日銀とは日本銀行の略称です。
日本銀行の目的は、「物価の安定」を図ることと、「金融システムの安定」に貢献することです。
株式投資やFXを行っている人にとって、日銀の動向は無視できません。
この記事では、日銀は日本経済にどのような影響を与えているのかを解説していきます。
日銀が日本経済に与える影響
日銀は日本経済に多大な影響を与えています。
通貨の供給量を調整したり、外国為替市場に介入したりして、経済の安定をはかっています。
日銀が黒田東彦総裁の下、2013年4月4日に導入した新たな金融政策「量的・質的金融緩和」は、別名「異次元緩和」とも呼ばれました。
外国為替市場では円安・ドル高が急速に進行し、4月初旬の1ドル=93円台だったものが5月9日には1ドル=100円台に到達しました。
これは4年ぶりのことでした。
企業業績の改善や米景気回復への期待もあることから、円安・株高の基調は当面崩れないとの見方が広がり、株式市場もにぎわいました。
この「異次元緩和」には、なんとしてもデフレを食い止めたい、そういう強い意志により行われました。
長引く不況で物価は下がりましたが、会社の収益や賃金も下がりました。
「物が売れない」状況を打開し、市場にお金を大量に流通させる手段が「大胆な金融緩和策」だったのです。
そうすることによって、銀行などの金融緩和もお金を貸しやすくなります。
日銀は世に出回るお金の量を増やす
銀行などの金融機関が持っている国債、株式市場で取引されている上場投資信託(ETF)、不動産投資信託といった金融商品を大量に買うのです。
購入したら当然、代金を支払うわけですから、市場に資金が供給されることになります。
日銀は住宅ローンの金利にも影響を与える
日銀が金融緩和のために購入したきた国債は、従来、満期までの期間が最長3年までのものに限定されていましたが、黒田東彦総裁の下では「40年債を含むすべての国債」が対象になります。
満期までの期間が10年以上ある長い期間の国債も対象になるのです。
長期国債の最大のセールスポイントは、長期金利の低下が期待できることです。
日銀が返済期間の長い国債を大量に買えば、国債の値段は上がりますが、国債の利回りは下がることになります。
国債利回りの低下は銀行の貸出金利に連動するため、住宅ローンの金利の適用金利は低下します。
住宅ローンの金利が下がれば、住宅販売が増えて日本経済に良い影響を与えます。