
「株を始めたいけれど、何から学べばいいか分からない」「『会社四季報』って、プロが読むものじゃないの?」——そんな不安や疑問を感じたことはありませんか?
本書『エミン流「会社四季報」最強の読み方』は、まさにそんな方のための一冊です。著者は、15年以上にわたり四季報を“全ページ”読み続けてきた異色の投資家・エミン・ユルマズ氏。彼の経験と知見が詰まった本書は、単なる読み方のマニュアルにとどまらず、「企業の価値をどう見抜くか」「どのタイミングで買い、どう売るか」といった実践的な投資術にまで踏み込んでいます。

PSR(株価売上高倍率)や自己資本比率など、一般的な入門書ではあまり触れられない指標に着目する独自の視点。
加えて、「割安+クオリティ」という投資基準を軸に、実際に注目した銘柄を20社以上紹介する実用性の高さも魅力です。
新NISAがスタートし、投資の重要性がかつてないほど高まる今。
本書は、「自分の目で企業の価値を見極め、未来に賭ける」ための最強の一冊となるはずです。
四季報を“使える武器”に変えたいすべての人に、ぜひ手に取ってほしい実用的かつ知的な一冊です。

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書籍『エミン流「会社四季報」最強の読み方』の書評

株式投資の入口として人気のある『会社四季報』。しかし、その情報量の多さに圧倒され「どう読めばいいのか分からない」と感じた経験はありませんか? 本書は、その悩みに答える一冊です。単なる読み方ではなく、読み解き方、そして銘柄の選び方にまで踏み込んだ内容が高く評価されています。
この章では以下の観点から、本書の価値を多面的に解説します。
- 著者:エミン・ユルマズのプロフィール
- 本書の要約
- 本書の目的
- 人気の理由と魅力
それでは順に見ていきましょう。
著者:エミン・ユルマズのプロフィール
エミン・ユルマズ氏は、トルコ・イスタンブール出身の国際派エコノミストであり投資アドバイザーです。高校時代に国際生物学オリンピックで金メダルを獲得し、1997年に文部科学省の国費留学生として来日。東京大学理学部に入学後、大学院まで修了するという日本のエリート教育を経て、野村證券へ入社しました。
野村證券では、法人営業、M&A(企業の合併・買収)、機関投資家向けの提案業務など幅広い分野で活躍。その後独立し、現在は投資助言会社「複眼経済塾」の主要メンバーとして、全国各地で投資セミナーを開催するなど情報発信にも注力しています。
マクロ経済の知識と企業分析力の両輪を活かし、日本経済を「内と外」から俯瞰できる人物としてメディアやSNSでも高く評価されています。

本書の要約
『エミン流「会社四季報」最強の読み方』は、企業情報の宝庫である『会社四季報』をどう読み解き、どう行動につなげるかを体系的に解説した実践的な一冊です。著者は15年間にわたり、全ページを毎号読破してきた経験から、「どの情報が実際の投資に役立つのか」を具体的に指導してくれます。
この本の核にあるのが、「割安+クオリティ」という投資判断の基準です。割安とは、その企業が本来持つ価値よりも市場で安く評価されている状態を指します。一方でクオリティとは、企業の安定性や財務健全性、成長可能性など、数字の裏にある“企業の質”を意味しています。
著者は、投資指標として一般的なPER(株価収益率)ではなく、PSR(株価売上高倍率)というややマイナーな指標に注目します。これは、利益が一時的に出ていない成長企業を評価する際に有効で、他の投資家が見逃している“割安さ”を見つけるための鍵になります。また、自己資本比率が70%以上ある企業を重視するなど、判断基準が明確なのも特徴です。
加えて、エミン氏が実際に注目した「お宝銘柄」が豊富に掲載されているのも、本書の大きな魅力です。過去の成功例9銘柄と、将来的に株価2~3倍が狙えると考える11銘柄が具体的に紹介されており、理論と実践がつながった構成になっています。

