中国で不動産会社の社債債務不履行(デフォルト)が相次いでいます。
2021年10月15日には香港上場の中国地産集団(チャイナ・プロパティーズ・グループ)が同日期日の米ドル債の元利金を支払えなかったと公表しました。
23日には中国恒大集団のドル債の利払い猶予期限が終了し、格付け会社から一部デフォルトと認定される恐れがあります。
恒大の有利子負債(利子をつけて返すべき負債)は約5718億元(9・7兆円/21年6月末時点)まで膨らんでいます。
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中国、不動産会社の正念場が続く
中国の不動産会社は、2022年1月に計62億ドル(約7000億円)のドル債償還を予定しており、資金繰りは正念場が続きます。
中国地産は2億2600万ドルのドル債がデフォルトに陥りました。
同社は「資産売却、資金の再調達が完了するまで支払いのための資金を確保できない」としています。
中国の不動産会社では、花様年控股集団(ファンタジア・ホールディングス・グループ)が10月4日にドル債を償還できず、格付け会社から「部分的なデフォルト」と認定されました。
新力控股も10月18日償還の米ドル債についてデフォルトの可能性を公表しています。
各社の資金繰りは厳しさを増しています。
銀河聯昌証券によると、中国の主要不動産会社40社(恒大集団を除く)のドル債償還の次のピークは22年1月で、償還金額は計62億ドルといいます。
恒大や新力など一部の不動産会社のドル建て債は額面に対して2割前後まで下落しており、新規発行による借り換えは難しい状況です。
中国、国内投資家を優先して救済
人民元建て債については利払いの動きもあります。
中国恒大集団傘下の恒大地産集団は10月15日、期日を19日に控えた人民元建て債の利払いを実施すると発表しました。
金額は1億2180万元(約21億円)。国内投資家を優先する姿勢が鮮明です。
中国人民銀行の動き
中国人民銀行(中央銀行)は市場の不安の抑制に動きます。
15日の記者会見で「一部の金融機関は規制に対して誤解がある」として、安定的で秩序だった形で不動産融資を続けるよう金融機関に求めたことを明らかにしました。
しかし、15日の欧米市場での反応は限られました。
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