政府は2021年12月24日、2022年度予算案を閣議決定しました。
一般会計総額は107兆5964億円と21年度当初予算比で0・9%増え、10年連続で過去最大を更新しました。
社会保障関係費と防衛費が過去最高となったほか、新型コロナウイルスの感染再拡大に備えて5兆円の予備費を引き続き積みました。
2022年度予算案は107兆5964億円
政府は22年度予算案を巡り、20日成立した過去最大の21年度補正予算(35・9兆円)と一体で編成しました。
執行期間から「16カ月予算」と位置づけており、コロナ禍で切れ目ない財政出動を掲げます。
だが当初予算の伸びを抑える一方で、各省庁の要求の受け皿として補正予算を膨らませる手法が常態化しており、歳出膨張に歯止めがかかりません。
歳入では税収を21年度当初比で13・6%増の65兆2350億円と過去最高額を見込んでいます。
新型コロナの感染拡大が落ち着き経済活動が本格再開する前提で、法人税収などが増えるとみています。
新規国債発行額は36兆9260億円で当初ベースで2年ぶりに減少します。
歳出を借金でどのくらいまかなっているかを示す公債依存度は34・3%と21年度当初(40・9%)から下がります。
ただ21年度は補正予算編成後に46・0%に上昇しており、22年度も補正編成に伴い依存度が高まる可能性があります。
歳出は4年連続で100兆円を超えました。
コロナの感染再拡大に機動的に対応するための予備費を21年度当初と同額の5兆円としました。
新たな変異型「オミクロン型」などに備え、医療提供体制の整備などを進めます。
一般歳出は67兆3746億円
政策経費に充てる一般歳出は67兆3746億円と4723億円増えました。
増加額の9割は、年金・医療・介護など高齢化で膨らむ社会保障費(予算額は1・2%増の36兆2735億円)の伸びが占めます。
夏の概算要求の段階では社会保障費の自然増を6600億円と見込んでいました。
処方箋をもらうためだけに医療機関に通う状況を減らす狙いで、繰り返して処方箋を利用できる仕組みを導入するなどして伸びを一定程度抑えますが、それでも自然増は4千億円超になります。
防衛費は1・0%増の5兆3687億円で過去最大となりました。
安全保障環境の変化に対応し、南西諸島の防衛力を高めます。
在日米軍駐留経費の日本側負担(思いやり予算)は、日米の実質合意に基づき2056億円を計上しました。
地方交付税交付金などの一般会計からの支出は15兆8825億円です。
特別会計からの拠出金を含めた配分ベースの交付税総額は18・1兆円で、08年のリーマン危機後で最高となります。
国債の償還や利払いに充てる国債費は2・4%増の24兆3393億円で、2年連続で過去最高を更新します。
公共事業費は6兆575億円で横ばいです。
岸田文雄首相が掲げる「財政の単年度主義の弊害是正」の一環として、翌年度に実施する事業を前倒しで契約できる国庫債務負担行為の枠を2・1兆円分設けました。
文教・科学技術振興費は横ばいの5兆3901億円です。
このうち科学技術振興費は1・1%増の1兆3788億円で過去最高を更新しました。先端技術の研究開発を促します。
まとめ
2022年度予算案は107兆5964億円と前年比で0・9%増になりました。
歳入では税収を21年度当初比で13・6%増の65兆2350億円と過去最高額を見込んでいます。
新規国債発行額は36兆9260億円で当初ベースで2年ぶりに減少します。
政策経費に充てる一般歳出は67兆3746億円と4723億円増えました。
防衛費は1・0%増の5兆3687億円で過去最大となりました。
国債の償還や利払いに充てる国債費は2・4%増の24兆3393億円で、2年連続で過去最高を更新します。
公共事業費は6兆575億円で横ばいです。