
「数字が苦手」でも、四季報が読みたくなる。投資初心者の“バイブル”が、まさかの“謎解き小説”に!?
会社四季報――それは、個人投資家の多くが一度は手に取るものの、「難しそう」「文字が小さい」「数字ばかり」と敬遠されがちな一冊。でも、もしこの分厚い情報誌が“読み物”として楽しめて、しかも株式投資で儲かるヒントに満ちていたら……どうでしょう?

『世界一楽しい! 会社四季報の読み方 小説のようにハマり、10倍儲かる!』は、そんな常識をひっくり返す革命的な一冊です。
著者は、四季報オンラインで人気を博すコラムニスト・藤川里絵氏。筋金入りの「数字嫌い」でありながら、四季報を“謎解き”として読む独自の視点で、自己資金を5年間で10倍に増やした実績を持つ人物です。

「投資は難しい」と思っていた人こそ、ハマる――四季報の新たな楽しみ方を知ると、きっとあなたもそのページをめくる手が止まらなくなるはずです。
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書籍『世界一楽しい! 会社四季報の読み方 小説のようにハマり、10倍儲かる!』の書評

投資家の必須アイテムとも言われる「会社四季報」は、その情報量の多さゆえに、初心者にとっては「読みにくくて難しい」というハードルがあるのも事実です。そんな悩みを解決し、さらに「読み物」としても楽しめる新たな切り口を提案してくれるのがこの一冊です。
このセクションでは、以下の4点から本書の魅力を多角的にご紹介していきます。
- 著者:藤川里絵のプロフィール
- 本書の要約
- 本書の目的
- 人気の理由と魅力
それぞれの視点から、本書がどんな読者に向いているのか、どんな価値を提供してくれるのかを分かりやすく掘り下げていきます。
著者:藤川里絵のプロフィール
藤川里絵氏は、出版社での編集経験を持つ元編集者であり、現在はライフスタイル投資家・マネー系講師・コラムニストとして活動中の人物です。
青山学院大学経済学部を卒業後、20代はメディア業界でキャリアを積みましたが、30代で「将来のお金」に不安を抱いたことをきっかけに株式投資を開始。初心者からスタートし、なんと自己資金を5年間で10倍に増やすという成果を挙げました。
特筆すべきは、彼女が「数字嫌いの文系出身」であるという点です。理論やファンダメンタルズよりも、直感や言葉の機微に注目する読み方を重視し、四季報のなかに“記者のメッセージ”を読み取る独自の視点を築き上げました。
現在は「四季報オンライン」の人気コラムニストとして記事を連載しており、講演やセミナーでは「四季報が好きすぎて、無人島に1冊持っていくならコレ!」という名言(迷言?)を飛ばすほど。著書に『月収15万円からの株入門』『株は5勝7敗で十分儲かる!』などがあり、特に女性や投資初心者の読者から厚い支持を得ています。

本書の要約
本書は、膨大なデータと専門用語が並ぶ「会社四季報」を、まるでミステリー小説を読むような感覚で読み進められる一冊です。四季報を読む際、多くの人は「数字」を見ようとします。しかし著者の藤川里絵さんは、「言葉」に注目することで、隠された企業のストーリーや将来性を見抜けると提唱します。
たとえば、記事欄にある「虎視眈々」や「積極投資」といった見出しのひとこと。これらは記者の主観や現場取材の熱量がにじみ出た“暗号”ともいえる表現であり、数字では読み取れない重要な兆しを含んでいます。また、文章の言い回しや文末に仕込まれた「増配か」「再成長期待」といったあいまいな言葉にも、企業の本音が隠されている場合があります。
こうした“匂わせワード”を読み解くことで、他の投資家が気づかないタイミングで有望な企業に目をつけられる。このアプローチが、藤川式「四季報の読み方」の神髄なのです。

