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【中国の一体一路】各国で高速鉄道の中止や延期が相次ぐ

【中国の一体一路】各国で高速鉄道の中止や延期が相次ぐ

中国からインドシナ半島を縦断する全長3000キロメートルの高速鉄道計画が先行きが不透明になってきました。

広域経済圏構想「一帯一路」の目玉事業とされていましたが、タイやマレーシアでは事業の遅れや中止が相次いでいます。


中国は同半島への人やモノの移動を活性化して地域での影響力を高める狙いでしたが、採算性が低いお荷物路線を抱える懸念が強まってきています。


建設が遅れる、タイの高速鉄道

建設が遅れる、タイの高速鉄道

タイ東北部ナコンラチャシマ県。首都バンコクから車で約2時間の田舎道で、整地された高速鉄道用地がレールの敷設を待っています。

 
タイが中国の一帯一路の高速鉄道の建設に取りかかったのは2017年12月でした。

式典には当時のプラユット暫定首相らが駆けつけ、華々しく着工を祝いました。

しかし、約4年で建設が完了したのはわずか3・5キロメートルだけです。


首都バンコクとナコンラチャシマ県を結ぶ第1区間(約250キロメートル)は当初21年に開通予定としていましたが、建設は大幅に遅れています。

タイ運輸省によるとナコンラチャシマ―バンコク間は26年、ラオス国境からナコンラチャシマまでの第2区間については28年にまでそれぞれ開通がずれ込む見込みで、バンコクからマレーシア国境を結ぶ区間については計画が凍結中です。


タイ運輸省鉄道運輸局のピチェート副局長は日本経済新聞の取材に対し「コロナ禍で中国人技術者が入国できなくなったことや土地収用の遅れなどで建設が遅れた」と説明しています。

タイのニュースサイトは「世界でもっとも建設の進みが遅い鉄道の一つで、完成には少なくともあと半世紀かかる」とやゆしています。


建設が遅れる、その他の国の高速鉄道

建設が遅れる、その他の国の高速鉄道

中国からシンガポールまでつながる全長3000キロメートルの高速鉄道計画のうち、順調に進んだのは12月2日に開通するラオス区間だけです。

同区間は中国側が総工費の7割を負担して建設を主導し、約5年で完成させました。

シンガポールとマレーシアの首都クアラルンプール間の約350キロメートルを縦断する高速鉄道計画は1月に正式に中止が決まりました。

13年に両国が建設で正式に合意しましたが、18年の政権交代で首相となったマハティール氏が計画を凍結しました。

その後、再協議を進めたが交渉期限の20年12月末までに合意できませんでした。


マレーシア北部のコタバルから西部の主要港であるクラン港までを結ぶ区間も、21年8月末までに工事が終わったのは全体の23・96%にとどまっています。

完工時期は従来見込んでいた26年末から1年遅れる見通しです。


債務の罠に陥る可能性

債務の罠に陥る可能性

相次ぐ事業の遅れは、建設費を中国からの借り入れに依存してきた事業の採算性も左右します。

例えばラオスは当初、自国の区間の建設で生じた債務について開通から30年で返済を終える計画を立てていましたが、それは周辺国への接続で十分な利益を出すことを前提としています。

虫食い的な整備では利用が低迷するのは必至で、返済に窮した場合に重要インフラの権益を握られる「債務のワナ」に陥る懸念もあります。




各国の高速鉄道は一体一路を成功させる要

各国の高速鉄道は一体一路を成功させる要

中国にとっては事業を完成させてインドシナ半島を縦断する物流の大動脈をつくれないのなら、戦略的な価値は大きく損なわれてしまいます。

経済成長の減速を背景に中国は一帯一路の事業についても採算性を問う姿勢を強めており、資金面で今後もどれだけ支え続けるかは不透明です。


香港を拠点とするオンラインメディアのアジア・タイムズは「中国経済が弱さの兆しをみせ、内向きになり始める中、ビエンチャンに続く鉄道は一帯一路計画の始まりかつ終わりになる可能性がある」と指摘します。



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