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中国がTPP加入を目指してASEAN諸国を切り崩しにかかる

中国がTPP加入を目指してASEAN諸国を切り崩しにかかる

中国が環太平洋経済連携協定(TPP)の加盟に向け東南アジア諸国連合(ASEAN)を切り崩しにかかっています。

新型コロナウイルスのワクチン供与や中国市場の開放をエサに、中国のTPP参加に前向きな雰囲気をつくろうと躍起です。

米国も対抗してASEANへの関与を強めています。


中国がASEAN諸国に呼びかけ

中国がASEAN諸国に呼びかけ

「(中国とASEANの)経済の融合を深め、地域的な包括的経済連携(RCEP)協定をなるべく早く発効させよう」。

2021年10月26日の中国・ASEANのオンライン首脳協議で、李克強(リー・クォーチャン)首相は呼びかけました。

気候変動対応、科学技術やイノベーションなどでの協力も提案しました。


李氏の「経済の融合」との発言はTPPも視野に経済の相互関係を深めるとの思惑がにじみます。

ASEAN10カ国のうちTPPに加盟するのはベトナム、マレーシア、シンガポール、ブルネイの4カ国です。

中国にとって働きかけが欠かせません。


ベトナムとは南シナ海を巡って利害が対立しています。

李氏は「南シナ海の平和は中国とASEAN加盟国の共通の利益だ。双方が南シナ海での実務的な協力を実現し(紛争防止に向けた)行動規範で早期に合意することを希望する」と低姿勢でした。


中国のワクチン外交

中国のワクチン外交

9月にTPPに加盟申請してからの中国の動きは早いです。

習近平(シー・ジンピン)国家主席がベトナムの最高指導者グエン・フー・チョン共産党書記長やシンガポールのリー・シェンロン首相と電話協議をして両国から中国の申請に前向きな反応を得ました。


働きかけの「武器」となるのがワクチンです。

9月末には王毅(ワン・イー)国務委員兼外相がマレーシアのサイフディン外相と電話し、100万回分のワクチンを寄付すると表明しました。

中国がマレーシアに提供したワクチンは寄付分だけで少なくとも合計150万回分になります。

李氏も26日の会議で、中国とASEANの新型コロナの協力を提案しました。


中国市場は他国には魅力

中国市場は他国には魅力

中国が4カ国に秋波を送るのは、国有企業が多いという共通点も理由とみられています。

北京の大学教授は「TPP加盟は10年単位の時間がかかる。いまは仲間づくりが大事。国有企業が多いベトナムやマレーシアと協議して準備しておく」と明かします。


TPPは国有企業などで厳しいルールをもうけましたが、国有企業が主体のベトナムには例外規定を認めました。

中国が参考にしている可能性があります。


東南アジアで大使を務めた中国の元外交官は「(国有企業など)解決が非常に困難な問題は例外化を考えるべきだ。中国市場は他国には魅力的だ。相手に利益を示し、交渉を有利に進めることが大事」と主張します。


中国とASEANの貿易額は新型コロナにもかかわらず増え続けています。

2020年の中国の対ASEAN輸入額は3013億ドル(約34兆円)と10年前の約2倍に膨らみました。

4カ国にとっても、中国のTPP参加による大幅な関税下げは経済効果が大きいです。


アメリカがASEANへ1億200万ドルの支援策を発表

アメリカがASEANへ1億200万ドルの支援策を発表

バイデン米大統領は26日、米ASEAN首脳会議にオンラインで出席しました。米大統領の出席は4年ぶりです。

欠席を続けてきたトランプ前大統領から一転し、東南アジアを重視する姿勢を訴えます。


バイデン氏は新型コロナや気候変動対策などで、ASEANへ計1億200万ドル(約116億円)の支援策を発表しました。

米国の存在感を高めて中国に対抗する狙いです。


もっともバイデン氏はTPPへの復帰には慎重です。

支持基盤である労働組合などが雇用流出を懸念して反対するためです。

東南ア諸国と経済関係を深めて、求心力を回復する道筋は描けていないのが実情です。


まとめ

まとめ

中国が環太平洋経済連携協定(TPP)の加盟に向け東南アジア諸国連合(ASEAN)を切り崩しにかかっています。


「(中国とASEANの)経済の融合を深め、地域的な包括的経済連携(RCEP)協定をなるべく早く発効させよう」。

2021年10月26日の中国・ASEANのオンライン首脳協議で、李克強(リー・クォーチャン)首相は呼びかけました。


働きかけの「武器」となるのがワクチンです。

9月末には王毅(ワン・イー)国務委員兼外相がマレーシアのサイフディン外相と電話し、100万回分のワクチンを寄付すると表明しました。


バイデン米大統領は26日、米ASEAN首脳会議にオンラインで出席しました。米大統領の出席は4年ぶりです。

欠席を続けてきたトランプ前大統領から一転し、東南アジアを重視する姿勢を訴えます。

バイデン氏は新型コロナや気候変動対策などで、ASEANへ計1億200万ドル(約116億円)の支援策を発表しました。

米国の存在感を高めて中国に対抗する狙いです。



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