本書の目的
この本が目指すのは、「情報を読む技術」を持った投資家の育成です。
多くの人は『会社四季報』を手にしても、数ページ眺めて終わる、あるいは自分の知っている会社しか見ない――そんな使い方に留まっています。著者はそれを「宝の持ち腐れ」と表現し、四季報を“使いこなす”ための読解術と、それを通じて企業の未来や市場の潮流を読み解く思考法を伝えています。
重要なのは、数字の良し悪しを見ることではなく、「その企業がなぜ成長しそうなのか」を発見すること。そのための道具として、四季報のどの情報を見るべきか、どの順番でチェックすべきかが整理されています。
また、本書は新NISA制度の普及や、インフレ・米国株バブル・地政学的リスクの高まりといった背景を踏まえ、日本株に注目が集まる今だからこそ読まれるべきタイミングで刊行されたとも言えます。

人気の理由と魅力
本書が投資家たちから高く評価されている理由は、以下のような独自性にあります。
読み手が迷わない構成
読み進める順序や、注目ポイントが段階的に整理されているため、初心者でも実践に移しやすい内容です。
一般常識を覆す投資スタンス
PERやPBRといった伝統的な指標に重きを置かず、PSR(売上高に対する株価の割安度)や営業利益率、自己資本比率といった“企業の質”を重視することで、本質的な成長企業を探すアプローチが展開されています。
マクロとミクロの視点が融合
日本株の成長性や地政学的優位性、人口動態など、外部環境の変化を取り入れながら銘柄を選定しており、「今なぜ日本株なのか」という問いにも明確なロジックが提示されています。
さらに、「損切りのラインは設けない」「逆張りのときこそ慎重に」「株価よりも時価総額を重視する」など、一般的な教科書では語られないリアルな実戦知も豊富です。こうした独自性が、読者にとって“今までと違う思考法”として刺さる要因となっています。

本の内容(目次)

この書籍は、株式投資において最も信頼性のある情報源のひとつである『会社四季報』を、どう読み、どう活用し、どう投資判断へ結びつけていくかを体系的に学べる構成になっています。初心者にとっては基礎的な読み方の理解から、中・上級者にとっては新たな銘柄発掘や判断軸の洗練に至るまで、あらゆるレベルの読者にとって実用性の高い内容が詰まっています。
本書は全部で5つの章からなり、それぞれが明確なテーマと目的を持って構成されています。章ごとのテーマは以下の通りです。
- 第1章 なぜ『会社四季報』は株式投資のバイブルなのか
- 第2章 四季報の達人・エミン流の実践投資術
- 第3章 今こそ「日本株」に投資する理由
- 第4章 上昇株を見つけるエミン流「四季報読破術」
- 第5章 【実践編】エミン流で見つけたお宝銘柄
この5つの流れを通して、企業分析の基本から、四季報の読み方、具体的な銘柄選定までを一気通貫で学べます。
次からは、それぞれの章の内容を詳しく見ていきましょう。
第1章 なぜ『会社四季報』は株式投資のバイブルなのか
この章では、『会社四季報』が単なる株式情報集ではなく、なぜ「投資家のバイブル」とまで呼ばれているのかが語られます。著者の原体験として、四季報との出会い、初めて読んだときの驚き、そして“ビギナーズラック”の意味や限界がエピソードを交えて紹介され、読者も自然と四季報の世界に引き込まれていきます。
特に興味深いのは、「プロでも読んでいない人が多い」という指摘です。つまり、情報が溢れる時代にあって、最も有用な一次情報である四季報を正しく読み込む人は案外少ないという現実。この点に気づくことで、読者は“他者に差をつける方法”としての四季報の可能性に目を開かされます。
さらに、「データの蓄積によって直感が鍛えられる」「アノマリー(季節性や規則性)に注目すべきだ」という視点も、経験を積んだ著者ならではのもの。これらは投資における“型”のようなもので、繰り返し読むうちに肌感覚として身につくと著者は語ります。

第2章 四季報の達人・エミン流の実践投資術
ここでは、著者が実際にどう銘柄を選んでいるのか、その基準や考え方が細かく解説されています。最も大きな特徴は「割安+クオリティ」という独自のスクリーニング基準。つまり、「株価が安いだけでは買わない。企業としての質(財務や事業内容)も重視する」という視点です。
たとえば、PER(株価収益率)は重視せず、代わりにPSR(株価売上高倍率)や営業利益率、自己資本比率を重視する点は、伝統的なファンダメンタル分析に新たな基準を与えています。また、「損切りラインはあえて設けない」「株価が下がっているときには買い増しをしない」といったルールも興味深く、一般的な投資本では見られない独自の哲学が垣間見えます。
さらに、日常生活からヒントを得る習慣や、話題になったテーマ株を意識的にストックする姿勢は、実践的で真似しやすいノウハウです。

