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生前贈与を促すために、相続財産として加算する期間を延長

生前贈与を促すために、相続財産として加算する期間を延長

財務省は相続・贈与税制度の見直しを検討します。

生きている間に子や孫に資産を渡す生前贈与では現在、死亡前の3年間は相続財産として相続税に加算して課税されます。

この対象期間を数年間拡大する方向です。


生前の早い段階で贈与を促し、子育てなどでお金の必要な時期に若年層に資産が渡りやすい仕組みを整えます。

資産を移す時期によって税負担が変わる影響も抑えます。


詳しく解説していきます。


相続財産として加算する期間を現在の3年間から拡大

相続財産として加算する期間を現在の3年間から拡大

生前贈与には毎年課税する「暦年課税」と相続時にまとめて税を徴収する「精算課税」の2つがあります。

暦年課税は年110万円の非課税枠がありますが、死亡前の3年間に贈与した分は相続財産としてさかのぼって税をとっています。


財務省は2023年度税制改正で、相続財産として加算する期間を現在の3年間から拡大する方針です。

政府の税制調査会(首相の諮問機関)で方向性を議論しており、2022年10月21日の専門家会合では5~10年間を目安に延長する方向で委員の意見がおおむね一致しました。


若年層にお金が移りやすくなるとの期待がある

若年層にお金が移りやすくなるとの期待がある

贈与税と相続税は同じ金額でも適用される税率が異なります。

生前に年110万円までの範囲で贈与する人にとっては死亡前の3年間だけ税負担が重くなるため、病気などにかかる前の税負担が少ないタイミングを選んで資産を移転しようとの意向が働きやすいです。

加算される期間が長くなれば前倒しでこうした動きが広がり、若年層にお金が移りやすくなるとの期待があります。


2022年10月21日の議論では委員から「移転の時期に中立な税制とするには延長が妥当だ」との意見が多くでました。


海外では英国で7年、米国では一生にわたって相続財産として課税されます。

日本では1950年代に税務手続きの制約などから3年という短い期間が設定された経緯がありますが、デジタル化の進展で数年の期間延長は可能だとみられています。


少額であれば申告を不要にする

少額であれば申告を不要にする

生前贈与に関する別の制度も見直します。

精算課税では累積2500万円の控除枠を設け、超えた部分に一律20%が課税されます。

そのうえで相続時に相続財産に加算して精算します。

この制度の使い勝手を高める方向です。


現行は制度を使い始める時点で税務署に届け出し、数万円などの額でも贈与を受ければ申告するルールになっています。

23年度改正では少額であれば申告を不要にすることを検討しています。

委員からは賛成する意見が相次ぎました。


一方で少額でも積み重なれば2500万円の控除の上限を上回る金額が贈与される可能性があるため、「税逃れをしようとする動きとトレードオフになりやすい」として慎重な議論を求める声も出ました。


暦年課税と精算課税の利用状況をみると、暦年課税が36万件に対し、精算課税は4万件と少ないです。

精算課税の使い勝手を高めて利用を後押しする考えです。


結婚・子育てを目的とする贈与の非課税枠を廃止

結婚・子育てを目的とする贈与の非課税枠を廃止

他にも、結婚・子育てや教育資金を目的とする贈与を一定額まで非課税にする特別措置は廃止や縮小を検討しています。

結婚・子育ての贈与は1000万円まで非課税となるりますが、21年度の新規契約数は153件で低調です。

富裕層が節税対策に使っているとの懸念も出ており、23年3月末に期限を迎えるのにあわせて廃止を目指しています。



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