この記事では、「売買タイミングに関する格言」について解説していきます。
相場の格言は、先人達が培った投資経験を端的に表した、非常に優良なフレーズです。
売買タイミングに関する格言を知っておけば、今よりも少し、売買を上手にこなす事ができるようになるかもしれません。
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アタマとシッポは呉れてやれ
アタマとシッポは呉(く)れてやれ
大底=最安値で買い、天井=最高値で売るというような欲張ったことを考えず、ほどほどの安値で買い、ほどほどの高値で売る、という余裕を持った投資法を進める相場格言です。
「アタマとシッポは猫に呉れてやれ」ともいいます。
大底で買い、天井で売ることができれば理想ですが、そんな理想を追い求めていると売買チャンスを見失います。
大底、天井かどうかは、それが過ぎ去ってしばらく経ってからでないと分からないからです。
売り買いは腹八分目
「アタマとシッポは呉れてやれ」と同じ意味の相場格言です。
大底で買って天井で売るというような欲張ったことをせず、腹八分程度の利益で満足し、確実に利益を手に入れることを進めています。
「腹八分目に医者いらず」は株式投資にも言える格言です。
売り買いは3日待て
売りたい買いたいと思い立ったら、すぐに実行に移さず、2~3日待ってもまだ同じように売りたい買いたいと考えるようだったら実行に移せばよい、という意味です。
思い立った時にすぐに実行すると、後悔することがよくあるからです。
「急いては事を仕損じる」(何事も急いでやると失敗しやすい)という格言もあります。
売り買い休みの3筋道
投資には売りと買いと休むという3つの筋道があります。
この3つを上手に使い分けることが、投資で成功する秘訣の1つです。
相場には買いに適した時期(底値圏、安値圏)、売りに適した時期(高値圏・天井圏)、休むのに適した時期(天井圏や下げ相場の途中、見通し難の時など)があります。
それぞれの時期にあった投資をしないと、失敗する確率が高くなります。
売りは早かれ、買いは遅かれ
利食いするにせよ、損切りするにせよ、売りは早めに行った方がよい結果になることが多いです。
売るタイミングが遅れると、儲け損なったり損失が大きく膨らむ可能性があるからです。
一方、買う場合は慌てる必要はないです。人気化して大きく値上がりしている銘柄も、人気が離散すれば、大きく値下がりしてもっと安く買える可能性があるからです。。
また、万が一買えなくても、それによって儲け損なうことはあっても損失が発生することはありません。
持株は買値にこだわるな
持株が予想に反して手大きく値下がりした時、買値にこだわっていると、買値まで戻ったら売りたいという気持ちが強くなり、なかなか損切りできません。
そんな時は買値にこだわらず、今後値上がりが期待できるかどうかをよく考えて、保存し続けるか損切りするかを判断した方がよいでしょう。
新値には黙ってつけ
新値(新高値=過去最高値)を更新した銘柄は、しこり玉(高値で買ったため、売りたくても売れない株)がないため、売り圧力が少なく、予想外の高値を付けることがあります。
こういう銘柄は勢いがあるので、黙って買うべきだという教えです。
長期投資の観点からみれば、過去最高値を付けたような銘柄は、ひとまず売って利益を確保するのが無難な考え方ですが、短期投資で勝負するのであれば、「新値には黙ってつけ」ということになります。
押し目待ちに押し目なし
押し目とは、上昇過程にある銘柄が一時的に値下がりすることです。
押し目買いの対象となる銘柄は人気のある銘柄であることが多いです。
そういう銘柄は買いたいと考える投資家が多いため、なかなか押し目がやってきません。
そして、忘れかけていた頃、ひょっこりと押し目がやってくるのです。
吹き値待ちに吹き値なし
買った銘柄が一時的に急騰したときの高値(吹き値)で売ろうと待ち構えていると、なかなか吹き値がやってきません。
売りたいという投資家より、買いたいと考える投資家の方が多くなった時点でないと、吹き値という現象が起きないからです。
60日でひと思案
「小回り3カ月、大回り3年」という相場格言があるように、小さな相場は2~3カ月で流れがガラリと変わることがよくあります。
そこで、買った銘柄をどうするか、2~3カ月後に一度、じっくりと考えてみればよい、ということです。
あるいは買いたい銘柄に好材料が飛び出して、株価が急騰したような場合も、2~3カ月後にはピークからかなり値下がりしていることがあります。
利食い千人力
利食いとは利益が出ている銘柄を売って利益を確定することです。
いくら持株が値上がりしても、利食うまでは儲けたことにはなりません。いつ値下がりに転じるか分からないからです。
利食ってしまえば、あとは株価が大暴落しても関係ありません。それだけに利食いは千人の味方を得たほどの心強さがあります。
また、どんなに人気のある銘柄でも、まとまった利食いが出始めると、相場の上昇がむずかしくなります。
