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2023年度の最低賃金が全国平均で時給1002円に

2023年度の最低賃金が全国平均で時給1002円に

中央最低賃金審議会は2023年度の最低賃金の目安を全国平均で時給1002円にすると決めました。

1000円を超えたのは初めてで、現在の961円から41円増え、上げ幅は過去最大です。

物価上昇も続いており、対応を重視した結果といえます。


これにより働く人の5割以上が最低でも1000円より多い時給になります。

政府は賃上げが消費を通じて経済成長につながる好循環を期待しています。

人手不足のサービス業を中心に賃上げにつながる可能性が高く、企業側は収益力の向上を求められます。


詳しく解説していきます。


伸び率は4.3%で1991年度以来の水準

伸び率は4.3%で1991年度以来の水準

伸び率は4.3%で1991年度以来の水準になります。

最低賃金は都道府県ごとに異なっており、各都道府県の審議会が目安額をもとに実額を決めることになります。

適用されるのは10月ごろになる見通しです。

これまで政府は「できる限り早期に全国平均1000円以上」との目標を掲げてきました。


日本全体で5割超にあたる人が1000円以上になる

日本全体で5割超にあたる人が1000円以上になる

引き上げの目安は地域の経済状況によって都道府県をA・B・Cの3つのグループに分けて提示されました。

東京や大阪など6都府県にあたるAの地域は41円。北海道や京都、広島、福岡など28道府県のBは40円、青森や沖縄など13県のCは39円となりました。

2022年度まではA~Dの4グループに分けていました。

これまで目安額は都市部にあたるAが高く、地域間格差につながっていました。

今回から3グループに改めて地方の最低賃金が上がりやすい仕組みにしました。


2022年度までにすでに東京と大阪、神奈川の3都府県の最低賃金が1000円を超えています。

審議会が決めた2023年度の目安に基づくと、新たに埼玉、千葉、愛知、京都、兵庫の5府県で1000円以上になります。

2022年度の最高額は東京の1072円で、最低額は青森、沖縄など10県の853円でした。


対象外の公務員などを除くと、日本全体で適用される人の5割超にあたる2500万人を超える人が1000円以上になることになります。


令和5年度地域別最低賃金額改定の目安

ランク 都道府県
埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、大阪
北海道、宮城、福島、茨城、栃木、群馬、新潟、富山、石川、福井、山梨、長野、岐阜、静岡、三重、滋賀、京都、兵庫、奈良、和歌山、島根、岡山、広島、山口、徳島、香川、愛媛、福岡
青森、岩手、秋田、山形、鳥取、高知、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄



消費者物価は前年同月比で3.3%上昇

消費者物価は前年同月比で3.3%上昇

今回の引き上げは足元の物価高が家計の負担になっていることへの対応でもあります。


6月の消費者物価は値動きの激しい生鮮食品を除く指数が前年同月比で3.3%上がりました。

2022年9月から3%以上の伸びが続いています。

一方で厚労省の統計によると、物価を加味した5月の実質賃金は前年同月を0.9%下回り、14カ月連続のマイナスでした。


今回の最低賃金の引き上げ率4.3%は、2022年度の最低賃金の適用が始まった2022年10月から2023年6月の消費者物価指数の前年同期比と同じでした。


賃上げの雰囲気は高まっている

賃上げの雰囲気は高まっている

賃上げの雰囲気は高まってきています。

2023年の春季労使交渉では賃上げ率が平均3.58%と30年ぶりの高水準でした。

審議会でも労働組合のない企業で働く人も含め「労使交渉の成果を確実に波及させる」のが焦点となりました。

結果的に最低賃金の上げ幅は春季交渉を上回っています。


為替相場が円安で推移しており、円換算でみた最低賃金は欧州各国より見劣りしています。

韓国は2024年に9860ウォン(約1080円)としており、日本の平均値より高いです。


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