はじめて証券口座を開設するとき、誰しも一度は悩むのが証券口座の種類です。
一般口座、特定口座の源泉徴収あり・なし。
いったいどんな違いがあるんだろうと、疑問に思うはずです。
この記事を読めば、証券口座の種類を理解し、不安なく口座を開設できるようになります。
証券口座の種類
証券会社や銀行で、株式などの金融商品を購入するためには証券口座を開設する必要があります。
証券口座には種類が3つあり、利用者が自由に選択できます。
種類は下記の3つです。
- 一般口座
- 特定口座(源泉徴収あり)
- 特定口座(源泉徴収なし)
一般口座とは
一般口座とは、特定口座やNISA口座で管理していない金融商品などを管理する口座のことで、損益計算も確定申告も自分で行います。
複数の口座を持っているなら、口座ごとに計算をする必要があります。
特定口座とは
特定口座とは、申告分離課税が適用になる上場株式等の譲渡益課税について、証券会社が損益の計算を行い、「特定口座年間取引報告書」を交付する制度です。
利用者の選択により、証券会社が納税し、利用者は確定申告不要とすることも可能です。この制度を利用するには、あらかじめ特定口座のお申込が必要です。
特定口座の源泉徴収あり・なし、とは
源泉徴収あり・なし、とは、株式などで利益が出たとき、利益にかかる税金を源泉徴収するか、しないかということです。
源泉徴収をしない場合は、確定申告で税金を納めることになります。
源泉徴収あり メリット・デメリット
源泉徴収ありには、メリットとデメリットがあります。それぞれわかりやすく説明していきます。
源泉徴収ありのメリット
源泉徴収ありの一番のメリットは確定申告が原則不要となることです。
取引の都度、譲渡益の場合は所得税と住民税が源泉徴収され、譲渡損失が発生した場合は譲渡益合計の範囲で還付されます。
特定口座の源泉徴収ありですので、「特定口座年間取引報告書」が発行され、特例措置等を受ける場合等に「特定口座年間取引報告書」にて簡便に確定申告が可能となります。
「源泉徴収あり」の譲渡益は、配偶者控除や扶養控除等の適用の有無を判定する際の配偶者等の合計所得金額に含めなくてもよいことになっています(確定申告をすると、合計所得金額に含まれます)。
源泉徴収ありのデメリット
源泉徴収ありのデメリットは、特例措置等(譲渡損失の繰越控除制度)を受ける場合には、利用者自身での確定申告が必要となります。
源泉徴収なし メリット・デメリット
源泉徴収なしには、メリットとデメリットがあります。それぞれわかりやすく説明していきます。
源泉徴収なしのメリット
確定申告は必要ですが、年間取引報告書が発行され、煩雑な計算作業等なく、確定申告を行えます。
複数の証券会社で取引をしている場合は、損益は自動的に通算されませんが、それぞれの証券会社で発行された「特定口座年間取引報告書」を使用することで確定申告が簡便になります。
特例措置等(譲渡損失の繰越控除制度)を受ける場合には、確定申告等により適用を受けることができます。
源泉徴収なしのデメリット
確定申告が原則必要となります。
「源泉徴収なしの特定口座」の譲渡益は、配偶者控除や扶養控除等の適用の有無を判定する際の合計所得金額に含まれます。
特定口座の「特定口座年間取引報告書」とは
特定口座では、譲渡損益を計算した「特定口座年間取引報告書」が証券会社から交付されます。
「特定口座年間取引報告書」には、特定口座内の年間の譲渡損益・配当金や、それに対する源泉徴収税額が記載されています。記載されている収入金額や譲渡損益の金額を転記することで、簡便に確定申告が可能となります。
特定口座年間取引報告書は、毎年1月中旬頃に郵送されます。
年間取引報告書は、特定口座の取引のみ記載されていて、NISA口座、一般口座の取引は記載されていません。
まとめ
証券口座の種類による違いは、「税金の納税方法」と「確定申告を行う時に便利な『特定口座年間取引報告書』が送付されてくるかどうか」です。
3種類のメリット・デメリットを比較し、新規口座開設をされる方の80%以上は、「特定口座の源泉徴収あり」を選んでいるそうです。