本書の目的
この本が目指しているのは、「四季報=数字だらけの難しい本」という先入観を取り払い、誰もが自分の感性で“読み解き”、使いこなせるようになることです。著者自身が数字嫌いであったこともあり、本書では財務諸表や指標の読み方に頼らない手法が徹底されています。
最初に目を向けるのは、業績欄でもチャートでもなく、記事欄の「言葉」や「見出し」。これはあくまで“第一歩”であり、読者は読み進めるうちに自然と企業の姿勢や戦略、業界動向に目が向くようになります。言葉を追ううちに、知らず知らずのうちに“企業を見る目”が養われる、そんな体験設計がされているのです。
さらに、文章は講義形式や会話調で進行するため、まるで先生から直接学んでいるような臨場感があります。専門用語もなるべく平易に解説されており、投資本にありがちな“途中で投げ出したくなる感じ”がありません。

人気の理由と魅力
本書が多くの読者に支持されている理由は、その“親しみやすさ”と“実用性”が高次元で融合している点にあります。文章は全体的に対話調で進行し、初心者でも途中で挫折しにくい構成になっています。投資本によくある「難しさ」や「上から目線の指導感」は一切なく、読者と著者が一緒に謎解きをしていくような臨場感があります。
また、著者自身の「数字に強くない」立場からの視点は、多くの読者に安心感を与えます。「投資ってこうやるんだ」と“型”を押しつけるのではなく、「私はこう読んで、こう感じて、こう動いた」というストーリーテリングによって、読者は自然に学びを得られるのです。
さらに、提示される手法が具体的かつシンプルであることも特筆すべきポイントです。「記事欄に“増配か”という言葉があるか?」といった初歩的な着眼点から、「前号・前々号の言葉の変遷を追ってみる」といった分析的な視点まで、読者のレベルに合わせて段階的に紹介されています。

本の内容(目次)

この本では、四季報をただの情報集としてではなく、「読み解く楽しさ」を味わえる一冊として構成されています。各パートでは、まるで謎解きのように企業の実態や未来の動きを読み解くヒントが散りばめられています。
以下の章立てに沿って、それぞれ異なる角度から四季報の魅力と実用性が掘り下げられています。
- PART1 「記事欄」の謎を解け!
- PART2 「会社の数字欄」の謎を解け!
- PART3 「基本情報欄」の謎を解け!
- PART4 「巻頭特集」の謎を解け!
どの章も、「四季報=退屈なデータの羅列」と思っていた人の先入観を大きく覆す内容となっており、読み物としての面白さと投資情報としての価値を両立しています。各パートの内容を順に見ていきましょう。
PART1 「記事欄」の謎を解け!
最初のパートでは、会社四季報の中でも記者の主観やニュアンスが色濃く表れる「記事欄」に注目します。この欄には、企業の現状や見通しが100文字前後という極めて限られたスペースに凝縮されて記載されています。表現は簡潔で直接的な言及を避けるため、読み手には「行間を読む力」が求められるのです。
本書では、「虎視眈々」「積極投資」など、特定のワードに込められた意味や記者の意図を丁寧にひもときながら、そこから企業の将来性を読み解く方法が紹介されます。また、「ポジティブな言葉が並んでいても株価が下がる会社」や「何気ない表現の裏に急成長の兆しがある企業」など、言葉選びから読み取れる“違和感”の扱い方も実例とともに解説されています。
さらに、四季報記者が使う“暗号のような見出し”に注目し、それがどのように次の株価上昇と関係していたかを、実際の事例(例:日建工学の「不気味」)を用いて深掘りしています。

PART2 「会社の数字欄」の謎を解け!
次に扱われるのは、いわゆる財務情報が掲載されている数値中心のエリアです。売上高や利益、ROE(自己資本利益率)、自己資本比率など、四季報の心臓部ともいえる情報が集まっている場所ですが、本書はその数値を「ストーリーとして読む」ための技術を教えてくれます。
たとえば、オーナー企業かどうか、超大株主の存在、株主構成の変化といった“会社の背後にある力学”に注目することで、株価に与える影響を先読みする力が育ちます。著者は「数字は企業の現在地を示すが、変化は未来を動かす」として、数値の比較ではなく“乖離”や“逆転現象”に着目するよう導いています。
また、「会社予想」と「四季報予想」の差異や、「業績欄に表れるサプライズの兆候」など、投資判断に直接役立つ視点がふんだんに盛り込まれています。数字が苦手な人にこそ、この章は驚きと納得をもたらしてくれるでしょう。

