ドライブレコーダーの価格が高騰しています。
1年前に比べ5割ほど上昇しました。
あおり運転の厳罰化を受けて、需要が高まっているのです。
品質としても、ナンバープレートや相手の顔を確認できる程の高性能な商品が人気です。
ドライブレコーダーの価格は下落する見込みはあるのでしょうか?
ドライブレコーダーの価格が高騰
出典:日本経済新聞社
自動車の走行中の映像を記録する「ドライブレコーダー」の売れ筋価格帯が上昇しています。
カー用品店や家電量販店の売れ筋は1台3万円台半ばと1年前より約5割高くなっています。
「あおり運転」が厳罰化され、その証拠になるとして高性能カメラを搭載した製品が人気です。
新型コロナウイルス禍に伴う密回避のため車での移動を重視する消費者が増えている背景もあるとみられています。
全方位を撮影する360度カメラに人気がシフト
大型カー用品店「APIT(アピット)オートバックス東雲(東京・江東)」では売れ筋の価格が1台3万5千~3万7千円前後だそうです。
1年前に比べ5割ほど上昇しました。
同店は、「従来は前方のみを撮影するタイプの購入が多かったが、最近は前方と後方を同時に撮影できる2カメラタイプや全方位を撮影する360度カメラなど高機能モデルに人気がシフトしている」と話しています。
価格は5年で4割高くなる
調査会社BCN(東京・千代田)によると、家電量販店やネットショップで販売されたドライブレコーダーの2020年の平均単価は1万6400円(税別)でした。
5年前と比べ約4割高くなっています。
あおり運転摘発の9割超でドライブレコーダーの映像が証拠
高機能品の支持をけん引するのは、昨年6月のあおり運転の厳罰化です。
他の車両の通行を妨害する目的で急ブレーキや車間距離を詰める行為などあおり運転が取り締まりの対象となり、警察庁はドライブレコーダーが悪質・危険な運転行為の抑止に有効とみています。
今年2月に公表したデータによると、あおり運転で摘発した9割超でドライブレコーダーの映像が重要な証拠となるなど効果もが期待されます。
映像が鮮明に映る高性能の商品が人気
自動車用品販売店によると「映像が鮮明に映る製品を買うドライバーが増えている」といいます。
相手車両のナンバーや車の特徴などをより確実に映したいという需要も高まっているようです。
フルハイビジョン対応やCMOS(相補性金属酸化膜半導体)イメージセンサーを搭載してトンネルや夜間など暗い場所で高感度撮影ができる製品の人気が上がってきています。
ドライブレコーダーの搭載率は高まるもよう
ドライブレコーダーの普及はさらに進みそうです。
タクシーやトラックなど業務向けを中心に導入が始まったが、近年はあおり運転のほか高齢ドライバーによる事故の話題も目立ち、事故からの自己防衛の意識もあって自家用車にも普及しています。
国土交通省によると20年のドライブレコーダーの搭載率は54%。
コロナ禍で車の移動が重視されるなど、今後も搭載率は高まるもようです。
半導体不足で価格は安くならない
一方、目先は世界的な半導体不足の影響を指摘する声もあります。
半導体の調達が滞ったドライブレコーダーメーカーの生産が一部で追いついていない製品もあるといいます。
需要が増えるなかで供給が不足気味となれば、ドライブレコーダーの価格を下支えする一因となる可能性も出てきます。