第3章 今こそ「日本株」に投資する理由
マクロ経済の観点から日本株の魅力を語ったこの章は、エミン氏ならではのグローバルな視野が活きています。彼は、アメリカ市場の過熱感と、中国の地政学的リスクに言及し、それらから資金が流出する中で日本株に資金が流れ込むシナリオを論理的に展開します。
日本は長年デフレに苦しみ、株価も低迷していましたが、近年は企業の利益水準が上がり、ガバナンス改革も進みつつあります。円安による輸出企業の業績改善、日銀の金融政策の影響、そして政治の安定性といった要因が複合的に働いているとも指摘されています。
特に興味深いのが「日経平均10万円のロードマップ」という構想です。荒唐無稽な話に聞こえるかもしれませんが、その背景には長期的な賃金上昇、物価上昇、企業利益の拡大など、根拠に基づいた仮説が組み込まれています。

第4章 上昇株を見つけるエミン流「四季報読破術」
この章は、本書の中でも特に「実践向け」な内容が詰まったパートです。四季報のどのページから読み始め、どのように情報を整理し、何を判断基準にすべきか――そのプロセスが手順を追って明示されています。
まず重要なのは、巻頭ページの読み方です。多くの読者が見逃しがちなこの部分には、市場全体の業績トレンドや、注目されているキーワード、経済の方向性が詰まっています。次に、個別企業の「特色」「事業構成」「財務状況」「時価総額」「過去の最高益・最高株価」などを順を追って確認することで、情報の“つながり”が見えてくるようになります。
また、先入観を排除して全銘柄を「付箋で仕分け」する方法や、企業ホームページを最後に確認する重要性など、読み終えたあとに何をすべきかまでが丁寧にガイドされています。

第5章 【実践編】エミン流で見つけたお宝銘柄
最終章では、理論を現実に落とし込むための実例として、著者が実際に注目した銘柄が紹介されます。2022年当時に着目していた企業や、今後2〜3倍の成長が期待される企業リストが公開されており、読者が「実際に四季報でどう企業を見るのか」を体感できる構成です。
たとえば、業績のV字回復に着目した「東洋水産」、高配当利回りの「JT」、チャート分析からの「ワールド」、インフレ連動を意識した「レーサム」、受注残で評価した「DMG森精機」など、視点はさまざま。大事なのは、どれも単なる人気銘柄ではなく、“何らかの裏付け”があるということです。
さらに、2〜3倍株としてピックアップされている11銘柄は、時価総額や市場の注目度ではなく、「構造的に伸びる余地があるか」「競争優位があるか」といった中長期視点で選ばれています。

対象読者

『エミン流「会社四季報」最強の読み方』は、株式投資に関心があるすべての人に向けて書かれた実用書ですが、その中でも特に「投資の判断力を高めたい」「四季報をもっと戦略的に活用したい」と感じている人にとって非常に価値のある内容です。エミン・ユルマズ氏の15年にわたる実践と経験から生まれた独自の読み方は、これまで感覚的だった投資スタイルを、論理的かつ再現可能な技術に変えてくれます。
本書が強く響く読者層としては、以下のような人たちが挙げられます。
- 株式投資を始めたばかりの初心者
- 『会社四季報』の読み方を具体的に知りたい人
- 新NISAを活用して資産運用を考えている人
- 日本株に特化した投資戦略を学びたい人
- プロの視点で銘柄選定をしたい中級~上級投資家
以下で、それぞれの立場に合った読みどころを解説していきます。
株式投資を始めたばかりの初心者
株式投資を始めたばかりの方にとって、最初の課題は「何から学ぶべきか」「どの情報を信じるべきか」という取捨選択の難しさです。証券口座を開設し、四季報や証券会社のレポートに目を通してみても、難解な数字や専門用語に圧倒されてしまい、結局どの株を買えばよいのか、どのタイミングで売買すればいいのかと迷いが生まれがちです。
本書『エミン流「会社四季報」最強の読み方』は、そうした迷いを持つ初心者に対して、会社四季報という“道具”の使い方を、一から実践的に教えてくれる入門書でありガイドブックです。ただ項目を解説するだけでなく、「なぜこの項目を読むのか」「その情報をどう判断に活かすのか」という実践的な視点に立って解説しているため、「読むだけで満足してしまう投資本」とは一線を画します。
さらに、著者エミン・ユルマズ氏自身が投資未経験者からスタートし、長年四季報を読み込むことで投資スキルを高めてきたという背景があるため、「投資を学び始めた人の視点」に寄り添った説明が随所に見られるのも、本書の大きな魅力です。初心者がぶつかる壁を理解し、どう乗り越えるべきかを、実体験に基づいて丁寧に語ってくれます。

