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放置空き家の税金が4倍程度に増える【税優遇除外】

放置空き家の税金が4倍程度に増える【税優遇除外】

政府は、放置された空き家の活用促進策をまとめました。

窓や壁の一部が壊れているといった管理不全の空き家を対象に税優遇を見直す方針です。

自治体からの改善勧告に対応しない場合に、住宅の固定資産税を減らす特例から外すことになります。

中心市街地などに限定して建築規制も緩和します。

高齢化で住宅の相続が増えることを見据え、所有者に適切な管理や活用を求めます。


詳しく解説していきます。


空き家数は2018年時点で849万戸

空き家数は2018年時点で849万戸

国土交通省の有識者会議が提言を示したことを機に、政府は空き家対策特別措置法改正案を3月上旬にも閣議で決め、今通常国会への提出を目指します。

早ければ2023年度中に対策を実施に移すことになります。


国交省によると国内の空き家数は18年時点で849万戸に上ります。

このうち賃貸や売却用などを除いた、居住目的のない空き家は349万戸で20年前からほぼ倍増しました。

高齢化で住宅を両親から相続した子が放置するケースなどが目立ちます。

適切な対策をとらないと2030年には470万戸まで増える見通しです。


放置空き家の税金は4倍程度に増える

放置空き家の税金は4倍程度に増える

対策の柱の一つが管理体制の強化です。

住宅用地は固定資産税を減額する特例があります。

この減税優遇が持ち主が空き家を放置する一因になっているとの指摘がありました。

倒壊する危険のある「特定空き家」は改善勧告に従わなければ特例から外せることになります。


今回の見直しでは、その予備軍となる「管理不全空き家」を除外対象に加えます。

壁に亀裂が入ったり、窓の一部が割れたりしている建物を想定しています。

全国で少なくとも約24万戸が当てはまります。

法改正後に指針で具体的な条件を定めます。


特例から外れ、平均的な宅地になると所有者が納める税額は4倍程度に増えます。

空き家は放置期間が長くなるほど防災や景観の問題が生じてきます。

周囲に悪影響を及ぼす前に早期の建物の改修や売却をするよう仕向けます。


空き家の有効活用に向けた規制緩和

空き家の有効活用に向けた規制緩和

空き家対策として政府が力を入れるもう一つの柱は空き家の有効活用に向けた規制緩和です。

中心市街地や観光地などを対象に「活用促進区域」を創設します。

住宅に用途が限定されている区域の建物でも、市町村が活用指針を定めれば、店舗やカフェなどに使いやすくなります。


建物を建て替えるには、防災や緊急車両通行のため幅4メートル以上の道路に接して建てる義務があります。

燃えにくい構造にするなど安全を確保することができればこうしたルールを緩めることを検討しています。


自治体も対応に苦慮している

自治体も対応に苦慮している

空き家は自治体にも重荷となっています。

茨城県土浦市は、空き家対策法に基づき築100年を超える空き家の解体工事を始めました。

市は2012年にこの空き家の所有者に対応するよう指導や勧告をしました。

2019年には特定空き家に認定しましたが、手続きなどもあり解体着手に時間を要しました。

解体費用は200万円を超え、費用を相続人に全額請求します。


京都市は2022年、空き家などの所有者への課税措置を盛り込んだ条例を制定しました。

普段は住んでいない物件を対象に固定資産税の評価額に応じて新税を課し、空き家対策の財源に充てる方針です。

2026年1月以降に施行されます。


空き家の所有者の3割は将来もそのままにする意向

空き家の所有者の3割は将来もそのままにする意向

国交省調査では、空き家の所有者の3割は将来もそのままにする意向だそうです。

賃貸や売却の意思があっても「何もしていない」人は4割に上ります。


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