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活動内容の違い
ボランティアの活動とアルバイトの活動の違いをわかりやすく解説していきます。
酷似している活動内容
ボランティア | 活動内容 | アルバイト |
アテンド・案内 | 通訳 | 国際コミュニケーション |
テクノロジー | 技術 | IT ・テクノロジー |
ヘルスケア | 救護 | メディカル |
競技 | 競技会場 | 競技会場運営 |
運営サポート | 選手村 | 選手村運営 |
運営サポート | 車両 | トランスポート |
ボランティアの活動
1 指定なし
どの活動か、あえて指定せずに応募することも可能。
2 案内
会場内等で観客や大会関係者の案内 。また、競技会場以外にも空港やホテルでも大会関係者の案内。
3 競技
競技会場や練習会場内で競技運営等のサポート 。 必要な備品の管理を手伝うまたは、競技会場内で競技の運営 。
4 移動サポート(運転など)
大会関係者が会場間を移動する際に車を運転 。
5 アテンド
海外要人や選手が快適に生活を送るように通訳。 競技を終えた選手がメディアからインタビューを受ける際に、外国語でのコミュニケーションサポート 。
6 運営サポート
競技会場、選手村、車両運行等の様々な運営サポートを行う。
配付施設でのスタッフ(ボランティア等)のユニフォーム配付や、大会関係者が保有するIDの発行、スタッフが日々の活動を開始する際の「チェックイン」受付等。
7 ヘルスケア
選手にけが人が出た場合、医務室への搬送サポートを行う。 ドーピング検査のサポートは、対象選手への告知、検査室への誘導や受付。
8 テクノロジー
大会関係者等に向けて、通信機器等の貸出しや回収等のサポート。 競技会場内の競技が行われている場所で、競技結果の入力や表示。
9 メディア
国内外のメディアが円滑に取材できるよう、様々なサポート。 記者会見をスムーズに行うための準備、 大会を記録するための記録用写真、動画の編集サポートや選手村の新聞制作のサポート。
10 式典
各競技の表彰式において、選手や大会関係者の案内を行います。また、メダル・記念品の運搬等を含めた表彰式運営のサポート。
アルバイトの活動
1 競技会場運営
安心で安全な競技運営を行うために、様々なステークホルダーとの調整。
2 選手村運営
観客・関係者輸送サポート、車両・ドライバー管理。選手村で、施設管理、ゲストパス管理、サービス(食事/清掃等)提供、輸送など。
3 トランスポート
大会関係者や観客が円滑に移動できるよう、輸送に関する管理・運営。
4 国際コミュニケーション
英語を活かして訪日関係者との調整役を担う。
5 メディカル
競技会場等で、アスリートや観客等へ医療サービスを行う医師のサポート。
6 IT・テクノロジー
大会運営を支えるIT・テクノロジー機器の運用を担う。
7 会場・施設管理
施工業者とともに、会場の案内板やデザイン装飾の設置・維持管理・撤去まで指示管理。
8 バックオフィス
会場・拠点での業務サポートや、本部での経費処理など事務業務を担う。
活動実態
ボランティア
希望する活動内容・活動場所を元にマッチングされる
アルバイト
勤務形態はシフト制。2~6月は1日7時間45分勤務で、土日祝日は基本的に休み。五輪期間中は大会運営に合わせるため変則的なシフトになり、夜勤もあり得る。
報酬・福利厚生の違い
ボランティア
- 交通費の1000円
アルバイト
- 時給1600円以上
- 社会保険
- 雇用保険
- ベビーシッターサービス
- 家事代行
- 定期健康診断
人数の違い
ボランティアの人員
組織委員会は、8万人を目標にボランティアを募集し、2019年1月時点で20万4680人の応募者があったと伝えている。
アルバイトの人員
時給1600円以上の有償を受けるアルバイトは2000人の募集をする
募集要件の違い
無償ボランティアの募集要件
今回募集しているボランティアは「資格要件を要せず(移動サポートを除く)、任意かつ無償で参加いただくことを前提に8万人とという人員規模で幅広く募集し、オリエンテーション・研修などを経て希望する活動内容・活動場所を元にマッチングされ、大会時あるいは大会直前期に活動する」という。
アルバイト時給1600円の募集要件
今回募集しているアルバイトは「即戦力として高い専門性を発揮し、職務を遂行することを前提に、必要な時期に必要な人員を直接募集採用し、または派遣会社の選考を経て派遣」するとしている。
募集要件について組織委員会の発言
組織委員会は。アルバイト・ボランティアの違いは「役割や活動にたいする責任の有無なと、スタッフとしての性質が大きく異なり、代替の関係にない」とハッキリと回答した。
まとめ
- 業務内容は酷似し、客観的にみて区別はできない。
- 「ボランティア」と「アルバイト」の活動に対する責任の違いがはっきりしない。
- ボランティアは「日数も時間もある程度自由」が利くが、アルバイトは「勤務条件で働く労務」
- ボランティアの研修は大会までに2~3回。アルバイトは2~9月までにしっかりと研修。
- アルバイトは、「組織委員会」と「数回しか研修をできないボランティア」とのパイプになるのか?
- ボランティアは自由意志。アルバイトよりもドタキャン率は高い。