投資で利益を上げたいですよね?
IPO投資は「ローリスク・ハイリターン」です。
この記事を読めばIPO投資を理解できて、その手順までわかるようになります。
IPO・新規公開株とは
IPOとは、「Initial(最初の)Public(公開の)Offering(売り物)」の略です。
未上場企業が、新規に株式を証券取引所に上場することをいいます。
オーナーやその家族といった特定の株主が保有し、流通していない状態だった株式が、不特定多数の投資家も購入できるようなります。
IPOをする会社のメリット・デメリット
IPOをすることで会社にはさまざまなメリットとデメリットが発生します。
新規上場する会社のメリット
IPOをすることで会社に発生するメリットは下記の通りです。
①:資金調達力の向上
②:知名度の向上
③:信用度の向上
④:人材確保の優位
⑤:従業員の士気向上
⑥:内部管理体制の充実
⑦:創業者利潤の確保
新規上場する会社のデメリット
IPOをすることで会社に発生するデメリットは下記の通りです。
①:IR情報開示の義務
②:管理コストの増加
③:業績向上の圧力
④:創業者支配権の希薄化
⑤:買収される可能性
IPO投資をするメリット・デメリット
IPO投資を(投資家が新規公開株を購入)するメリットとデメリットを解説していきます。
IPO投資のメリット
IPO投資を(投資家が新規公開株を購入)するメリットは下記の通りです。
①:リスクがない
②:高確率で利益を上げられる
IPO投資は「ローリスク・ハイリターン」です。
制度を知らない人にとっては理解しがたい投資法となっています。
IPO投資のデメリット
IPO投資を(投資家が新規公開株を購入)するデメリットは下記の通りです。
①:当選確率が低い
②:100%利益が出るわけではない
IPOの流れ
未上場企業が、新規に株式を証券取引所に上場するまでの全体の流れを解説していきます。
step1 上場承認
証券取引所が上場することを公表します。
⇩2週間程度
step2 仮条件決定
ブックビルディングをするための株の売り出し価格が決まります。(例:1,000円~1,200円)
step3 ブックビルディング
投資家に仮価格を提示し、「いくらで買いたいか」を調査します。
⇩1週間程度
step4 公開価格の決定
ブックビルディングの集計結果をうけ、売りだり価格をけっていします。
step5 購入申し込み受付
申し込みが多い場合は抽選が行われます。これに当選すればIPO株が購入できます。
⇩3日程度
step6 抽選
抽選方法は証券会社によって多少異なります。
⇩5日程度
step7 上場
当選したら投資家に株が配られ上場となります。
以上がIPOの流れになります。
IPO投資をする場合、step3のブックビルディングから参加することになります(詳細は後述)。
ここからは流れの一部をかいつまんで解説していきます
上場承認( 取引所審査 )
取引所審査の内容は、実地調査や公認会計士のヒアリング、経営トップや監査役の面談などです。
審査期間は短く、指摘を受けてしまうと改善するための時間がありません。結果、「上場延期」となるのが一般的です。
各市場の上場基準(一部抜粋)
形式基準は、上場申請をするにあたって求められる要件です。
各項目の適合状況については、申請会社が上場申請時等に提出する資料により確認することとなります。
ブックビルディング
ブックビルディングとは「ブックビルディング方式」のことで「需要積み上げ方式」とも呼ばれます。
どのような方式かというと、下記の流れになります。
はじめに、株価算定能力が高いと思われる機関投資家等の意見をもとに「仮条件」を決定します。
⇩
その後、その仮条件を投資家に提示し、投資家の需要状況を把握することによって、マーケット動向に即した「公開価格」を決定する。
証券会社ごとに異なる抽選
証券会社ごとに異なる抽選とは、「余力有無のタイミング」「資金拘束のタイミング」「抽選配分率」「複数の申し込みが可能か」「証券会社の独自サービス」などです。
(余力=証券口座の残高)
【余力有無のタイミング】
口座に残高がないと、ブックビルディングや抽選に参加できない場合があります。
・ブックビルディング申し込み時
・ブックビルディング期間
・抽選
・当選後、購入申し込み時
【資金拘束のタイミング】
申し込んだ資金が拘束される場合があります。一定期間口座から動かせなくなり、余力が減った状態になります。
・ブックビルディング申し込み時
・抽選時
・購入申込時
【抽選配分率】
