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中国共産党について知ることができるおすすめの本7選

中国共産党について知ることができるおすすめの本

中国と聞くと、勝手に人工島を作って自分の領土と言ったり、返済不可能な貸し付けをして借金のかたに港をおさえたりと、あまり良いイメージがありませんが、

そんな中国の首脳部である共産党についてどれだけ理解しているでしょうか?


この記事では、中国共産党について知ることができるおすすめのを紹介していきます。

評判の高い本ばかり集めましたので、きっと中国共産党についての理解が深まるはずです。


中国共産党 暗黒の百年史

中国共産党 暗黒の百年史

中国共産党史の暗部を描き尽くした衝撃作!

2021年7月1日の結党百周年にあわせ、1年かけて書きおろした渾身作。

中国共産党による数々の大虐殺と民族浄化、驚異の裏工作と周恩来の恐ろしい正体など、日本ではよく知られていない衝撃事実を多数掘り起こして読みやすくまとめた、中国共産党史の決定版!


「本書の構成は、一般の歴史教科書のように、歴史的出来事を時系列で羅列(られつ)したものではない。

むしろ、今まで日本で刊行された「中国近代史・現代史」関連の書籍で、意図的に隠蔽(いんぺい)され、無視されてきた事実を一つ一つ拾いあげ、それを「中共の暗黒百年史」として再構成したものである」(本書「はじめに」より)


レビュー・口コミ

user01さん

昨日届き、一気に読み終えました。
夜寝る前に読むには、「精神的に良くない本」でしたけど。

予想していたとは言え、それを遥かに超える「残酷な歴史」がまとめられています。
未だに中国に「幻想」を持っていたり、「暗黒面」に目を背け、ずぶずぶの関係にある政治家や官僚、財界人、マスコミ人、学者やコメンテーター、そして活動家たちは、こういった事実をどう考えるんでしょうか?

もし日本をはじめ世界が中国共産党の支配下に置かれたら(「自治区」や「世界統一政府」などを含む)、ここに書かれたことが間違いなく起こるでしょう。それこそ、世も末です。

私は人類は、これまで様々な「経験」や「歴史的出来事」等を通して学び、少しでも素晴らしい世の中になってきていたんだと信じていますが(もちろん「マルクス主義」や「階層史観」のことではない。私はそういった世代ではない)、中国共産党の侵略の手がさらに伸びれば、時代は大きく逆行するでしょう。

中国共産党や国民党により無残にも殺害されまくった数千万(数億人?)の人たちの尊い犠牲を繰り返さないためにも、何とかしないと大変なことになります。

surumeさん

パラパラとめくった時は、文献リストもなくただの煽り本かと思ったら、中国国内で出版された多数の資料を使っていた。例えば、1951年ごろに展開された反革命分子鎮圧運動は、『鎮圧運動実録』(金城出版社)や『中国共産党執政四十年(1949 ~1989)』(中央党史資料出版社)によると、71万人が銃殺されたと記録されている。これは、共産党にとっては「輝かしい成果」だが、石平氏から見れば「政権による自国民の大量虐殺」である。

確かに、反革命分子のでっち上げ方は、文化大革命からの生存者の自伝を読めば共産党の常套手段であることは想像に難くない。同じく、チベット人、モンゴル人、イ族などの弾圧も公式な記録としては「成功の記録」だが、弾圧された側の視点で読めばいかに暴力的だったかがわかる。また、天安門事件で石平氏が知人を殺された怒りや悲しみは、筆者もリアルタイムで見聞きしていたので大いに共感する。

ただ、結びに「西側の自由世界が連携して、邪悪な政党の歴史に終止符を!」という石平氏の主張があるが、その先にどんな中国をイメージしているのかが、まったくわからなかった。現実には、共産党が強力過ぎて変わるはずもないから、ただ声高に叫んでいるだけなのか。

