支払っている家賃が安くなればいいな・・・と、誰しも一度は思ったことがあるのではないでしょうか?
実はそれ、交渉によって可能なのです。
交渉といっても難しいことはありません。弁護士のように弁が立つ必要はなく、一般人でも簡単にできます。
この記事を読めば、家賃を下げる方法を知ることができます。
家賃は交渉で下げられる
家賃は下げられないと思っている方も多いと思いますが、それは完全な誤解です。
家賃は入居した後でも、交渉によって下げることができます。
家賃交渉と聞くと、「今は払うことができないので、今月はなんとか待ってくれませんか・・・。」というようなイメージがあるかもしれませんが、そうではありません。
毎月支払っている50,000円、60,000円の金額を交渉によって少なくするのです。
家賃を安くできる理由
家賃を安くできる理由は下記の3つです。
- 賃貸物件は古くなると家賃は下がることが多い
- 過去と現在では入居するときの家賃が違う
- 大家は空室が1番困る
それぞれわかりやすく解説していきます。
1.賃貸物件は古くなると家賃は下がることが多い
家賃は需要と供給によって自然と適正な価格になっていきます。
たとえば、郊外の1LDKのマンションの家賃が20万円だったとします。しかし、これでは高すぎて借り手が見つからず、いつまでたっても空室のままです。
空室では家賃を貰うことができず、大家は困ってしまいます。
入居者を見つけるには高すぎる家賃を低くする必要があります。
仮に家賃を20万円 ➝ 10万円に減額すれば入居者は見つかりやすくなり、空室を埋められ大家は家賃収入を得ることができるようになります。
つまり、家賃が20万円の物件は人気がなく、家賃が10万円の物件は人気がある、ということになります。
これが需要と供給の正体です。
人気をはかるバロメータは価格だけではありません。
その一つが物件の築年数です。
多くの人は、「新しく奇麗」なものを好みますから、築年数が若い物件ほど家賃は高いです。
逆に、築年数が古い物件ほど家賃は低くなります。
現在、住んでいるんで賃貸物件に長期間入居していて、入居時から家賃が変わっていないのなら、家賃交渉をして家賃を下げられる可能性は大いにあります。
2.過去と現在では入居するときの家賃が違う
先述したとおり、家賃は物件が古くなると低くなっていく傾向にあります。
つまり、5年前に入居した人とこれから入居する人とでは家賃が違う可能性があるのです。
もしそうであれば、交渉によって家賃を下げることは容易なことです。
しかし、どうやれば現在の家賃を知ることができるのでしょうか?
一番簡単なのは、不動産屋に連絡して「他の入居者の家賃を教えてください!」ということですが、なかなかハードルが高いです。
それに、プライバシー情報を盾に教えてくれない可能性もあります(不動産屋も家賃交渉をされて賃料を下げられることを警戒しています)。
そこで、現実的な方法が「募集をかけている物件の情報を調べる」ことです。
現在、住んでいる物件に空室があった場合、スーモやアットホーム、アパマンショップ等がインターネットで募集をかけている可能性があります(ほぼインターネットに載っています)。
この場合、家賃も記載されていますので、自分が支払っている家賃と比較することが可能です。
ただし、気をつけなくてはいけないのが、同じアパートやマンションであっても、家賃が違うこともあるということです。
たとえば、1階よりも2階の方が家賃が高いことは多いですし、中央の物件よりも角の物件の方が家賃が高いことが多いです(これも需要と供給の結果です)。
しかし、交渉するだけならタダですから、調べて交渉の材料を手に入れたら積極的に家賃交渉に臨んでみましょう。
3.大家は空室が1番困る
大家としては、家賃交渉によって家賃を下げられることは出来れば避けたい事態です。
しかし、もっとも困るのは退去され空室になることです。
空室になれば、その期間は1円も収入を得られなくなります。
そればかりか、退去された場合リフォーム費用が発生することもあります。リフォーム工事をすることになれば、手配に時間がかかりますし、工事にも時間がかかります。その間、もちろん入居者を入れることは出来ず、家賃を得ることは出来なくなります。
ほかにも、入居者を見つけるための募集にも費用がかかることになります。あまり知られていませんが、空室を埋めるために、大家は不動産会社に広告費用を支出しています。この広告料は空室期間にもよりますが、平均で家賃の1~2カ月分です。
結局、一度空室が発生すると、大家は40~50万円程度を負担することになるのです。
また、次の入居者の募集も周りの家賃相場に合わせて家賃を下げることになります。
上記のことから、大家としては「退去され空室になるくらいなら、家賃を下げて居続けてもらう方が得」という結論になるのです。
更新が近い場合は、退去をちらつかせて家賃交渉をするのも一つの手です。
家賃交渉のコツ
家賃の決定権は大家だけど交渉相手は不動産会社
家賃交渉をするといっても、実際にどのようにやっていけばいいのでしょうか?
