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中国の投資会社が債務超過 最大5.4兆円【中国経済】

中国の投資会社が債務超過 最大5.4兆円【中国経済】

中国の民営複合企業、中植企業集団は11月23日までに負債が資産を上回る債務超過に陥っていると明らかにしました。

債務超過額は2200億~2600億元(約4兆6000億~5兆4000億円)にのぼります。

中国では不動産不況をきっかけに金融リスクが高まっています。

中植はグループに信託大手を抱えており、21兆元規模の信託商品と呼ばれる投資商品の未来が危ぶまれています。


詳しく解説していきます。


中植はすでに重大な債務超過に陥っている

中植はすでに重大な債務超過に陥っている

中国SNS(交流サイト)の微博(ウェイボ)に流出した中植の投資家向けレターでは、資産2000億元に対して、保証金を除いたベースの負債が4200億~4600億元にのぼり、「すでに重大な債務超過に陥っている」と発信されています。

中植が投資している「債権と株式の減価が著しく、回収可能な金額は少なくなる見通し」だそうです。


中植は1995年に創業した非上場の民営複合企業で、炭鉱業や金融業などを営むほか、不動産に投資してきました。


問題は投資商品の行方 残高は21兆6857億元

問題は投資商品の行方 残高は21兆6857億元

心配されているのは、信託商品と呼ばれる主に個人が購入する投資商品の行方です。

レターでは、「当社に関係する投資商品で実質的な債務不履行(デフォルト)が連続して発生している」と投資家に発表しました。


信託商品は、中国特有の投資商品である理財商品の一種です。

信託会社が信託商品の販売という形で顧客から預かったお金を、企業や金融機関への融資や債券投資などで運用します。

信託商品を設定・運用する中国の信託会社は、銀行の預金金利より高い予想利回りを掲示し、顧客を勧誘してきました。


中国信託業協会によると、信託商品の残高は6月末で21兆6857億元(430兆円)を超えています。

このうち不動産向けは1兆489億元です。

ただ中国では、中植のように様々な企業を傘下に抱える複合企業が不動産投資を手掛けるケースがあり、信託商品の不動産向けリスクがどこまであるのか実態は不透明です。


中植、投資家が返済を求めて抗議活動を行う

中植、投資家が返済を求めて抗議活動を行う

中植は2022年末時点で中国の信託大手、中融国際信託の32.99%の株式を保有する大株主です。

同社が設定・運用する信託商品は一部償還停止となっており、投資家が返済を求めて抗議活動を行う事態となっていました。


中融は顧客から預かった資金の一部を、中国の不動産開発会社向け資金提供で運用しており、不動産不況で相次ぎ焦げ付きが発生したようです。


信託商品はシャドーバンキングの一つ

信託商品はシャドーバンキングの一つ

信託商品は社債と違って、格付け会社による信用格付けなどがなく、個人には信用リスクの見極めが難しいです。

元本保証と誤認されるような営業手法や複数の信託商品を同一の勘定で扱う不透明な運用を問題視した金融当局が監督を強化しました。

そのため、残高は17年末を境にピークアウトしています。


一方、信託商品は、銀行と比べて金融当局の監督が緩い典型的なシャドーバンキングの一つとして重宝されています。

中国の民営中小零細企業や不動産開発会社は国有大手銀行からなかなかお金を貸してもらえない融資難の問題を抱えています。

信用力に劣るこうした企業にとって、信託商品は貴重な資金調達ルートとなってきました。

中植問題をきっかけに急激な規模の縮小が起きれば、民営中小零細企業や不動産開発会社の資金繰りを一段と悪化させるリスクがあります。


まとめ

まとめ

中国の民営複合企業、中植企業集団は11月23日までに負債が資産を上回る債務超過に陥っていると明らかにしました。

債務超過額は2200億~2600億元(約4兆6000億~5兆4000億円)にのぼります。


心配されているのは、信託商品と呼ばれる主に個人が購入する投資商品の行方です。

中国信託業協会によると、中植企業集団が抱えている信託商品の残高は6月末で21兆6857億元(430兆円)を超えています。

このうち不動産向けは1兆489億元です。


中植は中融以外にも、損害保険会社の恒邦財産保険、生命保険会社の横琴人寿保険など複数の金融機関に出資しています。

保険会社などこれらの金融機関にも今後、中植の経営問題が波及する可能性があります。


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