皮肉なことに、本書を踏まえると、汚職対策ですら権力闘争の道具にされてしまうのだから、いくら自由選挙による民主主義を導入したところで、良い統治になる土壌は現在の中国に存在しないように思えてしまう。結局、金のある人が票を買って権力を手に入れて乱用するイメージしか持てない。(学校の成績だって金で買えるのだし。。)



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マンガで読む嘘つき中国共産党

マンガで読む嘘つき中国共産党

習近平、激怒――! 亡命漫画家が命がけで描く独裁国家の真実。

2決死の習近平批判で亡命を余儀なくされた中国人漫画家が、一党独裁のまやかしを大暴露。

ネットで共産党の悪口を呟くとどうなるか?
反日教育の驚くべき徹底ぶりとは?
抗日ドラマの意外すぎる舞台裏とは?
人民解放軍は尖閣諸島を奪いに来るのか?

安倍首相とSEALDsをどう評価しているのか?……中国人にしか描けない特ダネ満載!


レビュー・口コミ

格ゲーマーさん

漫画で内容も非常に読みやすいです
更にここに書かれてることは以前からネットやyahooのニュースで言われてる内容ともかなり一致しています
なので、誇張や偏向捏造などもないでしょう
なおかつ中国人が書いてるので知らない部分や個人で受けた共産党の悪逆非道な内容も書かれてる実話なのでリアリティがあります
中国について凶暴さを理解してない人間は是非とも読んでみてください
そして出来れば新品で買いこういう本を書ける方にお金が回るようにしていただけると次の本も出しやすくなるので良いと思います

小学生には難しいかもしれませんが中学生くらいなら割と簡単に読めると思います
基本ギャグ調で書かれてるので(ギャグでも書かれてる内容が現実なので恐ろしいが)読みやすいはずです

Fichteさん

中国の内情、そこに居た人でなければ書けないような内容が、4コマ漫画風にさらっと読めます。
もちろん私のような中国に住んだ事の無い日本人が、一冊の本で中国に対する理解を持っていいのかと言う疑問もあります。
しかし、漏れ伝わってくる中国の実情と照らし合わせても、この本の内容はそれらの情報を補完するだけの内容を持っていると思います。

政府が情報統制を行い、ネットすら遮断し、さらに子供の頃から反日教育を行い、そしてTVは共産党の賛美か反日、反米。
こんな国家で生まれて育てば、自然とどんな思考の人間になるか想像がつきます。
この洗脳教育は本当に恐ろしいと思います。

韓国はネットこそ自由ですが、反日教育は北朝鮮や中国並みに行われています。
中国や韓国は、TVドラマや映画も反日か国家の歴史賛美、一方でそのような偏向教育の行われていない発展を続ける台湾を見れば、それらの偏向が実は国家の発展すら妨げている事に気づけるかと思います。
それは反日などと言うバイアスのある国とは、まともな国家間の付き合いが出来ないからです。

国と国の交流を妨げる因子を持った国は、国と国との交流による利点を得る事が少なくなります。
辣椒 さんのこの本を読めば、歴代中国共産党の主席の辿って来た悪業、そしてそれらと比較しても比べ物にならないほどの支配を務める習近平と言う男の恐ろしさが理解できます。

習近平が主席を務める間は、少なくとも日本は気を許して近づいてはいけませんし、ノーガードで近づくような党に政権を任せるような事があってもいけません。
辣椒さんがあまりご自身の感情を交えずに、4コマでさらっとまとめてあるので一気に読めてしまいます。

しかし、本当はこの行間には 辣椒さんの色んな感情や思いが込められています。
中国が本当の意味で自由になり、台湾、チベット、内モンゴルも解放され、反日と言うバイアスが消える日が来ることを祈ります。
そして 辣椒さんが大手を振って祖国に帰れる日が来る事を、心よりお祈り申し上げます。



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中国共産党、その百年

中国共産党、その百年

結党100周年を迎える中国共産党は、いかにして超巨大政権党となったのか。わずか30年足らずで中華人民共和国を建国し、70年以上にわたって国を統治してきた中国共産党の歩みを世界史的な展開を視野に収めつつ描く。


創立百周年を迎える中国共産党。いかにして超巨大政権党となったのか、この組織の中核的属性はどのように形作られたのか、多角的に浮き彫りにした最良の通史!


