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自転車の交通違反で「反則金」を導入 2026年から

自転車の交通違反で「反則金」を導入 2026年から

政府は3月5日、自転車の交通違反取り締まりで「反則金」を導入する道路交通法改正案を閣議決定しました。

今国会で成立すれば2026年までに施行されることになります。

自転車は幅広い世代が利用する一方、交通ルールを十分に理解している人は多くありません。

混乱を招かず走行マナーを改善するためには、丁寧な周知と安全教育が求められます。


詳しく解説していきます。


自転車の交通違反は増加の一途

自転車の交通違反は増加の一途

反則金は1967年に創設された交通反則通告制度に基づきます。

信号無視や一時不停止といった違反者に交通反則切符(青切符)を交付し、期間内に反則金を納付すれば刑事罰は科されません。

自動車やバイクで導入され、自転車は対象外です。


このため自転車の違反では刑事手続きの対象となる交通切符(赤切符)が主に使われています。

シェアリングサービスが普及する一方で走行マナーの悪化が目立ち、全国の警察による摘発は22年に2万4549件で13年の約3倍となっています。

起訴に至る例は少なく、捜査上の負担が大きいのが現状です。


交通反則通告制度とは

交通反則通告制度は、運転者が反則行為(軽微な道路交通法違反行為)をした場合、一定期間内に反則金を納めると、刑事裁判や家庭裁判所の審判を受けないで事件が処理されるという制度です。



「反則金」を導入するメリット

「反則金」を導入するメリット

反則金制度が導入されれば、違反者は一定額を納付して刑事手続きを省略することができます。

警察にも違反を迅速に処理することができ、メリットがあります。

改正案では16歳以上を対象とし、周知期間を考慮して公布から2年以内に施行されます。


反則金額は原動機付き自転車と同程度になる見通しで、改正法施行までに政令で定められます。

原付きは信号無視が5千~6千円、右側通行や歩道通行といった通行区分違反は6千円とされています。

対象とする違反行為は約115種類を想定しています。


信号無視や一時不停止は指導警告からの2段階の運用

信号無視や一時不停止は指導警告からの2段階の運用

反則金導入の可否を議論した警察庁の有識者検討会では、反則金が自転車利用の萎縮につながるとの声も上がりました。

検討会は1月の最終報告で導入に賛同する一方「恣意的な取り締まり活動ではないと丁寧に情報発信を行う必要がある」という意見も示されました。


警察庁は信号無視や一時不停止といった違反では現在と同様に指導警告からの2段階の運用を想定しています。

警告に従わない悪質な違反者や、歩行者らに危険を生じさせる行為は青切符で摘発します。

悪質性や危険性を判断する考え方は通達で都道府県警へ示されます。


利用者の交通ルールへの理解は十分とは言えない

利用者の交通ルールへの理解は十分とは言えない

自転車の違反処理が見直されるのは戦後初めてです。

反則金の導入は危険な走行を抑止する効果が期待される一方、新たな制度の周知期間が必要になりそうです。

自転車は運転免許が不要でもあり、利用者の交通ルールへの理解は十分とは言えません。


利用者を対象とした警察庁の調査によると、自転車のルールを守れない理由として最も多かった回答が「ルールをよく知らないから」(40・4%)でした。

中高生では「周りの人も守っていないから」という回答も2割を超えています。


交通ルールを学ぶ機会の拡充

交通ルールを学ぶ機会の拡充

交通ルールを学ぶ機会を増やす必要があります。

自転車を含めた交通安全教育は警察が主体で、2022年には約880万人が受講しました。

受講者は小学生(38・8%)、中学生(24・6%)、高校生(23・5%)と現在は未成年が中心になっています。


警察庁は2024年春にも自転車関係団体や関係省庁で構成する官民の協議会を設け、各世代に必要な交通安全教育の指針を示します。

民間事業者を含めて優れた教育プログラムを実施する団体を警察が認定する仕組みを作り、取り組みを後押しします。


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