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半導体再興へ日本企業が2029年までに5兆円規模の投資

半導体再興へ日本企業が2029年までに5兆円規模の投資

ソニーグループや三菱電機、ロームなど日本企業が2029年までに5兆円規模の半導体投資を行います。

5GやAI、自動運転車などの新技術の普及により、先端半導体の需要が急増しており、それに応じた設備投資が増加しています。

政府の支援も受けて再興を目指す半導体産業が、国内設備投資のけん引役になってきました。


詳しく解説していきます。


半導体は製造業の設備投資をけん引している

半導体は製造業の設備投資をけん引している

財務省の法人企業統計調査によると、半導体などを製造する情報通信機械の設備投資は2022年度に2兆1085億円と5年で30%増えました。

伸び率は化学の30%増に並びます。


製造業に占める割合は11%から13%に上昇し、自動車など輸送用機械の15%、化学の14%に次ぐ規模となっています。

半導体の巨額の国内投資は中長期で続くため、製造業の設備投資をけん引します。


半導体日本メーカー8社の設備投資計画

半導体日本メーカー8社の設備投資計画

ソニーG、三菱電機、ローム、東芝、キオクシアホールディングス、ルネサスエレクトロニクス、ラピダス、富士電機の国内の主要な半導体メーカー8社の2021~2029年度までの設備投資計画は以下の通りです。


日本勢は半導体再興の足がかりとして、AIや脱炭素、電気自動車(EV)など将来の国の産業競争力の基盤技術となるパワー半導体やセンサー、ロジック(頭脳用)分野で投資を増やします。


ソニーGは半導体画像センサーの増産など、2021~2026年度に約1兆6000億円を投じます。

スマートフォンのカメラなどの需要が堅調なうえ、自動運転に用途が広がります。

長崎県の工場に2023年度に最新棟を増強し、熊本県には新工場を設ける方針を打ち出しています。


AI向けデータセンターやEVなどの市場拡大をにらみ、電力を効率よく制御するパワー半導体の増産投資が相次いでいます。


東芝とロームは両社で約3800億円を投じます。

三菱電機は省エネ性能に優れる炭化ケイ素(SiC)製のパワー半導体の生産能力を2026年度に2022年度比で5倍にします。

熊本県内で約1000億円を投じて新工場棟を建設する計画です。


かつて日本の半導体は世界シェアで5割を握っていた

かつて日本の半導体は世界シェアで5割を握っていた

1980年代は、日本の半導体産業が世界市場で非常に強力な存在感を持っていた時期です。

この時期、日本の企業は技術革新と品質の高さで世界市場を席巻し、世界の半導体市場でのシェアは50%を超えることもありました。

特に、メモリ市場での支配的な地位が顕著でした。


1990年代以降、韓国や台湾勢は国の支援を受けながら巨額投資を続けて台頭してきました。

韓国・台湾との投資競争に敗れた日本勢は、2000年代前半に先端開発から相次ぎ撤退し、2017年にシェア10%を切りました。


半導体は経済安保上の重要物資

半導体は経済安保上の重要物資

2020年ごろの米中対立などを背景に、政府は半導体を経済安保上の重要物資としました。

理由は、半導体が現代のあらゆる産業にとって不可欠な基幹技術であり、その安定供給が国家の経済的および安全保障的な利益に直結するからです。

新型コロナウイルス禍に供給網が寸断し、デジタル産業の競争力を左右する半導体の生産能力を国内で確保する必要性も増しました。


半導体は、自動車、家電製品、通信機器、医療機器など、現代社会のあらゆる産業に欠かせない部品です。

これらの産業は日本経済の重要な柱であり、半導体の供給が途絶えると日本経済全体に深刻な影響を与える可能性があります。


日本政府の半導体産業支援

日本政府の半導体産業支援

日本政府の半導体産業支援は、政策、財政支援、研究開発、インフラ整備、人材育成など多岐にわたる取り組みを通じて進められています。

これにより、日本の半導体産業はさらなる発展と国際競争力の向上が期待されます。


1.政策と戦略

2021年に設立されたデジタル庁は、デジタル化推進と共に半導体産業支援にも注力しています。

これにより、半導体技術の研究開発や国内生産の強化が推進されています。


2021年に発表された「半導体・デジタル産業戦略」では、国内の半導体産業の競争力強化とサプライチェーンの強靭化を目指しています。

この戦略には、研究開発支援、製造拠点の整備、国際協力の推進などが含まれています。


2.財政支援

日本政府は、半導体製造設備の導入や研究開発に対する補助金や助成金を提供しています。

これにより、国内企業が最新技術を採用し、競争力を高めることが可能になります。


外国企業の投資を誘致するためのインセンティブも提供されています。

例えば、TSMC(台湾積体電路製造)が熊本県に新しい製造工場を設立する際に、日本政府は巨額の補助金を提供しました。

このような取り組みは、国内の半導体生産能力の向上に寄与しています。


3.研究開発支援

日本政府は、企業、大学、研究機関との連携を強化しています。

これにより、先端技術の研究開発が促進され、新しい半導体技術の創出が期待されています。

例えば、理化学研究所(RIKEN)や東京大学などが中心となり、先端半導体技術の研究プロジェクトが進行中です。


4.人材育成

半導体技術者の育成のための専門教育プログラムが大学や専門学校で提供されています。

また、企業内研修や政府主導のトレーニングプログラムも実施されています。


国外の専門家を招聘し、国内の技術者との交流や技術移転を促進しています。

これにより、最新の技術や知識が国内に取り入れられ、競争力が強化されます。


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