PART3 「基本情報欄」の謎を解け!
多くの読者が見落としがちな「基本情報欄」こそ、本書では宝の山として扱われています。企業の設立年、本社所在地、従業員数、主要取引先、事業構成など、いわゆる“プロフィール情報”が並ぶ欄ですが、そこには数字とは異なる“会社の個性”が反映されています。
たとえば、取引先の名前から見えてくる業界構造や下請け体質、企業名の変更から察せられる戦略転換、地方発のニッチ企業のグローバル進出など、見逃されがちな変化の萌芽を見つけることができます。また、ブラック企業かホワイト企業かといった労務体質まで、数字に表れない側面もこの欄から読み取ることができるのです。
この章では、牛丼業界(吉野家・松屋・すき家)などの横断的な比較もあり、業界地図を立体的に理解するヒントにもなっています。

PART4 「巻頭特集」の謎を解け!
最後に紹介されるのは、四季報の冒頭にある巻頭特集やランキングなど、あまり注目されないエリアの活用術です。しかし、ここにはマーケットの「空気」や「トレンド」が凝縮されており、視野を広げるための優れた情報源となります。
たとえば、「見出しランキング」では、頻出するキーワードから業界全体の潮流を読み解くことができます。「増配」「EV」「インバウンド」などのワードが多く見られれば、今そのテーマが注目されている証拠です。また、特定号ごとに同じテーマが繰り返される理由や、実は価値があるとされる“継続性リスクのある企業”の逆転劇など、視点を変えれば“穴場情報”の宝庫となります。
加えて、一般には知られていない「株主優待の仕組みの裏側」や、巻頭特集に仕込まれた“編集部のメッセージ”を読み解くヒントも提供され、初級者でも市場の大局観を身につける第一歩になります。

対象読者

この本は、四季報を読むのが初めての人から、すでに投資を始めているが読み解きに不安を抱えている人まで、幅広い層にとって価値あるガイドとなる一冊です。「難しい」「つまらない」と感じていた情報誌が、まるで娯楽のようにスラスラ読める構成になっており、それぞれの読者が抱える課題や目的に寄り添ってくれます。
特に以下のような人におすすめです。
- 投資を始めたばかりの初心者
- 四季報に苦手意識を持つ人
- 企業研究を深くしたい就活生
- 銘柄選びに新たな視点が欲しい中級投資家
- 「推理小説」のような読み方で楽しく学びたい人
投資というと、冷静なデータ分析が求められる世界と思われがちですが、本書は「興味」から入って「成果」にたどり着くことを大切にしています。読み進めるうちに、気づけば投資の腕も自然と磨かれているはずです。
投資を始めたばかりの初心者
投資を始めて最初に直面する壁のひとつが「情報の多さ」と「何を見ていいのかわからない」という不安です。四季報もその代表格。ページを開けば、企業ごとに細かな数字や専門用語が並び、どこから読めば良いのか戸惑う人は少なくありません。
本書では、そうした初心者でも迷わず読み進められるように、まず「記事欄」に注目する方法を紹介しています。記事欄とは、会社の近況や今後の動向などが簡潔に書かれている四季報の要点ともいえる部分です。著者はここに仕掛けられた「ヒント」や「含み」の読み解き方を指南してくれます。
たとえば、「上方修正」「虎視眈々」といった一見当たり前に見える言葉の裏には、記者の予測や取材をもとにした評価が隠されていることも。本書ではそうしたニュアンスを掘り下げ、「数字に頼らない投資判断」への道を開いてくれるのです。