レビュー・口コミ

jessfield76さん

著者は日本における中国共産党史の第一人者(数少ないという点でも貴重な研究者)である。中国共産党百周年に合わせてこうした一般書が出版されたことは非常に喜ばしい。

著者は現在の共産党にも受け継がれる「DNA」をその建党初期に求める。党に対する絶対服従とそれを守る鉄の規律、会議と文書による党運営、そして「個人トウ案」に代表される徹底した情報管理である。後述するようにその存在意義は大きく変化してはいるが、そもそも中国共産党は「マルクス=レーニン主義」に基づいて組織されている政党である。学生運動盛んなりし昭和の時代はすでに遠く、社会主義の本家ソ連も解体して30年、評者を含めた現代人はこのことををうっかり忘れがちであるが、中国の政治を論じる上では改めて認識をしておかなければならない。

さて、こうした組織の頂点にかつてなら党主席、現在なら党総書記という個人が乗っかっているのが毛沢東以後引き継がれてきた中国の政治体制(アメリカがいうところの専制国家)である。さらに、著者はかつての国民党とも比較しているが、この共産党による支配は都市から農村、職場から学校などありとあらゆる場所まで行きわたっている。評者はかつて政治学の本を読んだときに、現在ではイデオロギーの右左にかかわらず非民主的な政治体制を「権威主義」で一括りするのに驚いたが、支配政党の社会への浸透度という点では、中国と例えばミャンマーの軍事独裁はやはり区別するべきだろう。

著者によれば、現在の中国共産党は社会主義の前衛政党としてではなく(そもそも党員自体が社会主義の実現を信じていないという調査が示される)、中国を解放前の「半植民地」状態から近代国家にまで引き上げた「ナショナリズム」の担い手としてその支配を正当化している。ここからは評者の考えであるが、近代国家の担い手であるというのは単なるプロパガンダとも思えない。評者を含めこの本の読者は香港の民主家弾圧に憤り、ウイグル民族への圧迫に心を痛めているであろうが、では単純に現在の中国共産党による支配が無くなれば良いのであろうか?これも歴史を顧みる必要があろう。すなわち1990年代に社会主義体制が相次いで崩壊したソ連や東欧諸国では経済・社会が崩壊・混乱し、ユーゴスラビアやチェチェンのような長期にわたる民族紛争も起こった。かつて台湾や韓国では経済発展とともに成長した中産階級によって民主化が成し遂げられたが、沿岸部と内陸部・都市と農村・そして多様な民族と、大国中国がかかえる複雑さは台湾・韓国の比ではない。共産党支配が崩壊すれば中国そのものが崩壊するであろうーといったある種の強迫観念のようなものが、かつては天安門事件を引き起こした鄧小平、現在ならば独裁化を強める一方の習近平のに取り憑いている気がしてならない。

本書の内容に戻ると、中国ではグーグルやフェイスブックのような世界的なインターネットサービスは利用できず、百度(バイドゥ)や微信(ウィチャット)といった代替サービスの使用を強いられている。これによって中国が極度のネット監視社会であるとよく言われるが、著者によればインターネットツールによって信用を供与されたり、犯罪も取り締まれる利点から意外にも中国人に広く受け入れられているのだという。

欧米型の民主主義を寄せ付けないと公言して憚らない習近平の「中国モデル」は今後どうなるのであろうか?一党独裁の終焉とまではいかなくとも1980年代の胡耀邦や趙紫陽、あるいは2000年代の胡錦濤時代のような体制内変革ぐらいはできないものであろうかー本書は現代・将来の中国を考えるうえで不可欠な良書である。



