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新NISAが円安圧力に 個人の海外投資、月3000億円

新NISAが円安圧力に 個人の海外投資、月3000億円

新しい少額投資非課税制度(NISA)を通じた個人の海外投資が新たな円安圧力になるとの見方が出てきました。

新NISAのもと、個人が毎月3000億円超を株式など海外資産に投じる人が多いためです。

円を外貨に替えることにるので、円相場を押し下げる方向に働きます。

積み立ての設定を月初にしている人が多いので、特に月の前半に円が弱含む場面が増えそうです。


詳しく解説していきます。


月間ベースで3250億円の円売り・外貨買い

月間ベースで3250億円の円売り・外貨買い

新NISAは個別株にも投資できる「成長投資枠」と投資信託を毎月積み立てる「つみたて投資枠」があります。

2つの枠を合わせて年間で最大3.9兆円の海外投資が発生する可能性があります。


月間ベースでは3250億円の円売り・外貨買い需要が発生します。

2023年12月の貿易赤字は4127億円でしたので、円売りの規模は単月貿易赤字の8割に相当します。


2027年までに対ドルの円相場を最大6円ほど押し下げる

2027年までに対ドルの円相場を最大6円ほど押し下げる

海外株の積み立て投資をしている人は保有期間が長く、利益確定などによる円買いの動きが出てきにくい特徴があります。

政府は2027年までにNISAの累計買い付け額56兆円を目指しています。

年間買い付け額が約5.2兆円ずつ伸びるという前提に立つと、2027年までに対ドルの円相場を最大6円ほど押し下げる効果があります。


月の前半に円安が進みやすい

月の前半に円安が進みやすい

新NISAが始まってから1カ月の資金流入の傾向をみると、特に月の前半に円安が進んだり、円高が進みにくくなったりする傾向があります。


つみたて投資枠の対象となる外国株投信のうち、純資産残高上位5本の資金流入金額を見てみると、1月の資金流入額は前半の15日までが計3391億円と後半の16~31日(2366億円)を大きく上回っています。

月を3分割すると、1~10日が41%と最大で、11~20日の33%が続きます。

年初の1月に成長投資枠の年間上限(240万円)まで購入した個人もいるので、同月の資金流入を押し上げた可能性があります。


資金流入が月の前半に偏る傾向は2024年1月に限った話ではありません。

2022~2023年の24カ月でみても、対象投信への資金流入は15日までが68%を占めました。

1日に積み立て投資を設定する人が特に多いほか、5日や10日などのキリの良い日にも集中しています。


新NISAが3つめの円安圧力になっている

新NISAが3つめの円安圧力になっている

2022年以降に本格化した円安局面は、国内外の金利差と貿易赤字の拡大という2つの要因が主導してきました。

金利差の拡大には歯止めがかかり、貿易赤字も縮小基調にあります。


それでも円が下落しているため、新NISAが3つめの円安圧力になっているとの見方があります。

家計の円売りという事実を認識する人が増えれば、それを材料に円売りも加速しそうです。


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