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インフレは高齢者ほど負担が大きくなる!その理由を解説

インフレは高齢者ほど負担が大きくなる!その理由を解説

インフレ率の世代差が広がっています。

消費者物価の10年間の上昇率を世帯主の年齢別にみると、70歳以上は7.3%と29歳以下の1.1%を6ポイントあまり上回ります。

現役世代が保育の無償化などの恩恵を受けるのに対し、高齢者は物価上昇の重みを負いやすいのです。

長寿命化やインフレのリスクを考慮すれば、資産形成の軸足を貯蓄から投資に移すことが一段と重要になります。


インフレは高齢者ほど負担が大きくなる

インフレは高齢者ほど負担が大きくなる

総務省が公表する消費者物価指数(CPI)は約600品目のモノやサービスの価格を平均的な世帯の支出傾向で重みづけして算出しています。

実際は若い人と高齢者で必要なモノやお金の使い方は違います。

今回、家計調査の消費データをもとに重みづけした世代別の物価上昇率の差を検証しました。


2021年まで10年間の伸び率が最も小さかったのが29歳以下の1.1%でした。

次いで30歳代が1.5%、40歳代が4.3%、50歳代が5.5%でした。

仕事をリタイアした人が増える60歳代は6.8%に達し、70歳以上は7%を超えました。

高齢になるほどインフレ率も高まる傾向が明確です。


この世代間格差は10年代半ばまでは0.1~0.5ポイントにとどまっていました。

19年に1.0ポイント、20年に2.3ポイントと急拡大。

19年10月の消費増税に伴って幼児教育・保育を無償化した結果、現役世代の負担が和らいだのが大きな要因です。


20年の物価は全体としては横ばいでした。

30歳代に限ると前年比1.8%下がり、29歳以下も1.4%低下しました。


菅義偉前政権の看板政策だった携帯電話料金の引き下げも、携帯を頻繁に使う若年層の恩恵が大きかったです。

携帯料金を含む「交通・通信」は21年、29歳以下で6.6%低下した。70歳以上は4.1%の低下にとどまります。


資源高によって高齢世帯により強い影響が出ている

資源高によって高齢世帯により強い影響が出ている

高齢世帯は食品や電気代などの負担も重いです。

70歳以上の食料のウエートは全体に比べ9.8%高い。光熱・水道も15.4%高い。食料の高騰や電気代・ガス代の値上げが現役世代より重くのしかかります。

ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎経済調査部長は「足元の資源高も高齢世帯により強い影響が出ている可能性が高い」とみています。


高齢世代はインフレへの備えが十分ではない

高齢世代はインフレへの備えが十分ではない

年金と貯蓄で生活する高齢世代はインフレへの備えが十分ではありません。

日銀によると、21年3月末時点で日本の家計は2000兆円近い金融資産を抱えています。

うち現金・預金の比率は54.3%で米国(13.3%)やユーロ圏(34.3%)より高いです。

低金利のまま物価上昇が進めば資産が実質的に目減りする恐れがあります。


インフレに強い資産とされる株式や投資信託は14.3%で、米国(51.0%)やユーロ圏(27.8%)を下回ります。

第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストは「物価上昇局面に対応した資産形成の重要性は増している」と述べています。


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物価上昇率がピークで2%を超えるとの見方が大勢

物価上昇率がピークで2%を超えるとの見方が大勢

日本の社会保障は医療や年金、介護など高齢者向けが手厚く、若年層に負担が偏る問題がありました。

経済協力開発機構(OECD)によると政府による子育て支援など家族関連社会支出は国内総生産(GDP)比で1.6%とOECD平均(2.1%)を下回ります。

幼保無償化や携帯値下げは、経済・社会政策の世代間のバランスを確保した側面があるとも言えます。


新型コロナウイルス禍で傷ついた経済は回復の途上にあります。

ロシアのウクライナ侵攻による混乱も重なります。

エコノミストの間では今後、物価上昇率がピークで2%を超えるとの見方が大勢です。


所得が低迷したまま物価高が続けば家計の打撃は大きくなります。

インフレリスクを踏まえた資産形成の見直しは若い世代にも共通する課題です。


まとめ

まとめ

インフレ率の世代差が広がっています。

2021年まで10年間の伸び率が最も小さかったのが29歳以下の1.1%でした。

次いで30歳代が1.5%、40歳代が4.3%、50歳代が5.5%でした。

仕事をリタイアした人が増える60歳代は6.8%に達し、70歳以上は7%を超えました。

高齢になるほどインフレ率も高まる傾向が明確です。



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