証券会社に割り当てられたIPOの内、なん%を抽選にするかは証券会社によって異なります。
抽選に回らない分のIPOは、証券会社の上客(お得意様)に裁量分配されたりします。
【複数の申込み】
多くの証券会社では1口(100株)の申し込しか受け付けてませんが、証券会社によっては複数の申込が可能です。
余力が必要な証券会社なら、申し込み分の余力が必要になります。
【証券会社の独自サービス】
独自サービスをしている証券会社もあります。
ポイントを付与したり、口座残高に応じて当選確率を上げたりさまざまです。
IPO投資に参加する方法
ここからは実際にIPO投資に参加する方法と、その流れを解説していきます。
わかりやすく、詳しく解説していきますので安心してください。
①:IPOを扱う証券会社を探す
②:ブックビルディングに参加+抽選に参加
③:抽選結果
④:購入の意思表示
①:IPOを扱う「幹事証券会社」を探す
IPOはすべての証券会社で扱っているわけではありません。
IPO投資は、「新規公開株を請け負った証券会社で参加」する必要があります。
IPO投資をしたいのなら、まずはIPO株を扱う証券会社を探す必要があります。
IPOを扱う証券会社を「幹事証券会社」といいます。
主幹事証券会社
主幹事証券会社とは、上場に関して申請会社を支援する業務をする証券会です。
株式上場時には通常4~7社程度の幹事証券会社が申請会社に関与します。そのなかで中心的な役割を果たす幹事証券会社が「主幹事証券会社」です。
IPOの70~90%が主幹事証券会社に回ります。必然、IPO株の当選を目指すなら主幹事からの申し込は必須です。
残りのIPOを他の幹事証券会社で分け合います。
②:ブックビルディングに参加+抽選に参加
ブックビルディングに参加する方法は、証券会社によって異なります。
幹事証券会社のホームページから申込みをするのが一般的です。
(稀に電話での受付もあります)
上記の画僧はSBI証券のトップページです。
画面左下の青く囲ってある部分がIPOに関する情報です。クリックしてすすんでいくと手続ができます。
ブックビルディングの受付期間中に申し込みをする必要があります。
ブックビルディングの価格
ブックビルディングの価格には幅があります。
1,000~1,200円の条件の場合で、1,100円で参加し公開価格が1,100円を上回った場合は次の抽選に参加できません。
ブックビルディングの申し込み価格は「この金額以下なら抽選に参加したい」という意味を持ちます
抽選に参加したい場合は上限額で申込みましょう。
※1,200円で申込み1,150円に決まった場合は、1,150円で抽選に参加することになります。
抽選への流れ
ブックビルディングへの参加価格が公開価格を上回っていた場合、自動で抽選に参加することになります。
③:IPO抽選結果
IPOの抽選結果は下記の3つになりますが、表現は証券会社によって多少異なります。
①:当選
②:補欠当選
③:落選
当選
当選はその名の通り、みごと抽選に当選したことになります。
手続きをしてIPOを購入できます。
(辞退することも可能ですが、当選後の辞退は証券会社によってはペナルティーがあります。)
売却や注文は上場日を待たなければできません。
補欠当選
補欠当選は証券会社によって表現がさまざまです。
補欠当選で購入をしておくと、当選を辞退した人などで余ったIPOを購入できる可能性があります。
(繰り上げ当選)
落選
落選はその名の通り、残念ながら落選したことになります。
④:購入の意思表示
気を付けなけばいけないのは「ブックビルディングで参加」し、当選した場合、欲しいなら「購入」しなくてはいけないことです。
それぞれ期間が決まっているので、確認を怠り「購入」の期間を過ぎてしまった場合「当選辞退と同じ扱い」になります。
そうなるとIPO当選を諦めなければなりません。
よくあることなので気をつけてください。
IPO当選確率を上げる方法
IPOによって株数は違うので一概にいえませんが、当選確率は「小型IPOで0.1~0.5%程度」「大型IPOで5~10%程度」です。
当選確率を上げる方法は、「幹事証券会社すべてから申込む」ことです。
しかし、資金力がないと難しいので申し込みをする証券会社に優先順位をつけることが重要です。
当選確率を上げる方法は下記の通りです。
①:多くの証券口座を保有
②:多くの証券から申し込む
③:余力が必要ない証券会社から申し込む
④:主幹事の証券会社から申し込む
⑤:高い抽選配分率の証券会社から申し込む
