この記事では、「投資の心得に関する格言」について解説していきます。
株式市場は流動的です。前もって売買のタイミング等を決めておかないと、チャンスを逃したり、損害を大きくしてしまいます。
これは、投資経験の長い者なら誰しもが理解していることです。
投資の心得に関する格言を知れば、感情に左右されず、適切に市場に対応することができるようになります。
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始めに慎む、始めを慎む
始めに慎(つつし)む、始めを慎む。
何事も始めが肝心だから、慎重に準備して、万全を期してから始めるべきだ、という意味です。
スタート前の準備が万全であれば、スタート後もすべてが順調に進む可能性が大きい。
つまり、「始めよければ終わりよし。終わりよければすべてよし」ということになります。
『礼記』の「始めを慎みて、終わりを敬(つつし)む」(初めは慎重に、終わりは大切に行う)などからきています。
終わりを始めに慎む、終わりを慎む
終わりを始めのときのように慎重に行えば、物事を最後まできちんとやり遂げることができる、という意味です。
老子の言葉に「終わりを慎むこと初めの如くんば、則ち事を敗ること無し」があります。
何事も最初のうちは慎重に行うものですが、慣れるにしたがって、だんだん慎重さを欠いて、大胆、かつ無造作になり、失敗することが多いです。
株式投資では「買い」に成功しても、「売り」に失敗すれば、儲けを損なうことになりかねません。
備えあれば患えなし
備えあれば患(うれ)えなし。
普段から非常時に備えて準備していれば、いざという時にうろたえることはないという意味です。
株式市場では「備えあれば迷いなし」ともいいます。
『春秋左氏伝』の言葉です。
株式投資を始めるときには相場が予想と異なる方向に向かった場合にどうするか、買った株が値下がりした場合にどうするか(損切りするか、持続するか)、長期投資で行くか、短期投資で行くかなど、いろいろなケースを想定して心の準備をしておくと、緊急事態を迎えてもあわてないで済みます。
利あればどこからくるか金の蛇、我も人も買いの行列
金儲けの話には、どこから出てくるのか金の蛇(お金を持った人の行列のこと)、自分も他人も買うために行列を作る、という意味です。
世の中にはあるようでないのがお金。ないようであるのもお金。インチキな金儲けの話にまで、長い行列ができるほどです。
甘い金儲けの話には用心してください。
金のなる木は水では生きぬ、汗をやらねば枯れていく
株式という金のなる木は、ただ買って持っているだけでは大きな果実をもたらしてはくれないという意味です。
いろいろ研究・努力して、うまく育ててやらないと、枯れてしまうのです。
相場全体の先行きは、景気が今後どうなるか、現在の相場がどの水準にあるのかなどにかかっていいます。
また、投資対象の銘柄は業績・財務内容が現在どういう状態にあり、今後どうなるか、どんな材料を抱えているのか、市場人気はどうかなどかにかかっているのです。
そういったことをこまめに研究したうえで、投資判断をすれば、金のなる木をうまく育てていくことが可能となります。
木は庭に植えず、山に植えよ
庭に植えた木を毎日見ていると、欠点ばかり目について枝を切りすぎたり、他の木と植え替えたくなったり、あるいはどの程度、成長したのか気づきにくいが、山に植えてたまに見に行くと、意外なほど成長していることに気付いて驚くことがあるという意味です。
株式投資でも安値で買った銘柄を半ば忘れていて、数か月後、数年後に株価を見ると、意外なほど大きく値上がりしていることに気づき驚くことがあります。
株価を毎日、神経質に見ていると、少し値上がりすると売りたくなったり、値下がりすると、心配になったりで、労多くして実りの少ない投資に陥りがちです。
株を持っていることを数カ月、半年、1年ぐらい忘れているぐらいの人の方が、大きな値上がり益を手にすることが多いのです。
機会は短く、待つは長い
株式投資では、絶好の買い場、絶好の売り場はなかなかやってこないという意味です。
そのチャンスがやってくるまで、ひたすら待ち続けることができる人は株式投資で大きな成果を上げることができます。
ただ、投資家の多くがそのチャンスを待ちきれず、絶好のチャンスとはいえない時に株式投資を行って失敗しているのです。
株式投資の絶好の買いチャンスとは、
- 景気が最悪期を脱出して、株式相場が上昇に転じ始めた頃
- 景気も株式相場も最悪で、株価が空前の安値を付けている頃
- 景気回復に伴って株式相場が上昇している時の上昇初期から中期まで
このようなチャンスは滅多に来ないし、きても長期間続きません。
このようなチャンスを辛抱づらく待つことができる人は、幸運の女神と出会うことができるに違いありません。
奇貨居くべし
奇貨(きか)居くべし。
チャンスは逃すべきではない、という教えです。
奇貨とは、思わぬ利益を得られそうな珍しい品物のこと。
そういう品物を買っておいて、高値がつくのを待つのがよい、という教えです。
チャンスは逃してはならない、という意味に使われます。
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