2014年1月にスタートしたNISA(ニーサ)。かねてより改変すると言われていましたが、この度その全容が明らかになりましたので、わかりやすく解説していきます
期待外れ? 新NISA大筋の変化はナシ
政府与党は17年度の税制改正大綱のなかでは、複数制度があるNISAは、将来的に「小額からの積立・分散投資に適した制度へ一本化する」としていましたが、新制度も大きな枠組みは変わらず。
- NISA or 積立NISA
- ジュニアNISA
となるようです。
一般NISAはどう変わるのか
現行のNISAは、個人の資産運用を貯蓄から投資に向かわせることを目的に設立されました。
しかし、実態は株式など短期売買に使われることが多く、税優遇と批判があります。
現状、政府が思い描いていた資産運用とは違った形になっています。
一般NISA 4つの変化
1.新 一般NISAは「二階建て」
- 1階:新しいNISAはリスクの低い投資信託などに対象を限定して使用できる
- 2階:従来通り、上場株式などにも短期売買にも投資できる
2.新 一般NISA「あらたなルールが盛り込まれる」
原則としてリスクの低い投資信託などに投資した人だけが、2階部分にも投資できるようになります。
安定資産による長期的な運用を重視させたいためですね。
運用益の非課税期間はどちらも5年です。
3.新 一般NISA「増額」
年間の投資限度額は、
- 1階:20万円
- 2階:122万円
となる予定で、最大610万円。これまでの600万円よりも10万円増えました。
4.新 一般NISA「延長」
現在の一般NISAは年120万円が投資限度額です。その限度額内で購入した株などの配当や分配金、譲渡益などの運用益に掛かる約20%の税が5年間非課税になりまが、制度は2023年期限。
この期限が5年延長して、2028年までとなる予定です。
積立NISAはどう変わるのか
新 積立NISA期間延長
低リスクの投資信託などに投資対象を限定し、年間40万円を上限に運用益が20年間非課税の積立てNISAも見直されます。
これまでの2037年から、5年延長して2042年までとなります。
2023 年までに始めれば、非課税期間の20年間を全部利用できることになります。
ジュニアNISAはどう変わるのか
ジュニアNISAは23年投資期限を延長せず、終了。
NISAのモデルになったイギリスのISA
2014年に始まった日本のNISA(Nippon Savings Accunt)ですが、この制度はイギリスのISA(Individual Savings Account)をモデルとして始まりました。
NISAには無いISAの利点は下記の通りです。
- 口座開設期間がなく、恒久化された制度。
- 限度総額20,000ポンド(約280万円)
- 債券や預金、保険商品も対象になっている。
- 相続が認められている。
日本のNISAは口座の利用期限が決められていたり投資できる金額や対象も少なく、イギリスのISAよりも使い勝手わるいといわれています。
まとめ
新しいNISAですが、思ったよりも変化がないですね。
法律を変えるのは大変なので、イギリスのISAのような内容を期待していたのですが・・・残念です。
改悪にはなっていないので安心しました。
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