『会社四季報』の読み方を具体的に知りたい人
会社四季報は、東洋経済新報社が発行する株式投資家向けの情報誌で、年4回発行され、上場企業全ての詳細な情報が掲載されています。しかし、初めて四季報を手にした人にとっては、掲載情報があまりに膨大で、ページのどこを見ていいか分からない、何が重要なのか見極められないという声が非常に多いのが実情です。
本書は、そうした悩みを解決するために書かれています。特に特徴的なのは、情報の「読み方」だけでなく「読み順」まで明確に示してくれている点です。たとえば、「まず会社の特色を読む」「次に業績の推移に目を通す」「記事欄に出てくるキーワードに注目する」など、四季報を効果的に“使いこなす”ための順序と優先順位がはっきりと解説されています。
また、単に項目の説明をするのではなく、それぞれの情報が「株価の上昇にどうつながるのか」「企業の成長性をどう判断するのか」という実務的な活用方法に落とし込まれているのが本書の真骨頂です。さらに、企業のホームページでの追加情報の調べ方や、付箋を使って自分なりの注目ポイントを記録するテクニックなども紹介されており、読み方に“自分の投資スタイル”を乗せていくことができます。

新NISAを活用して資産運用を考えている人
2024年から刷新された新NISA(少額投資非課税制度)は、つみたて投資枠と成長投資枠に分かれ、より多くの人が長期的な資産形成に取り組みやすくなりました。しかし、多くの投資初心者にとっては「どの銘柄を買えばいいのか」「どうやって成長性を判断すればいいのか」という選別眼が十分に養われていないというのが現状です。
エミン氏の提唱する「割安+クオリティ」という視点は、新NISAを最大限に活かしたい個人投資家にとって極めて有効な判断軸となります。割安性だけを見て飛びついてしまうと、いわゆる“バリュートラップ”に陥ってしまうリスクがありますが、そこに「成長性」「財務の健全性」「業界構造」といった複眼的な視点を加えることで、より安定的かつ将来性のある投資判断が可能になります。
本書では、新NISAの運用対象として十分に検討に値する銘柄の選び方が豊富に紹介されており、その背景には、エミン氏自身が実際に四季報から見出した企業分析のプロセスがあるため、再現性の高いメソッドとして学ぶことができます。

日本株に特化した投資戦略を学びたい人
近年、日本株市場は企業の自社株買いや賃上げ、PBR改革などを背景に再評価されつつあり、海外投資家の資金も再び流入傾向にあります。こうした潮流の中で、日本株への投資を検討している人にとっては、短期的なテーマやニュースに振り回されない“構造的な視点”を持つことが求められます。
本書は、四季報を通じて個別企業の分析を行うだけでなく、「なぜ今、日本株なのか」というマクロ経済や地政学リスクの観点からの投資判断にも言及しています。米中対立や新冷戦といった国際情勢がどう日本企業に影響し、それが株価にどう反映されるのかという洞察は、他の投資本にはなかなか見られない視野の広さです。
さらに、「日本の改善トレンドはまだ二合目」といった中長期的な成長期待に基づく考察や、日経平均10万円の可能性といった大胆なシナリオは、単なるテクニカルな情報では得られない“長期的な投資ストーリー”として、読み応えのある内容となっています。