四季報に苦手意識を持つ人
「数字だらけで退屈」「分厚すぎて手に取る気がしない」――こうした声は、投資に興味があっても四季報を敬遠してしまう多くの人から聞こえてきます。そんな方にこそ、この本は“読む楽しさ”を教えてくれる存在です。
著者自身、かつては数字嫌いの文系出身。にもかかわらず、四季報の見出しや文章を読み解く“謎解き”というスタイルを見出したことで、四季報の見方が一変したと言います。「不気味」「積極投資」「ウハウハ」といった独特の言葉の裏に、記者が語れない本音や将来の展望が読み取れる――この視点は、単なる情報集めから四季報を“読み物”へと変化させる鍵になります。
この読み方を知れば、「面倒くさい」から「もっと読みたい」に変わる体験が得られるはずです。

企業研究を深くしたい就活生
就活の際に企業研究は欠かせません。しかし、企業HPや採用パンフレットは、どれも似たような言葉ばかり並び、本質的な違いを見つけにくいと感じている学生も多いでしょう。そんなときにこそ、四季報の出番です。
本書では、業績や沿革だけでなく「基本情報欄」に注目することで、企業の“顔つき”を掴む方法が紹介されています。たとえば、取引先の構成から業界での立ち位置を読み取ったり、筆頭株主の変化から経営の安定性を見抜いたりといった具体的な着眼点が提示されており、表面情報では見えない企業のリアルな姿に触れることができます。
また、「名前を知っている会社=安心」といった先入観から脱却し、地方に潜む実力企業やニッチな成長企業を発見するきっかけにもなります。これは、他の就活生と一線を画す“企業研究力”につながるでしょう。

銘柄選びに新たな視点が欲しい中級投資家
投資経験を積み、ある程度の勝ちパターンを確立した投資家にとっても、常に新たな視点が求められます。市場環境は変化し、企業も成長や衰退を繰り返す中で、同じ指標だけに頼っていては、いずれ限界が訪れます。
この本は、中級者が次のステージへ進むための「読み方のアップデート」を提供してくれます。たとえば、記事欄に仕込まれた「予兆」「暗号」の読み解きは、チャートや決算データでは拾いきれない企業の動きを察知するためのヒントになります。
また、前号・今号・次号をまたいで見出しの変化を追う「言葉の連続性」に注目するテクニックは、まさに中級者以上の投資家向けのスキルです。数字の分析に偏りがちな思考を柔らかくし、新しい角度から銘柄を評価する力を養います。

「推理小説」のような読み方で楽しく学びたい人
「投資=お金の話」と構えてしまいがちですが、四季報には人間味や物語性が豊富に含まれています。本書では、記者たちが限られた文字数の中で伝えようとした“想い”や“匂わせ”を読み解くことで、まるで謎解き小説のように企業分析を楽しめる手法が紹介されています。
たとえば、見出しの中に紛れ込むキーワードや、過去号との文脈の違いに注目することで、企業に何が起きているのか、これから何が起きるのかを推理するような視点が持てます。この読み方は、「儲かるかどうか」だけでなく、「読み物としての面白さ」も味わえるという点で、知的好奇心を刺激してくれます。
数字嫌いな文系出身の著者だからこそ生まれたこのアプローチは、「学び」と「楽しさ」を両立させたい人にとって、まさに理想的なスタイルです。