この利食い圧力の強さを称して、「利食い千人力」ともいいます。
利食い八分
利食いする場合には欲張らず、腹八分目程度で利食うのがよいということです。
「腹八分目に医者いらず」「腹八分に病なし」というように、欲張らず、ほどほどのところで我慢するのが、健康にも資産形成の上でも良いということです。
見切り千両、損切り万両
予想に反して値上がりしない株、値下がりしている銘柄はさっさと見切りをつけて処分したほうがよい、という意味です。
ましてや損失が発生している銘柄については、これ以上損を増やさないために損を覚悟で売却(損切り)した方がもっとよいです。
見切りは早く、利食いは遅く
買った銘柄が予想に反して値上がりせず、むしろ値下がりしているような場合には、さっさと見切りをつけて処分したほうが良いでしょう。
さらに大きく値下がりする可能性があるからです。しかし、予想通り値上がりしている銘柄の利食い(利益確定の売り)は急ぐ必要はありません。
上昇トレンドに入っている銘柄は、その後も値上がりが期待できるからです。
損は小さく、儲けは大きく
株式投資では儲けることもあれば損することもあります。
予想が外れて損した場合には早めに損切りして損を小さくし、予想通り値上がりしたらすぐに利食うのでなく、さらに値上がりするのを待って大きく儲けることがお勧めです。
上記を実行できれば、勝率は5分でもトータルで利益を出すことができます。
仕掛けは処女のごとく、手仕舞いは脱兎のごとし
相場を仕掛けるときは処女のごとく慎重に行い、手仕舞い(反対売買して決算すること)は逃げていくウサギのように素早くやった方がよい、という意味です。
株を買うときには業績や財務内容、材料、現在の株価水準、全体の相場見通しを細かく調べた上で、買うかどうかを慎重に判断しなければならないのです。
しかし、それを売ると決めた時には素早く実行に移しましょう。
仕掛けはたやすく、手仕舞いは難し
株を買うのはやさしいが、売ることは難しい、という意味です。
買うのは時価近辺でしか買えないため迷うことは少ないですが、どの程度値上がりしたら売るかどうかの判断は非常に難しいです。
買った銘柄がどこまで値上がりするのかは、誰にも分らないからです。
もうちょっと、と、思う心がチャンスを逃す
買う時には「もうちょっと安くなってから…」と思い、売る時には「もうちょっと高くなってから…」と思って、売り買いを先送りしているうちに、絶好のチャンスを逃すことはよくあることです。
少しでも安く買いたい、少しでも高く売りたいという欲張る心が、決断力、実行力を鈍らせてしまうからです。
買い上手より売り上手
株式投資で難しいのは、買うことより売ることです。
値下がりしたらなかなか損切りする決心がつかないし、期待通り値上がりしても、いつどこで売ればいいのか迷うことが多いです。
この問題を解決するためには、株を買う時に、いくらまで値上がりしたら利食い、いくらまで値下がりしたら損切りする、と決めたおくとよいでしょう。
買い上手になるより、売り上手になった方が儲かります。
しかし、一般投資家を見ていると買い上手は沢山いますが、売り上手は少ないです。
引かれ玉は投げよ
引かれ玉(ぎょく)は投げよ。
引かれ玉とは、買値より値下がりして損失が発生している銘柄のことです。
損している銘柄は投げよ(損を覚悟で売れ)、という意味です。
投資家の心理として損を確定したくないという気持ちが強く、買値より値下がりした銘柄は、買値まで戻るのを待って処分したいと考える傾向があります。
ところが、そういう銘柄に限って、どんどん値下がりし、待てば待つほど損失が膨らむことになりがちです。
利食い急ぐな、損急げ
利益が出ている銘柄の売却(利食い)を急ぐ必要はないです。もっと大きく値上がりする可能性があるからです。
逆に、損失が出ている銘柄の処分(損切り)は急いだほうが良いです。もっと大きく値下がりする可能性があるからです。
ただし、これは一般論のことで、投資家の投資スタンス(長期投資か短期投資か)や相場環境次第では逆のことも言えます。
大相場(大型の上昇相場)の初期であれば、持株が値下がりして損が発生しても、長期に持続したほうが良いです。
大半の銘柄が初期から中期・後期にかけて平均2~3倍程度の値上がりが期待できるからです。
逆に、大相場の後期から末期にかけて買った銘柄は、早めに利食って利益を確定した置いたほうが良いでしょう。
その頃には、いつ大暴落に見舞われるか分からないからです。
このことは、「損切りは早く」などという他の相場格言についても言えることです。
利乗せは最後にやられる
買った銘柄が値上がりして、同じ銘柄を買い増すことを利乗せといいます。
ずっと利乗せを続けていけば、最後には損をすることになります。
なぜなら、いつまでも上昇し続ける株はないからです。
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