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習近平の中国――百年の夢と現実

習近平の中国――百年の夢と現実

2017年秋の党大会で、折り返し点を迎える習近平政権。

経済成長が鈍化し、共産党がその支配の正統性を問われるなか就任した習は、外交・内政で豪腕をふるい、党の「核心」と称揚される存在にのぼりつめた。

だが、言論が統制され、ライバルも不在の一強体制には危うさも潜む。結党・建国百年に向け、習が見つめるものはなにか。


レビュー・口コミ

くくくくまままさん

2011年3月から5年余り特派員として中国に滞在した記者が、習近平を中心とする中国の現状を記録しつつ、中国のこれからを読み解こうとする。
中国には詳しくないので、「ほうほう」と思いつつ読む。習近平が権力を掌握していくプロセスがよく分かる。

なるほどなと思った点を2つだけ。
「中国共産党の成立から百周年までに、小康社会の全面的な達成という目標を実現する」「新中国の成立から百周年までに……社会主義現代化国家をつくるという目標を実現(p.25)」という習の2012年の演説が引用されている。中国という国家のあり方を、中国共産党百周年の2021年や、新中国成立百周年の2049年を視野において考えると言うことだろう。

それが可能なのは、習が「皇帝化」しているからだとも言えるだろうが(果たして日本の政治家にこのような長期スパンで日本の将来を考えている人がいるだろうかということをチラッと思う)、著者の「中国はほかの国々とはまったく違うテンポを刻む、大きな振り子(p.214)」という中国評は胸に落ちる。

日中関係に関してでは、かつて「日中関係を支えてきた一つの柱(p.82)」であった「軍民二分論」の成り立ちや、その「説得力は急速に色あせている(p.87)」という現状を説明した箇所(pp.82-87)が興味深い。

Amazon カスタマーさん

中国が数年内に米国を抜いて世界一の経済大国になるだろうとはIMFを含めた世界的な通説となっている。

やっかみ半分の崩壊説は無視するとして、現実的な中国観、対中政策が求められる所以である。そのリーダーである習近平が何を目指しているのか、誰しも知りたがっているが、本書はそれなりに答えている。

すなわち、誰もが食え、文化的な生活を営める小康社会を目指して習が奮闘している事実を多くのデーターで裏付けている。問題はその先、習の口癖の中華民族の夢であるが、いまひとつハッキリしない。

多くの書が謎の解明に挑んでいるが、やはり秀逸なのが『二人のプリンスと中国共産党』である。同書は腐敗撲滅運動の本質はカネまみれになった党の純化路線とし、習はトウ小平理論を超え、毛沢東思想の復活、社会主義・共産主義社会建設を本格的に目指していると指摘するがが、最近の動きを見ると正鵠を射ているように思われる。

本書とあわせて読むと、いま北京奥深くで開催されている8中全会で討議されているであろう党主席制復活の動きがよく分かる。






独裁の中国現代史 毛沢東から習近平まで

独裁の中国現代史 毛沢東から習近平まで

朝鮮戦争、ソ連との大躍進と飢餓による死、文化大革命、米中国交回復、天安門事件――。農村部で勢力を蓄えた共産党が中国全土を支配し、GDP第二位の「超大国」となるまで、この国の歴史はまさに巨大なトラブルの連続だったといえます。そして今でも、一党独裁体制、民族弾圧、さらには都市と農村の格差といった矛盾を抱えています。

その源はどこにあるのか? そこで鍵となるのは、やはり建国以来この国に君臨した毛沢東でしょう。独裁も不平等も国民監視システムも民族紛争も、毛沢東の作り上げてきたものの延長上にあるといえます。


では「中華人民共和国」というシステムはどのようなものなのか? それを理解するには中国内部だけではなく、世界史的な視点が必要になります。

習近平は、まさに文革世代。毛沢東的独裁の申し子ともいえる存在です。これから中国がどこに向かっていくのかを知るためにも、この70年の歴史を振り返り、その内在論理を解明する必要がある。