本の感想・レビュー

「四季報=難しい」の常識が覆る
四季報と聞いてまず浮かんでいたのは、細かい数字が延々と並ぶ、手に取るのが億劫な重たいモノ。でも本書を読み進めてみると、そんな先入観がまるで自分の中の幻のように溶けていきました。
著者が「数字だけを見ていた頃は罰ゲームだと思えた」と率直に語ることで、「わかりにくい=私には無理」という感情に共感の光を当ててくれたのです。また「見出しというクリップ」に注目するという視点の転換が、一気に読みやすさと楽しさを引き出しました。
読み終えたあとに四季報をめくると、自分の頭の中に「匂いを感じる感覚」が芽生えていて、これまで目をつぶっていた領域が自然と開かれていく感覚がありました。投資書としてのハードルを気づかせずに下げてくれる作りに、深く感銘を受けました。
実在する企業の謎解きがリアルでワクワクする
色々な投資本を読んできましたが、本書ほど実例にリアリティを持たせたものは初めてです。著者が取り上げた日建工学(9767)など、実在企業の四季報上の“言葉の変遷”が全部つながっていく様子は、まるで時系列ドラマを追っているかのようで、一つの号から次の号へかけて株価が反応していく「伏線の張り方」には、思わず息を呑みました。
こうした具体事例があるからこそ、単なるトリックばかりではなく、「本当にこういう動きが起きるんだ」と現実味を実感できます。そしてその印象が読後も引きずって、翌朝には自然と四季報を手にしている自分に気づきました。知識ではなく「体験」として残る読書体験は、読んだ後の投資行動にも直結します。
「増配か」など注目フレーズを知れる
四季報を何度もパラパラと見ていた私が、声に出して驚いたのは「増配か」というフレーズでした。この一言が、業績数値よりも前に表れる“匂わせ”として、実際の企業行動と株価変動につながる可能性を示唆していることに、衝撃を受けました。
「○○か」と疑問形になっている見出しが、企業への取材で感じ取った記者の期待や注目を含んでいると知り、その視座が明確になったのは大きな発見です。この本を読み終えた後、四季報をめくるたびに「この言葉、匂う…?」と自分で問いかけるようになり、そこから得られる気づきの数は格段に増えました。
単に投資のための理屈ではなく、言葉のニュアンスによって読み解くテクニックが得られるとは想像していませんでした。自分の観察力や直感に、自信をもたらしてくれる点で非常に貴重なガイドです。
著者の視点がユニークで共感できる
藤川里絵さんが本書内で見せる“素の自分”に、私はすごく惹かれました。数字嫌いだったことを潔く公言し、「四季報が推理小説になる瞬間」が来た驚きと喜びを余すところなく伝えることで、読者との心理的距離が一気に縮まります。
特に「無人島に四季報を持っていく」というフレーズは、冗談でも軽口でもなく、彼女にとっては真剣勝負である証。その真剣さとユーモアが溶け合った語り口は、人間味にあふれ、読み手として「自分もこの人と一緒に謎解きしてみたい」と素直に思えてくる魅力があります。
投資本を読んでいて「この人、ちょっと堅苦しいな」と感じることが多い中、本書は違います。等身大の著者という存在感があるからこそ、ワークショップに参加しているような安心感と親近感がありました。
感情を読む訓練になる
四季報を読んで「感情を読む」なんて、以前の私なら想像もできなかったと思います。けれど、この本に出会ってからは、企業の業績や指標を追うだけでなく、その背後にある記者の「感じた空気」や「企業に対する期待感」、さらには“匂わせ”的なワードの使われ方まで気になるようになってきたんです。
読んでいるうちに、自然と「この文言、なんだかテンション高いな」「あれ、ここだけ言葉が歯切れ悪いな」といった温度差を感じ取るようになり、それがまさに“感情を読む力”なんだと気づかされました。投資とは感情で動く市場に関わること。数字の裏にある人間の動きや、筆の運びに込められたメッセージを察するトレーニングにもなるという点で、この本は単なる四季報の読み方にとどまらず、読み解く力そのものを育ててくれたと感じます。
使えるテクニックが満載
専門用語や数字の細かい読み方には脳内で「苦手センサー」が鳴ってしまう私ですが、本書には「実用に直結する技術」がふんだんに盛り込まれていて驚きました。読み進めるほどに得られるのは、単なる知識ではなく、実際の投資活動で即役立つ指針です。
たとえば、見出しに隠されたポジティブワードとその背景を分析する方法、数字欄の注目ポイントをピックアップする順番、チャート欄から未来を読み取る視点……どれも「読んで終わり」ではなく、翌日の相場チェックや銘柄選びの際に即入力できるレベルなのです。これは実践書というより、プロの指南書と呼んでも過言ではないと感じました。
実際に自分で試せるゲーム感覚のテキストになっていて、紙面をめくる手を止めず、いつしかノートにメモを取りながら集中していたことに、読み終えた時点で気づかされました。これは本当に「使える」本です。
記者の「温度」まで感じ取れる深い読解
四季報の記者は感情を出さずに淡々と事実を書くものだと思い込んでいましたが、本書を読んでからはまったく印象が変わりました。「記者の目線って、こんなにもにじみ出ているんだ」と思わされる瞬間が何度もありました。
文章量に限りがある中で、記者が選ぶワードには必ず意図がある。あるときは肯定的に、またあるときは距離を取るように語る――その微妙なニュアンスに目を向ける読み方を教えてくれるのが本書です。単にデータを見るのではなく、“記者の意志”を読む。この視点はまさにプロの投資家が持っているもので、素人の私には新鮮でありながらも強烈に説得力がありました。今では「記者の温度を測る」ことを楽しみながら読むようになりました。
株を読むというより“感じる”感覚
この本を読んでからというもの、数字を見るでも、分析するといった硬い態度ではなく、どこか“感じる”フィーリングで四季報に向かう自分がいます。著者が提唱する「記者目線で感じ取る見出しの空気感」は、まさに直感を研ぎ澄ますトレーニングのようでした。
たとえば「虎視眈々」「遠い夜明け」といった言葉に込められた情感や期待を捉え、「肌で感じる」ように企業の動きを読む。この感覚は数字とは違って言葉の振動をキャッチするチューニングで、投資活動がまるで五感を使ったアートのように変わります。
この“感じる株読み”スタイルは、これまで株を数字で語ろうとしていた自分への逆転劇であり、字面から直感へ世界が広がる瞬間を味わえた貴重な経験でした。
まとめ