プロの視点で銘柄選定をしたい中級~上級投資家
すでに一定の投資経験を積んでおり、基本的な指標(PER、PBR、ROEなど)の使い方や財務諸表の読み方を習得している中・上級者にとっても、本書は新しい視点を提供してくれます。特に注目すべきは、著者が重視するPSR(株価売上高倍率)や時価総額などの視点で、従来の“割安指標”に依存しすぎない分析手法です。
また、「逆張り投資における注意点」「損切りラインを設けない理由」「株価ではなく時価総額を見る」という視点など、一般的な教科書とは一線を画す独自の投資哲学が展開されており、自らの投資スタイルを深めたいと考える人にとっては非常に刺激的です。
さらに、巻末では実際に著者が注目した銘柄リストが公開されており、その選定理由や判断プロセスを追体験することができます。これは、単なる理論ではなく「実戦でどう活かされるのか」を学ぶうえで、極めて貴重な事例集といえるでしょう。

本の感想・レビュー

初心者にもわかりやすい構成が魅力
投資初心者の私にとって、四季報は長くて難しそうな“辞書”のように思えて、手に取ることすら抵抗がありました。しかしこの本は、そんな先入観を一気に吹き飛ばしてくれました。
まず感じたのは、著者が読者の「初めて感」を本当に理解しているということです。章立ての構成がスムーズで、最初に心がけるべきポイントをやさしく示してくれるので、読み始めの不安がすっと解消されました。
専門用語の説明も単なる定義ではなく、具体的な事例を交えて解説されているため、頭にスッと入ってきます。難しい言葉が出てきても「この人なら大丈夫だ」と思わせてくれる安心感があり、読み進めるうちに自然と知識が定着していく感覚が味わえました。
「どこまで上がるか」を数字で考える方法
株をやっていると、どうしても「株価が上がったらラッキー」と感覚的に考えてしまいがちですが、この本に影響を受けてからは「数字で目標を持つ」重要性を強く意識するようになりました。
このアプローチの秀逸なのは、「どこまで上がるのか」という数値をもって利確ポイントを持てることで、感情に振り回されず判断ができるようになる点です。株価が一瞬上がっても、目標に届いてなければ慌てずに待てるようになりました。
その結果、熱くなって「もっと伸びるはず」とズルズル保有するような失敗が減り、逆に「ここで終わりかな」と思ったときには冷静に売れるようになりました。心に余裕を持てるようになったのは、この数字的目標設定のおかげです。
日本株投資への前向きな視点がもらえる
私は普段、仕事で海外の市場と接することが多く、正直なところ「日本株=停滞気味」という印象を持っていました。でも、この本に書かれている“日本株に対する希望”を読んで、その見方が少し変わったように思います。
著者は、グローバルな視点から日本経済のポテンシャルを冷静に分析したうえで、なぜ今こそ日本株に投資するべきなのかを説得力のある言葉で語っています。日本独自の経済構造、インフレ環境への変化、国際情勢の流れの中で日本に資金が流れ込む可能性など、普段のニュースだけでは得られない洞察が満載でした。
自分の周囲では米国株や暗号資産が話題になりがちですが、日本企業にも世界に通用する魅力があるという視点は、日本人として改めて勇気づけられるものでした。
PSRや自己資本比率に注目する独自視点
これまで私は、株価収益率(PER)や株価純資産倍率(PBR)といった一般的な指標しか見ておらず、それが当たり前だと思っていました。しかし、本書でPSR(株価売上高倍率)や自己資本比率の重視を知ってから、自分の評価視点に大きなズレがあると気づかされました。
PSRを注目することで、売上高と株価の関係から「成長企業」をより適切に見つけられるようになりました。これは、表面的な利益だけを追うのではなく、企業の本質に迫る思考法だと感じます。
一方、自己資本比率を確認することで、財務の安定度も視野に入れられるようになり、いわゆる「安心して持てる銘柄」を選びやすくなりました。数字をただ見るのではなく、“何がその数字の裏にあるのか”を考えることで、投資判断の深みが増したと思います。
お宝銘柄リストがありがたい
私はまだ投資歴が浅く、銘柄選びにいつも時間がかかってしまうのが悩みでした。そんな私にとって、この本の巻末に掲載されている「お宝銘柄リスト」は、本当にありがたい情報源でした。特に嬉しかったのは、ただ企業名が並んでいるだけでなく、それぞれの銘柄について著者の視点から簡潔な解説が添えられていた点です。
「業績のV字回復に注目」や「高配当利回りが魅力」といった視点は、自分ではなかなか気づけなかったポイントでしたし、PSR(株価売上高倍率)やPBR(株価純資産倍率)といった指標もあわせて紹介されていることで、実践的な目利きのコツをつかむことができました。実際、このリストから選んだ銘柄をポートフォリオに加え、安定した運用の足がかりとなっています。
チャートより企業分析重視の姿勢が共感できる
これまで私は、テクニカル指標やチャートの形を中心に株を選んできました。ですが、思ったように成果が出ないことも多く、「このやり方で本当にいいのかな?」と感じ始めていた頃に出会ったのがこの本です。
エミンさんの投資スタイルは、まさにファンダメンタル分析を軸にしたもので、企業の財務状況、事業構造、業績推移などを重視します。四季報の情報を丁寧に読み解き、数字の裏にある企業の本質を見極めるという姿勢が、非常に新鮮で刺激的でした。
今では、企業のビジネスモデルや将来性をじっくりと見てから株を買うようになりました。以前のようにチャートの形だけで判断していた自分に比べると、投資がずっと本質的で納得のいく行為になったと感じています。
「損切りしない」哲学にハッとする
最初にこの本で「損切りのラインは設けない」という一文を目にしたとき、正直驚きました。多くの投資本では、損切りの重要性が強調されていたからです。しかし、著者の考えを読み進めていくうちに、それは単なる“逆張り”の精神論ではなく、非常に合理的な判断基準のもとにあることが分かってきました。
エミンさんの主張は、短期的な株価の上下よりも企業の本質的価値に注目するというスタンスです。つまり、株価が一時的に下がったとしても、事業内容や業績、財務の健全性に問題がなければ、それは「売るべきタイミング」ではなく、むしろ「再検討するタイミング」だとする考え方なのです。
このアプローチに触れてから、自分の投資判断も落ち着きを持てるようになり、感情に流されて早まった取引をすることが減りました。長期投資を目指す私には非常に合っていた考え方です。
巻頭ページの活用など四季報の意外な使い方
今までの私は、会社四季報の巻頭ページなんて読み飛ばしていました。どうせどのページを見ても企業のデータばかりで、巻頭なんて広告か業界紹介くらいだと思っていたのです。
でも本書では、その「巻頭情報」にこそ重要なヒントが詰まっていると紹介されており、目から鱗が落ちました。たとえば、市場全体の業績見通しや、業界ごとの成長傾向、経済トレンドがグラフィカルにまとめられている部分などは、投資を始める上での前提知識として非常に役立ちました。
それ以来、四季報を手に取ると、まず最初に巻頭をじっくり読み込むようにしています。これだけでも「投資の視野」が大きく広がったように感じています。
まとめ