レビュー・口コミ

hanawaさん

内モンゴル出身の著者ならでは、「中国共産党の少数民族弾圧」に詳しい。
中国ウォッチの第一人者・宮崎正弘のメルマガの書評によると、彼ですら知らないエピソードがいくつも本書にあったという。
中国ウォッチャーを自認する方なら必読だろう。

モカさん

複雑な内容を良く整理している。本書を読んで各論にとりくむとよい。

えりこさん

共産党総書記イコール皇帝というのが何となく理解できました。
中国は歴史的に強権的な独裁以外に統治できない国だった。






ラストエンペラー習近平

ラストエンペラー習近平

強硬な対外政策をエスカレートさせている、中国の習近平独裁体制。だが戦略面で中国は最悪の選択を行っています。

世界的戦略家が、中国の「本当の実力」、米中対立時代の世界、そして日本が生き残る道を鮮やかに分析します。


ますます緊張を高める米中関係。「習近平は、完全に全方位敵対路線に入った」と著者は語ります。「最後の皇帝」習近平は何を目指すのか?


レビュー・口コミ

京さん

理路整然としていて平易な言葉遣いなのでとても分かりやすい。
全方位強行外交=戦狼外交を繰り広げる習近平「皇帝陛下」の中国が、なぜそういう方針を採っているのか、諸外国がそれに対抗するにはどうすればいいのかが簡潔に述べられています。
曰く、歴史的に周辺に対等の国が無かったので、「国力に差はあれど形式上は対等」という外交の基本そのものを理解できない。
国民から民主的な手続きを経て選出されているわけではないので、常に共産党は強く正しいと国民に見せ続ける必要があり、ゆえに諸外国を力と金で屈服させようとしている。
諸外国が中国に対抗するには、習近平・共産党の思い通りに行かない事を見せつけて恥をかかせてやればいい=中国の要求に対してNOを突きつけるだけでいい。

なるほど、と頷けることが多々あります。
強大な国が力で周辺国を押さえつけようとすれば、小国が団結して結果として大国が敗北する。
革新的な技術は革新的ゆえに使い方が分からず、保守的な組織(軍隊)によって排除される。
確かにその通りです。
ですが、唯一納得がいかないのが海軍戦略についてです。
要約すれば「現代において水上艦艇は全て潜水艦の標的でしかないのだから、観艦式などで並べて見せる外交用でしかなく実用的には全くの無駄」。
これはミサイル万能主義に通じる極論です。
例えば潜水艦だけではP-3、P-1、P-8、SH-60Kといった「空からの対潜戦」に対抗できません。
水中から対空監視レーダーを使う事も、可視光で監視する事も出来ず、浮上すればその時点で哨戒機や水上艦艇のレーダーに捕捉される可能性が極めて高い。潜水艦発射対空ミサイルはドイツで開発中だが、いずれにせよそれを発射すればその時点で潜水艦の所在地を暴露してしまう。
従って潜水艦が安全に行動するには敵哨戒機を排除する必要があり、その為には対空能力が高い水上艦艇が必要であり、更に水上艦艇を守るためには高いセンサー能力を持つ早期警戒機・哨戒機・また制空能力が高い固定翼戦闘機が必要になります。
水上艦艇、潜水艦、航空戦力は全て相互に補い合っています。
また空母不要論じみた事も書いていますが、空母の役目は洋上での制空権(航空支配)確保と、何よりも内陸への戦力投射です。
ルトワックが本書中で称揚している大まかな基地ではなく基地の中の特定の施設を狙った「精密爆撃」、そのプラットフォームが空母です。
空軍が進出するには近隣の国と協定を結び基地を借りる必要がありますが、公海上に浮かぶ空母ならそんな必要は無く、迅速に戦力を投射でき、それこそが空母保有国の国際社会に対するプレゼンスとなっているのです。

