台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業が進める電気自動車(EV)の共同開発に当初の5倍にあたる約100社の日本企業が参加することが分かりました。
デンソーなどトヨタ自動車の系列企業も加わります。
ソニーグループなど、EVには異業種の参入が相次いでいます。
鴻海は部品の規格などを共通化し、受託生産を狙っています。
トヨタ系も参加することで、車メーカーが多数の部品会社を束ねてきた自動車産業のサプライチェーンが変わる可能性があります。
台湾が進める電気自動車に日本から100社が参加
共同開発には3月上旬時点で約2200社が参加する方針です。
約100社を日本企業が占めます。
発足当初の昨年4月に比べて全体の社数は7割増、日本企業は5倍に増えました。
一部の企業はすでに鴻海などと部品の共同開発を始めています。
車部品メーカーでは日本電産や日本精工などが参加します。
素材や電機大手からは旭化成や昭和電工、東芝などが加わります。
旭化成が内装材などの供給を目指すなど、各社が部品などの販売を狙います。
自動車大手の系列会社も参加しており、トヨタ系ではデンソーのほか、ジェイテクトと豊田通商、ホンダ系ではエフ・シー・シーが加わります。
デンソーはモーターなどの納入を探ります。
豊田通商も車載電池用リチウムの資源開発に取り組んでおり原材料や部品の販売を検討しているとみられています。
鴻海に委託すれば自前で工場を持たなくても自社ブランドのEVが販売できる
鴻海は2020年10月に開発計画を発表。企業連合を組んでEVの車体や通信基盤を共同開発します。
参加企業は鴻海が受託生産するEV向けに部品やシステムを販売し設計情報も自由に使えます。
英調査会社のLMCオートモーティブによると30年のEVの販売台数は21年比7倍の約3300万台になる見込みです。
ソニーグループがホンダと組んで参入を決めるなど異業種からの参入が相次いでいます。
鴻海に委託すれば自前で工場を持たなくても自社ブランドのEVが販売できるようになります。
ソフトの開発などに専念し生産は別の企業に任せるデジタル家電と同様の「水平分業」が広がるとみられています。
車の産業構造が変わる節目になる可能性がある
車大手は多数の部品会社を束ねて産業ピラミッドを構成しています。
EVはエンジンが不要なため部品数が4~5割減ります。
生産も容易になり車大手が部品会社を囲い込む産業ピラミッドの重要性が薄れています。
鴻海のEVの開発には米マイクロソフトや韓国サムスングループなども加わっています。
多数の企業が参加することで、車の産業構造が変わる節目になる可能性があります。
まとめ
台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業が進める電気自動車(EV)の共同開発に当初の5倍にあたる約100社の日本企業が参加することが分かりました。
共同開発には3月上旬時点で約2200社が参加する方針です。
英調査会社のLMCオートモーティブによると30年のEVの販売台数は21年比7倍の約3300万台になる見込みです。
鴻海に委託すれば自前で工場を持たなくても自社ブランドのEVが販売できるようになります。
ソフトの開発などに専念し生産は別の企業に任せるデジタル家電と同様の「水平分業」が広がるとみられています。
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