英政府が温暖化ガスの削減に向けた施策として、ガス料金に上乗せする環境課税の強化を検討していることが明らかになりました。
代わりに電気料金への賦課金の水準を下げ、再生可能エネルギーでつくられる電力への消費者の移行を促すねらいです。
天然ガス価格の高騰をきっかけにエネルギー全般が値上がりに直面するなか、物議を醸す可能性があります。
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電力からガスに負担の比重を移していく
英紙フィナンシャル・タイムズによると「グリーンサーチャージ」と呼ばれる、エネルギー小売料金に上乗せする環境関連の賦課金の配分を見直すという。
英国の家計は年間平均159ポンド(約2万4000円)を負担しており、10年程度かけて段階的に電力からガスに負担の比重を移していくという。
近く発表される見通しです。
理由は温暖化ガス排出量を実質ゼロ
検討の背景には、2050年までに温暖化ガス排出量を実質ゼロにする法定目標の実現には、化石燃料であるガスの消費抑制が重要だとの判断があります。
英国では二酸化炭素(CO2)排出量の約2割を住宅や事業所などの建物が占め、天然ガスが主流の暖房が主な排出源になっています。
電源構成に占める風力や太陽光といった再生エネの比率の上昇が続くなか、料金面から電化を促すねらいです。
思惑通り電力へ消費者の移行が進むかは不透明
しかし、足元ではエネルギー価格が高騰し、賦課金の比重変更が思惑通りの成果をもたらすか不透明感が出ている。
英国ではエネルギーの小売価格に上限規制があり、規制当局が市場動向に応じて半年ごとに改定している。電力・ガスの基準料金は10月1日から標準世帯の年間ベースで平均139ポンド(約12%)引き上げられました。
22年4月にはさらなる引き上げが確実視されています。
発電に使われる天然ガスの高騰は卸電力価格にも波及しており、電力の相対的な値ごろ感を演出するハードルは上がっています。
天然ガスや卸電力価格の高騰により経営破綻が相次いでいる
天然ガスや卸電力価格の高騰を受け、英国ではスポット(随時契約)市場からの仕入れ負担増に耐えられなくなったエネルギー小売企業の経営破綻が相次いでいます。
8月以降に10社が事業を停止し低炭素エネルギーの効率的な供給を掲げてきたスタートアップが多く含まれます。
再生エネ頼みのリスクも指摘され、温暖化ガスの削減と安定供給をどう両立させるかという課題に直面しています。
日本もガス料金に税金をかけることになる
温暖化ガスの削減は地球規模のテーマです。当然、日本も対応していかなくてはいけません。
他の先進国がガスの使用を抑えて電力に移行しようとするのであれば、日本にもそのように求めてくるでしょう。
そのとき、損をしたくないのであればガスを使用しない生活をすることです。
オール電化住宅が正義の時代がやってくる
オール電化住宅とは、IHクッキングヒーターやエコキュートなどの機器を導入することで調理・給湯・冷暖房などに用いるエネルギーを全て電気によってまかなうシステムを備えた住宅のことです。
オール電化住宅にはメリット・デメリットが存在しますが、ガス料金が極端に高くなることになれば、オール電化住宅が正義の時代がやってくるでしょう。
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