本書は、これまで「難しそう」「数字ばかりでつまらない」と思われていた『会社四季報』を、まるで推理小説のように「読みたくなる」存在へと変貌させる一冊です。著者・藤川里絵氏の豊富な実体験と、四季報を読み解くスキルを体系化した独自の視点によって、読者は“情報の迷路”だった四季報を、“楽しみながら稼げる羅針盤”に変えることができるでしょう。
ここでは、以下の3つの視点から、本書の価値を整理していきます。
- この本を読んで得られるメリット
- 読後の次のステップ
- 総括
それぞれの項目が、四季報を活用する上での学びや実践的な指針となるはずです。以下に詳しく解説していきましょう。
この本を読んで得られるメリット
ここでは、本書を読むことで得られる具体的なメリットを、テーマごとに詳しく紹介していきます。
四季報の「読解力」が劇的に向上する
これまで“数字だらけの辞書”のように思えていた四季報が、本書を読むことで一変します。特に、著者が注目する「記事欄」のキーワードは、企業の未来を占うヒントの宝庫。言葉の選び方や見出しに込められた記者の“匂わせ”に気づけるようになれば、四季報のページに隠された真の情報が読み取れるようになります。
「見る」から「読む」への意識の転換が、四季報を楽しめる武器へと変えてくれるのです。
投資に対する「戦略的な視点」が身につく
本書では、「上方修正」「サプライズ予兆」「買収防衛策」など、株価が動く要因を先回りして察知する読み方が丁寧に紹介されています。ただ業績の良し悪しを追うのではなく、なぜその数字になったのか、その背景にどんな動きがあるのかまでを探る思考法は、まさに投資における“先読み力”を鍛えるトレーニング。
これにより、他人と同じ情報を見ていても、読み解き方によって“差がつく投資判断”が可能になります。
企業分析の幅が広がる
財務指標やチャートの読み方だけでなく、「材料欄」「基本情報欄」「チャート欄」といった各欄の意味と使い方が解説されているため、四季報一冊から読み取れる情報量が大幅に増えます。とくに、企業の“裏の顔”や“ポジションチェンジ”などのストーリーを読み解く視点が身につくと、ただの業績比較では得られない企業の真価に気づくことができます。
読者は「業績が良いから買う」という単純な視点から脱却し、「将来に何が起きそうか」「市場にまだ気づかれていない強みは何か」といった深い分析ができるようになります。
投資が“面白くてやめられない”知的ゲームになる
数字が苦手な人でも、本書のアプローチならば「面白い」「続けたい」と思えるようになります。推理小説を読むように、四季報に隠された伏線や“謎解き”を楽しみながら読み進めていくスタイルは、読み手を飽きさせません。
実際に著者自身が、数字嫌いでありながらもこの方法で5年間で資産を10倍にした実績を持つというのも大きな説得力。退屈な作業から、知的な遊びへ——そんな投資体験を提供してくれる一冊です。

