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自転車の交通違反に反則金が導入される

自転車の交通違反に反則金が導入される

2023年8月3日、警察庁は自転車に対して自動車と同様に「反則金」制度の対象とするか有識者会議で議論すると明らかにしました。

危険な違反行為などの摘発が増えており、違反の抑止や交通ルールの浸透につなげたい考えです。

実現すれば自転車の取り締まり制度が大きく変わることになります。


詳しく解説していきます。


動画でも解説しています



自転車の交通違反に反則金が導入される

自転車の交通違反に反則金が導入される

交通反則通告制度は比較的軽微な交通違反について、反則金を納付すれば刑事罰を科されない仕組みとなっています。

モータリゼーションにより増えた交通違反を効率的に処理するため1967年の道路交通法改正で創設されました。

対象となるのは普通車や二輪車、電動キックボードなどです。


反則金は車両の種類や違反内容によって異なり、普通車では赤信号無視で9千円、一時不停止で7千円などと規定されています。

取り締まりでは違反者に交通反則切符(青切符)が交付され、期間内に納付しなければ刑事手続きが進められます。


自転車は反則金の対象外だった

自転車は反則金の対象外だった

自転車は反則金の対象外で、警察は危険性や悪質性が高い違反のみ刑事処分の対象となる交通切符(赤切符)を交付して取り締まっています。

しかし、赤切符は検察官への送致など必要な手続きが多く摘発する警察や違反者に一定の負担が発生します。

反則金の導入には違反処理の合理化という側面もあります。


実際に導入するとなった場合、金額は原動機付き自転車(原付きバイク)への適用分を超えない範囲になるとみられています。


自転車の違反が後を絶たない

自転車の違反が後を絶たない

反則金導入を検討する背景には自転車の違反が多くなってきているからです。

主に赤切符の交付による自転車の摘発は2022年に2万4549件に上り、2013年と比べ3倍以上に増えました。


事故も増加の一途をたどっています。

警察庁によると全国で発生した自転車関連の交通事故は2022年に6万9985件でした。

全交通事故に占める割合は23・3%に上ります。

対歩行者の事故も同年に2905件発生し、前年比で172件増加しました。


反則金の導入は違反の抑止効果が期待できる

反則金の導入は違反の抑止効果が期待できる

赤切符で摘発されても起訴に至る例は少ないです。

自転車は違反行為に対して確実にペナルティーが科される仕組みが整っておらず、反則金の導入は違反の抑止効果も期待できるとの声もあります。


警察庁は3日に設置を公表した有識者検討会で反則金を自転車に導入するか議論します。

対象とする違反内容や年齢層などが論点になります。

検討会は年内に提言をまとめる方向で、警察庁は提言を踏まえ道交法改正も視野に入れています。


新型コロナウイルス下で通勤や配達といったニーズが広がり、シェアリングサービスも普及しています。

健康志向の高まりもあり利用が拡大している。


自転車の死亡事故の内7割超で自転車側に法令違反

自転車の死亡事故の内7割超で自転車側に法令違反

違反や事故の原因の背景には交通ルールの浸透不足もあります。

2022年中に自転車が当事者となった死亡重傷事故7107件のうち、7割超で自転車側に法令違反が確認されました。

前方や左右の確認不十分といった「安全運転義務違反」が最も多く2730件に上りました。


自転車に乗る人が交通ルールを学ぶ機会を増やしていくことも重要です。

警察庁は検討会で学校や企業と連携した交通安全教育のあり方なども議論するようです。


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