ルトワックの言うように潜水艦が最強だからと言って潜水艦だけで海軍を構築したとしましょう。
それはチョキしか出せないジャンケンであり、敵は安全な上空から潜水艦を探して対潜爆弾や航空魚雷をばら撒いていればいい。
1000メートル近い深海で息を潜めていれば見つかる可能性は低いでしょうが、それをやるのは核抑止を担うSSBNのみであり、核戦力はおいそれと使うわけにはいきません。また攻撃型潜水艦は誤射を防ぐために襲撃前に潜望鏡で標的を確認するのが基本ですから、必ず哨戒機が探知できる深度まで浮上する事になります。

ルトワックは確かに華々しい経歴を持ち、連邦政府機関に雇用されるほどの人物ではありますが、当の機関は中国を「外交というものをそもそも理解していない」とするルトワックと「100年の計で物事を進める凄まじい戦略家である」ピルズベリーの両名を雇用してもいます。
「権威ある学者がこう言っているから中国は脅威ではない」と鵜呑みにするのは間違いで、あくまで学者による分析の一つとして参考にすべきです。






中国共産党を作った13人

中国共産党を作った13人

1921年7月23日、上海の高級住宅街に13人の中国人青年が集まり、中国共産党第1回全国代表大会が行われた。

欧米列強に蹂躙された国土を取り戻すために命を懸け、過酷な運命に翻弄された彼らの青春群像をたどる。


レビュー・口コミ

河童の川流れさん

1921年夏、中国各地からの共産党代表として上海の李漢俊の家に集まった13人が辿った運命の皮肉。
これが中国共産党第一回大会と言われるようになったのは後年のことであるが、組織を此処までにしてきたのが陳独秀であったことは間違いのない事実だろう。

上海(李漢俊・李達)、北京(張国壽・劉仁静)、広東(陳公博・包恵僧)、武漢(薫必武・陳潭秋)、済南(王尽美・トウ恩明)、日本(日本へ留学中の周佛海)、長沙(毛沢東・何叔衛)が、この会合に集まった面々である。
日本への留学経験者が、13人中で4人もいたから、著者は、彼ら4人の日本留学中のエピソードなども取材して詳しくしく書いている。

この第一回の会合では目立たない存在だった毛沢東が、1949年10月1日、天安門広場で、「ここに中華人民共和国の成立を宣言する!」と演説したとき、13人だった同志が毛沢東と薫必武のたった2人になっていたのである。

著者が、この13人にスポットを当てることを軸にして簡潔に書いているから、中国の共産党国家への道のりを知るうえでの良書だと思った。
毛沢東が演説した時に天安門にいなかった11人の同志達の、その後の運命を知りたい方は、ぜひ本書を一読されるようお勧めいたします。 

ともぱぱさん

中国共産党第1回全国代表大会(と後に呼ばれる会合)に参加した13名(上海・北京・済南・長沙・武漢・広東代表各2名+日本代表1名。毛沢東は長沙代表。)と不参加だった当時の指導者・陳独秀の足跡を追いつつ、20世紀前半の中国現代史、特に彼らと日本との関わりをまとめた本。

20世紀前半の中国現代史は知らないことが多いし、未だに謎とされている部分もあるが、上記切り口で眺めることにより、身近に感じられるようになった。

日本を通して西洋の技術・知識を得ようとした中国青年の志の高さに感心する。明治維新を経て強国になった日本は近代化モデルであり(西郷隆盛の人気の高さもわかる)、また西洋の知識を学べる最も近くの国であった。資本論や社会主義も日本を経由して中国に入ったのであり、上記13名には留学生者もいる。陳独秀は5回も来日している。

しかしながら、彼らを待っていた運命は過酷であり、それは国共対立、日本との戦争、党内の権力闘争等の激動の中国現代史の反映であった。彼らは精一杯生きたのであり、勝者だけによって歴史が記されることがないよう祈る。



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