期比19%増の2兆4453億ウォン、営業利益は15%増の3802億ウォン。

カカオは売上高が16%増の2兆1609億ウォン、営業利益は7%減の1403億ウォンでした。

両社とも増収ですが、海外売上高は2割程度にとどまっています。


両社が成長を託すのが海外で戦えるコンテンツ事業です。

特に漫画配信アプリを成長分野とみており、豊富なコンテンツを有する日本市場の掌握を目指しています。


日本よりも韓国の方が作家側に還元

日本よりも韓国の方が作家側に還元

ネイバーは日米中心に成長し、映像化などのIP(知的財産)ビジネスなど波及効果も大きく、漫画配信事業の取引額は7~9月期に前年同期比5%増の4794億ウォンと成長が続いています。

ネイバーは出版社からコンテンツ提供を受けるほか、独自に作家育成も手掛けています。

編集部隊も抱えて月額約2億円を稼ぐ作品も生まれています。


カカオは日本のピッコマを中心に漫画事業を展開し、7~9月期の売上高は8%増の2491億ウォンを記録しました。

自主制作コンテンツも好調で、アニメ化によって原作へのアクセス増も続いています。


漫画配信アプリは魅力的なコンテンツが競争力を左右します。

韓国2社は自社のサービスに人気作家を引き込むために、収益を手厚く分配しています。

売上高の5割超を作家側に還元したこともあり、ドラマ化などで追加収益が発生した場合にも作家と収益を分け合っています。

作家の取り分が10%程度の日本とは雲泥の差です。


韓国は欧米市場にもM&A(合併・買収)で進出

韓国は欧米市場にもM&A(合併・買収)で進出

コンテンツ事業は欧米市場にもM&A(合併・買収)で進出しています。

ネイバーはカナダのウェブ小説のワットパッドを買収し英語圏中心に9000万人の会員基盤を取り込みました。

カカオも米タパスメディアなどを買収しました。


現代は作家も世界で稼げるプラットフォームに積極的に参加する傾向にあります。

人気作家が読者を呼び込み、読者を多数抱えるプラットフォームに新人作家が作品を寄せる――。こうした好循環が生み出されます。

人気作は10を超える言語に翻訳されてドラマや映画化にもつながり、各地でビジネス領域が広がります。


韓国は日本市場を世界で稼ぐ収益モデルを磨く場と位置づけ

韓国は日本市場を世界で稼ぐ収益モデルを磨く場と位置づけ

各国で競争構図がほぼ固まった検索や通販、対話アプリなどに比べて、コンテンツ事業での海外進出はチャンスが大きいです。


カカオは漫画のほかにK―POP芸能事務所大手のSMエンターテインメントを買収し、日本をはじめ世界に売れるコンテンツ事業に成長を託しています。

ネイバーは出資先であるLINEヤフーと連携を深めて、自社の検索や人工知能(AI)技術を生かした新事業を日本で模索中です。

日本市場を世界で稼ぐ収益モデルを磨く場と位置づけています。


まとめ

まとめ

韓国ネット2強のネイバーとカカオが漫画配信プラットフォームで陣取り合戦を繰り広げています。

主戦場は最大市場の日本です。

LINEマンガが首位の33%、ピッコマが2位の30%。

帝人子会社のインフォコムが手掛ける3位の「めちゃコミック」(12%)を大きく引き離しています。

調査はスマートフォン画面を上から下にスクロールして読む「縦読み」アプリの利用者を対象に実施されました。


漫画配信アプリは魅力的なコンテンツが競争力を左右します。

韓国2社は自社のサービスに人気作家を引き込むために、収益を手厚く分配しています。

売上高の5割超を作家側に還元したこともあり、ドラマ化などで追加収益が発生した場合にも作家と収益を分け合っています。

作家の取り分が10%程度の日本とは雲泥の差です。


コンテンツ事業は欧米市場にもM&A(合併・買収)で進出しています。


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