読後の次のステップ
本書を読み終えた後、四季報の読み方が一変し、情報の海に潜む“兆し”を読み解く面白さに気づいたことでしょう。ですが、それはスタートラインに立ったに過ぎません。ここから実践と応用を通じて、さらに深い投資スキルを育てていくことが重要です。
以下に、次に踏み出すべきアクションを紹介します。
step
1実際に四季報を手に取って読み始める
まず最初の一歩は、実物の『会社四季報』を購入し、手元に置いてみることです。書籍で紹介された注目ポイント、マジックワード、記事欄の見出しなどを探す「謎解き読書」を、実際の紙面で体験してみましょう。デジタル版でも構いませんが、紙のページをめくる体験には発見の多さがあります。
自分の興味のある業界や、聞いたことのある会社から読み始めると、自然と読み進めやすくなります。
step
2気になる企業を数社ピックアップして分析する
読みながら「この企業、なんだか気になる」と思ったら、それは自分だけの“投資の種”です。記事欄の言葉の使い方、業績の推移、チャートの形、基本情報の変化などを観察し、本書で学んだ視点をもとに深掘りしてみましょう。
ポイントは、株価が上がるか下がるかの“正解”を当てることではなく、「なぜそう判断したか」を言語化すること。それが将来的な投資力の基礎になります。
step
3四季報の複数号を照合し、変化を追う習慣をつける
本書では「前号と比較することの重要性」が何度も強調されています。特定の企業に注目したら、過去の号にさかのぼり、記事欄の言葉や業績の推移、株主構成などがどのように変化しているかを確認してみましょう。
継続的な観察によって、“単発の情報”が“長期的なストーリー”へと変わり、より深い企業理解と投資判断が可能になります。
step
4実際に少額で投資をスタートしてみる
十分に観察し、自分なりの読み方に手応えを感じたら、思い切って少額の資金で実際に投資してみましょう。自分の読みが実際に株価にどう反映されるかを体験することは、何よりの学びになります。
特に、本書で紹介された“兆しを読む”力がどれほど有効かを、自分のお金を通して検証することは、単なる勉強よりも何倍も記憶に残ります。

総括
『世界一楽しい! 会社四季報の読み方 小説のようにハマり、10倍儲かる!』は、単なる投資入門書ではありません。四季報という“投資家のバイブル”に対する先入観やハードルをやさしく、そしてユニークに解きほぐしながら、読み手の意識と行動を確実に変えてくれる一冊です。
著者・藤川里絵氏は、数字嫌いであった自身の経験をもとに、「記事欄の言葉の裏を読む」というまったく新しい読み方を提案します。それは、ただの情報収集ではなく、まるで推理小説を読み進めるような知的冒険であり、同時に企業や経済の未来を先取りする“目利き”としての視点を育てる訓練でもあります。
さらに本書は、「読む力」と「考える力」を磨く実践的な教材でもあります。業績の数字にだけ注目するのではなく、その背後にあるストーリー、記者の熱量、業界の動向、さらには企業同士の駆け引きまでも読み取ろうとする姿勢が、投資家としてのレベルアップにつながっていきます。
読み終わったときには、「四季報=難解で退屈」というイメージは完全に払拭されているでしょう。代わりに手元の四季報が、まるで伏線が張りめぐらされたドラマのように、生きた読み物として立ち上がってくるはずです。

この一冊は、数字や株式に苦手意識を持つすべての人にこそ届けたい“読み方の革命書”です。
そして、四季報という巨大な情報の宝庫のなかで、自分だけの光る原石を探し出す力を授けてくれる、まさに「10倍儲かる」価値のある指南書なのです。
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