⑥:口座数が少ない証券会社から申し込む
①:多くの証券口座を保有
未上場企業が、新規に株式を証券取引所に上場する時、幹事証券会社が決まってから口座開設をしても間に合いません。
どこの証券会社が幹事証券会社になっても申し込みができるように、事前に多くの証券会社の口座を開設しておきましょう。
②:多くの証券会社から申込み
IPOの当選確率を上げる方法は「できるだけ多くの証券から申し込み」をするにかぎります。
③:余力が必要ない証券会社から申込む
余力が0円でも抽選に参加できる証券会社があります。
資金力が乏しくて、すべての幹事証券会社から申し込みができない場合、余力の必要ない証券会社からの参加は必須です。
④:主幹事の証券会社から申込む
主幹事の証券会社がIPO株の約80%を引き受けます。
たくさん割り当てられている証券会社ですので、その分当選確率が高くなります。
資金力が乏しい方は、主幹事の証券会社から申し込むことをおすすめします。
⑤:高い抽選配分率の証券会社から申込む
割り当てられたIPO株のなん%を抽選に回すのかは、証券会社によって異なります。
店舗型の証券会社の場合、担当者が普段から付き合いのあるお客(お得意様)に感謝の意味を込めて魅力的なIPO株を譲る「裁量配分」が行われています。
上記の関係で「抽選配分」は証券会社ごとに異なります。
資金力が乏しい方は、抽選配分率の高い証券会社から申し込むことをおすすめします。
⑥:口座数が少ない証券会社から申し込む
各証券会社にIPOが割り当てられた後、ライバルになるのは同じ証券会社からIPOを申し込んだ人たちです。
当然、「口座開設数」が少ない証券会社なら確率が高くなります。
資金力が乏しい方は、口座数の少ない証券会社から申し込むことをおすすめします。
IPOはどれくらい儲かるのか
IPO投資で損益を見る方法は、上場日の初値が「公募価格」を上回ったのか・下回ったのかです。
公募価格を下回った場合を、「公募割れ」といいます。
IPOの過去の成績を紹介します。
過去のIPO勝率
年代 | 件数 | 勝敗 | 勝率 |
2019年 | 86件 | 76勝10敗0分 | 82% |
2018年 | 90件 | 80勝9敗1分 | 89% |
2017年 | 89件 | 81勝8敗0分 | 91% |
2016年 | 83件 | 67勝13敗1分 | 81% |
2015年 | 92件 | 82勝8敗2分 | 89% |
2014年 | 83件 | 65勝15敗3分 | 78% |
2013年 | 60件 | 56勝3敗1分 | 93% |
2012年 | 50件 | 39勝11敗0分 | 78% |
平均80%を超える確率が続いています。
IPOに当選して上場日に売るだけで高い確率で利益を上げられます。
2019年 IPO利益ランキング
順位 | IPO銘柄 | 倍率 | 初値売り損益 |
1位 | サーバーワークス | 3.77倍 | 1,322,000円 |
2位 | Welby | 3.47倍 | 1,283,000円 |
3位 | AI inside | 3.50倍 | 900,000円 |
4位 | スポーツフィールド | 3.11倍 | 577,000円 |
5位 | ジェイック | 2.17倍 | 557,000円 |
6位 | リビン・テクノロジーズ | 2.31倍 | 510,000円 |
7位 | リックソフト | 2.26倍 | 505,000円 |
2019年ではIPOに当選して初値で売るだけで、100万円を超える銘柄が2つもあります。
3位以下も大きな金額が並んでいることがわかります。
次は逆に公募割れランキングを紹介していきます
2019年 IPO公募割れランキング
順位 | IPO銘柄 | 倍率 | 初値売り損益 |
1位 | 大英産業 | 0.88倍 | -19,000円 |
2位 | SRE HD | 0.93倍 | -17,500円 |
3位 | HPCシステムズ | 0.94倍 | -12,000円 |
4位 | Chatwork | 0.93倍 | -12,000円 |
5位 | BASE | 0.93倍 | -9,000円 |
6位 | ステムリム | 0.93倍 | -7,000円 |
7位 | メドレー | 0.98倍 | -3,000円 |
利益が出るときは100万円を超す金額でしたが、損失額の方は少ない金額が並んでいます。
IPOがなぜ人気なのか理解していただけたと思います。
IPO投資は「ローリスク・ハイリターン」なので人気です。