まず、知っておかなければいけない情報が、家賃を決めるのは大家だということです。そして、交渉相手は不動産管理会社です(まれに不動産屋が管理していない物件もあります、その場合は大家に直接伝えることになります)。
つまり、不動産会社に伝えた情報が大家に伝わり、大家が判断をするという流れになります。
ですので、大家に伝えてほしい情報を簡潔にまとめ、不動産屋に伝えなければなりません。
優良な入居者と思われることが重要
大家としては、「いいお客さんにできるだけ長く入居してもらう」ことが何よりも重要です。
では、「いいお客さん」とは実際にどのような人を指すのでしょうか
簡単にいうと、トラブルのない人です。
騒音を立てたり、ごみの分別をきちんとしないなど、他の人の迷惑になる行動をしない人が「いいお客さん」の条件です。
他の人の迷惑になることを平気でする人がいると、他の入居者が不快に感じてその物件を去っていってしまいます。
こうなると空室の多い物件になってしまい、大家は家賃収入を得る機会が少なくなってしまいます。
家賃交渉によって賃料を少なくしたいのなら、普段から節度ある行動をして、大家から「優良な入居者」と思われることが重要です。
家賃交渉はタイミングも重要
家賃交渉が成功しやすい時期があります。それが、5月~9月くらいまでの閑散期です。
4月までに入居者が見つからないと、10月まで空室になってしまう可能性が高いため、交渉がしやすくなります。
なぜかというと、新しい新学期のを控える学生や転勤するサラリーマンなどが3月に多いからです。
2~3月までの繁忙期に空室を埋めないと、10月まで空室になってしまう可能性が高いのです。
家賃交渉を成功させたいのなら、空室の多い5月~9月くらいまでの閑散期がねらい目です。
丁寧に強気で交渉する
大家としては、家賃を下げずにそのまま住み続けてもらうのが一番です。
ですので、本気で家賃を下げて欲しいと思っていないと大家に判断されたら、「無理です」で終わってしまいます。
よって、家賃を下げてほしいということを明確に伝えることが重要です。
「家賃を下げて欲しいのですが、ダメですかね~?」←これでは交渉になりません。
一方で、高圧的に家賃を下げるように伝え、トラブルを起こしそうな入居者だと判断されると、これも問題です。
「この入居者は、他の入居者とトラブルを起こしそうだから早めに出ていってもらおう」と判断されてしまうからです。
これだと、家賃を下げるどころではなく、逆に高くされてしまうかもしれません。
たとえば、「家賃を下げてくれたら長く住むつもりです」や「家賃を下げてくれないなと退去する予定です」、だから大家さんに伝えて下さいと管理会社に言いましょう。
家賃交渉は丁寧に、しかし、強気で行いましょう!
家賃相場を知ることが重要
家賃を下げて欲しいと交渉するのですから、説得するだけの根拠が必要になります。
もっとも重要な根拠が、「今住んでいる物件の家賃が家賃相場よりも高い」ということになります。
先述しましたが、簡単に調べたいのなら自分が住んでいる物件名でグーグル検索することです。
すると、空室があった場合、募集広告を出していることが一般的なのでその空室の物件がいくらで借りられるかがわかります。
しかし、今住んでいる物件に空室がない場合はどうすればいいのでしょうか?
この場合、近所の同じような条件の物件を調べることで、家賃相場を知ることができます。
同じような物件の条件とは下記のようなものです。
同じような物件を探す条件
- 駅までの距離
- 間取り
- 築年数
これらが同じような条件の家賃相場を根拠に、家賃交渉をすることが可能です。
まとめ
家賃を安くしてもらうには、「根拠」と「タイミング」が重要です。
今住んでいる物件の家賃が相場よりも安いのに「安くしてくれ」といっても相手にされません。
なぜなら、たとえ退去されたとしても、すぐに新たな入居者が見つかるからです。
家賃を安くしてもらいたいなら、説得するだけの根拠を用意しましょう。
また、交渉を成功させたいのなら、空室の多い時期に行うのが効果的です。
更新を目前に控えているときもねらい目です。
家賃相場は築年数により、少しづつ安くなっていくのが一般的です。
ですので、数年に一度くらいは近隣との家賃を比較してみましょう。
家賃交渉はダメでもともと。
大家の性格等にもよりますし、失うものはなにもありません。
失敗しても、それは経験になります。