『エミン流「会社四季報」最強の読み方』を通じて得られる知識や気づきは多岐にわたり、投資家としての視野を広げてくれます。本書の締めくくりとして、読者が実際にどのような恩恵を受け、次にどのような行動を取るべきか、そして最終的に本書がどのような価値を持つのかを整理します。
以下の3つの観点から順に見ていきましょう。
- この本を読んで得られるメリット
- 読後の次のステップ
- 総括
それぞれのポイントが、本書の価値を最大限に引き出し、今後の投資活動にどう活かせるかの道しるべになります。
次のセクションで、それぞれ詳しくご紹介します。
この本を読んで得られるメリット
以下のような点が、本書を読むことで得られる主要なメリットです。
実際に使える「銘柄選定」の視点が身につく
株式投資で最も重要なのは、どの企業の株を買うかという判断です。本書では、エミン氏が四季報をどのように読み、どのように銘柄を見極めているのかを詳細に解説しています。PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)といった従来の指標に頼らず、PSR(株価売上高倍率)や時価総額、事業内容から「成長性」や「割安度」を判断するアプローチは、初心者にも理解しやすく、再現性が高いのが特徴です。
四季報を活用した情報収集の習慣が身につく
四季報は情報の宝庫ですが、どこをどう読めばいいのか迷うという声は多いです。本書では、読み進める順番からチェックすべき箇所、気をつけたい記述、さらには付箋を使った管理術まで実践的なノウハウが豊富に紹介されています。これにより、四季報をただの「データ集」ではなく、「自分の投資戦略を支える武器」として活用できるようになります。
投資に対する「考え方」が変わる
投資とは単なる数字の世界ではありません。エミン氏は、日本経済の構造変化、地政学リスク、世界のマクロ環境など、広い視野から企業の未来を見通す重要性を説いています。銘柄選びにとどまらず、投資家としてどのように時代を読み解き、資産を育てるかという「思想」そのものを学べるのも、本書の大きな魅力です。
実名で紹介される「お宝銘柄」がヒントになる
理論だけでなく、実際にエミン氏が注目している銘柄が具体的に掲載されている点も見逃せません。東洋水産、JT、トピー工業など、なぜ注目されたのかという視点を学ぶことで、読者自身も「次に来る企業」を発見する力を養うことができます。ただ銘柄を真似するのではなく、背景や判断基準を学べる点が重要です。

