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中国がASEANを日本以上の関係に格上げ

中国がASEANを日本以上の関係に格上げ

中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は2021年11月22日、東南アジア諸国連合(ASEAN)との対話関係開始30周年を機に、オンライン形式で首脳協議を開きました。

米国との対立の長期化も視野に、地域への影響力をさらに拡大したい考えですが、関係強化の負の側面も目立ってきました。


中国がASEANを日本以上の関係に格上げ

中国がASEANを日本以上の関係に格上げ

首脳協議後に発表した共同声明で両者の外交関係の「包括的戦略パートナーシップ」への格上げを宣言しました。

ASEANと経済や科学技術など幅広い分野で協力を進める同パートナーシップを持つ国は、最初に対話の枠組みを始めたオーストラリアだけで、中国ASEAN関係は従来、米国、欧州連合(EU)、日本などと同じ「戦略的パートナーシップ」でした。

 
ASEANは日米中など主要国と対話の枠組みを構築し、毎年秋に首脳会談を開きます。

中国とASEAN首脳との協議は李克強(リー・クォーチャン)首相が担い、10月末に開催しました。

今回、習氏が出席する異例の協議を改めて開き、ASEAN重視の姿勢を鮮明にしたのです。


1億5000万回分の新型コロナウイルスワクチンを追加で無償援助

習氏は「中国は覇権主義と強権政治に断固として反対し、周辺隣国と長期的に友好的に付き合い、地域の持続的な平和をともに守る」と強調しました。

米国を念頭に置いた発言とみられています。

1億5000万回分の新型コロナウイルスワクチンを追加で無償援助する考えも表明。

ASEAN共通の疫病対策の基金に500万ドル(約6億円)を追加提供すると話しました。


米欧との溝が深まる中、ASEANとの関係を固め直す

米欧との溝が深まる中、ASEANとの関係を固め直す

習指導部にとって米欧との溝が深まる中での今回の首脳協議は経済圏づくりや安全保障の戦略上、重要なASEANとの関係を固め直す目的があります。

米中首脳は16日にオンラインで協議しましたが、台湾や人権などの問題で対立しました。

中国重視の姿勢で知られたドイツのメルケル首相の退任で、EUとの結びつきも薄れる可能性があります。


中国とASEANは近年、関係を深めてきました。

中国共産党の機関紙、人民日報によると、対ASEAN貿易額は対話開始後の30年間で85倍に拡大。日米を抜き、差を拡大しています。

中国はASEANの需要を把握し、日米よりも迅速に動いてきた面もあります。

新型コロナウイルスへの対応では、10月末時点でASEANに計3億回分のワクチンを供給しました。


最近、各国が力を入れ始めた脱炭素事業への投資も進めています。

地域最大の自動車産業の集積を誇るタイでは、中国民営自動車大手の長城汽車が23年に電気自動車(EV)の生産を始めます。

インドネシアのカリマンタン島では中国国有インフラ建設大手、中国水利水電建設集団が協力した大規模水力発電所が25年にも開業します。


南シナ海など外交問題は依然としてある

南シナ海など外交問題は依然としてある

習氏は今回の協議で、南シナ海問題をめぐり「安定を共同で守り、平和の海、友情の海、協力の海にしなければならない」と主張。共同声明では紛争防止に向けた行動規範(COC)の早期策定をうたいました。

しかし、経済的な影響力をテコに一方的な領有権主張を受け入れさせようとしているのは明らかで、東南アの各国からは反発も出ています。

フィリピンのドゥテルテ大統領は協議で南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島で中国海警局の船がフィリピン船に向かって放水銃を使ったことに「重大な懸念とともに動向を注視している」と述べました。

マレーシアのイスマイルサブリ首相は「全ての関係国は自制し挑発的とみなされる行動を避けるべきだ」とけん制しました。


一帯一路の事業では遅れもある

中国主導で進む広域経済圏構想「一帯一路」関連の事業も、計画のずさんさなどから停滞する例が少なくありません。

インドネシアでは中国の技術支援で建設している高速鉄道の開業が予定より2年以上ずれ込んでいます。

タイやマレーシアでも鉄道計画の遅れが相次いでいます。





まとめ

まとめ

首脳協議後に発表した共同声明で両者の外交関係の「包括的戦略パートナーシップ」への格上げを宣言しました。

ASEANと経済や科学技術など幅広い分野で協力を進める同パートナーシップを持つ国は、最初に対話の枠組みを始めたオーストラリアだけで、中国ASEAN関係は従来、米国、欧州連合(EU)、日本などと同じ「戦略的パートナーシップ」でした。


習指導部にとって米欧との溝が深まる中での今回の首脳協議は経済圏づくりや安全保障の戦略上、重要なASEANとの関係を固め直す目的があります。


習氏は今回の協議で、南シナ海問題をめぐり「安定を共同で守り、平和の海、友情の海、協力の海にしなければならない」と主張。共同声明では紛争防止に向けた行動規範(COC)の早期策定をうたいました。

しかし、経済的な影響力をテコに一方的な領有権主張を受け入れさせようとしているのは明らかで、東南アの各国からは反発も出ています。



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