所得控除

【所得控除とは】所得控除の詳細をわかりやすく解説

所得控除とは?所得控除の詳細をわかりやすく解説

この記事は「所得控除」について解説していきます。


所得控除については、「税金が安くなる」程度の理解に収まっている人が多いのではないでしょうか?


この記事を読めば、「所得控除の詳細」「制度の目的」「3つの控除の違い」などを知ることができます。



所得控除とは

所得控除とは

「控除」とは 「ある金額から一定の金額を差し引く」ことです。

つまり、「所得控除」とは、「所得から一定の金額を差し引く制度」のことになります。


「所得税」は所得金額にかかるため、所得控除によって所得金額を減らすことで、自身にかかる所得税を少なくすることができます。

$$(所得-所得控除)× 税率 = 税金$$


そもそも所得とは

所得とは、「収入」から「必要経費」を引いて残った金額のことです。

サラリーマンの場合、収入と必要経費は下記のようになります。

  • 収入=給料
  • 必要経費=給与所得控除


給与所得控除とは、会社などでいうところの「経費」にあたります。

サラリーマンの場合、仕事で使用しているスーツや車などが経費に計上できませんので、「給与所得控除」という形でまとめて経費処理されているのです。


給与所得控除と所得控除の違いについては後述します。

ちなみに年収とは収入と同じ意味で、給与所得控除が引かれる前の金額のことです。


所得控除は担税力を考慮した制度

所得控除は担税力を考慮した制度

担税力(たんぜいりょく)とは、課税対象となる個人や法人などが、実際に税負担を受け持つことができる能力の事です。

所得控除は、この担税力を考慮して作られた制度です。


例えば、年収が同じ人でも、家族みんなが健康な人と家族に持病を持っている人がいるのでは、生活にかかる出費額も違うため、担税力は異なります。


税制は課税の公平性を図り、個々人の抱えている事情に応じて税金を払うシステムを取っています。

所得控除は、支出負担の大きい人を救済する制度ということです。


所得控除の種類

所得控除の種類

所得控除の種類は下記のとおりです。

  1. 基礎控除
  2. 雑損控除
  3. 医療費控除
  4. 寄付金控除(ふるさと納税など)
  5. 社会保険料控除
  6. 生命保険料控除
  7. 地震保険料控除
  8. 寡夫控除
  9. 寡婦控除
  10. 勤労学生控除
  11. 小規模企業共済等掛金控除
  12. 障害者控除
  13. 配偶者控除
  14. 配偶者特別控除
  15. 扶養控除


所得控除は「年末調整」と「確定申告」で出来る

所得控除は「年末調整」と「確定申告」で出来る

サラリーマンは、会社が年末調整を行うのでその時に必要な手続きをすることで、改めて所得控除を申告する必要はありません。

しかし、医療費控除、雑損控除、寄附金控除の3つについて所得控除を受けるためには、確定申告が必要になります。


自営業者などで年末調整がない場合は、税務署や市役所で確定申告をする必要があります。


「給与所得控除」と「所得控除」と「税額控除」の違い

「給与所得控除」と「所得控除」と「税額控除」の違い

収入にかかる控除には「給与所得控除」「所得控除」「税額控除」の3つがあります。


3つの違いは収入から所得税額を求めるまでの流れを知ることで、何となくイメージを掴むことができます。

$$収入‐必要経費(給与所得控除)=所得金額$$

$$所得金額‐所得控除=課税所得金額$$

$$課税所得金額×税率=税額$$

$$税額‐税額控除=所得税額$$


上記の流れで、所得にかかる税額がわかります。


給与所得控除とは

給与所得控除とは、会社員の経費のようなもので、給与所得者に適用される控除です。


個人事業主は売上から経費を差し引くことで事業所得を算出しますが、会社に勤める従業員の所得を同じように求めようとすると、スーツや靴などの経費をひとつひとつ計算することになり、とても大変です。

そのため、給与所得者にとって経費の代わりとなるものが給与所得控除です。年収に応じて一律に計算することになっています。


令和2年以降の給与所得控除は下記のとおりです。

給与等の収入金額 給与所得控除額
1,800,000円以下 収入金額×40%-100,000円
550,000円に満たない場合には、550,000円
1,800,000円超 収入金額×30%+80,000円
3,600,000円超 収入金額×20%+440,000円
6,600,000円超 収入金額×10%+1,100,000円
8,500,000円超 1,950,000円(上限)


所得控除とは

所得控除については、この記事で説明しているとおりです。


税額控除とは

税額控除とは、課税所得金額に税率をかけて算出した所得税額から、一定の金額を控除するものです。

税額控除は、税額から直接差し引くことができるので、節税効果が大きいです。


税額控除の種類は下記のとおりです。

  1. 配当控除
  2. 外国税額控除
  3. 政党等寄附金特別控除
  4. 認定NPO法人等寄附金特別控除
  5. 公益社団法人等寄附金特別控除
  6. (特定増改築等)住宅借入金等特別控除
  7. 住宅耐震改修特別控除
  8. 住宅特定改修特別税額控除
  9. 認定住宅新築等特別税額控除
  10. 試験研究を行った場合の所得税額の特別控除
  11. 高度省エネルギー増進設備等を取得した場合の所得税額の特別控除
  12. 中小事業者が機械等を取得した場合の所得税額の特別控除
  13. 地域経済牽(けん)引事業の促進区域内において特定事業用機械等を取得した場合の所得税の特別控除
  14. 地方活力向上地域等において特定建物等を取得した場合の所得税の特別控除
  15. 地方活力向上地域等において雇用者の数が増加した場合の所得税額の特別控除
  16. 特定中小事業者が経営改善設備を取得した場合の所得税額の特別控除
  17. 特定中小事業者が特定経営力向上設備等を取得した場合の所得税額の特別控除
  18. 給与等の引上げ及び設備投資を行った場合等の所得税額の特別控除
  19. 革新的情報産業活用設備を取得した場合の所得税額の特別控除
  20. 所得税額から控除される特別控除の特例




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