読後の次のステップ
本書を読み終えたあなたは、すでに「会社四季報」に対する認識と使い方が大きく変わっているはずです。しかし、ここで終わらせては意味がありません。本書の知識を真に“自分のもの”とするためには、実際の行動が必要です。
以下のようなステップを踏むことで、理解を深め、実践的な力へと変換していくことができます。
step
1実際に『会社四季報』を一冊読んでみる
まずは本書で得た知識を活かして、実際の四季報を手に取ってみましょう。巻頭のマーケット分析から始まり、個別企業のページまで、エミン氏の指南通りに読み進めていくことで、「情報を見つける目」が養われていきます。全ページを網羅する必要はありませんが、自分の興味のある業種や企業から始めて、読み方のリズムを掴むことが大切です。
step
2自分なりの“注目銘柄リスト”を作ってみる
読み進める中で、「おや?」と感じた企業が出てきたら、それをメモに残し、自分だけの注目銘柄リストを作成しましょう。これは単に興味のある会社を並べるのではなく、「割安+クオリティ」という観点からスクリーニングし、自分の投資方針と照らし合わせることが重要です。本書の巻末に掲載されているお宝銘柄の選定理由も参考にすると良いでしょう。
step
3実際に少額から投資を始めてみる
理論や情報を学んだら、次は「実行」です。新NISAなどを活用して、少額からでも投資をスタートしてみることをおすすめします。実際に株を買ってみると、ニュースや四季報の内容が“自分事”として感じられるようになり、学びの質が劇的に変わります。行動こそが、学びを血肉にする最良の方法です。
step
4定期的に四季報を読み直し、情報をアップデートする
四季報は年に4回発行されるため、定期的な読み直しと情報のアップデートが可能です。初めて読んだときには気づかなかったトレンドや成長性に、繰り返し読むことで目が向くようになります。本書のアドバイス通り、過去の号と比較してみることも、新たな発見につながるでしょう。

総括
『エミン流「会社四季報」最強の読み方』は、株式投資における“地図”と“コンパス”を同時に手に入れるような一冊です。投資家としての経験が浅い初心者にも、ある程度の実績を持つ中上級者にも、それぞれにとっての「気づき」と「発見」が詰まっています。本書の最大の特徴は、一般的な数値分析だけでなく、実際の投資判断の流れや直感の重要性にまで踏み込んでいる点にあります。
とりわけ、エミン氏の「割安+クオリティ」という視点や、「PER・PBRに過度に頼らない」という柔軟な価値判断は、従来のバリュー投資とは一線を画すものです。このような視座を得ることで、単なる表面的な数字の追いかけではなく、本質的に成長できる企業への投資というスタンスが身につきます。
また、「四季報の読み方」という非常にニッチなテーマでありながら、日本経済の構造変化や地政学的背景にも言及しており、単なる投資ガイドを超えた“経済を読む教養書”としても価値を持ちます。新NISAという制度変更の波にも触れられているため、今まさに投資の世界に足を踏み入れようとしている人にとって、最良のタイミングで手に取るべき一冊とも言えるでしょう。

この本を読むことで、四季報が単なる企業データの集合ではなく、「日本経済の物語を描く媒体」であることに気づきます。
情報に流されず、自らの視点で「企業を見る力」を養いたい読者にとって、本書はその第一歩を確実に支えてくれるはずです。
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