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2024年6月から固定型の住宅ローン金利が引き上げ

2024年6月から固定型の住宅ローン金利が引き上げ

大手銀行やネット銀行は2024年6月から、固定型の住宅ローン金利を引き上げることを決めました。

3メガバンクの10年固定型の基準金利の単純平均は0.08%上昇の3.89%と2011年以来13年ぶりの水準となり、優遇後の金利でも1.5%になります。


足元の長期金利の上昇を反映するためで、これから固定型を借り入れる消費者にとっては支払い負担が増えることになります。

しかし、金利が上がることによるメリットもあります


詳しく解説していきます。


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2024年6月から固定型の住宅ローン金利が引き上げ

2024年6月から固定型の住宅ローン金利が引き上げ

金利の上昇は、メガバンクの10年固定型の優遇適用前の基準金利でみると、2011年5月の4%以来の水準です。

最優遇金利は三菱UFJ銀行が0.14%高い1.2%、三井住友信託銀行は0.1%高い1.445%となりました。

三井住友、みずほ、りそなの各銀行はそれぞれ0.05%引き上げて1.75%、1.55%、1.83%です。


住宅ローンには固定型のほか、短期金利に連動する変動型などがありますが、大手行は変動型の基準金利は2.475%で変化はありません。


住宅ローン金利は日銀の超低金利政策の影響で抑えられていた

住宅ローン金利は日銀の超低金利政策の影響で抑えられていた

住宅ローン金利は日銀の超低金利政策の影響で、低金利が続いてきました。

支払い総額が抑えられるため、住宅購入の際に住宅ローンを利用する消費者は少なくありません。

日銀によると、直近の2024年1~3月期の国内銀行の住宅資金の融資実行額は4兆6388億円と高水準になっています。

国内銀行の融資残高も3月末時点で約147兆円と、増加傾向です。


長期金利の上昇の影響で住宅ローン金利が上昇

長期金利の上昇の影響で住宅ローン金利が上昇

ここにきて固定型の住宅ローン金利が上昇しているのは、各行が金利を決める際のベンチマークとする長期金利の上昇が原因です。

長期金利は30日に一時1.1%をつけるなど、およそ13年ぶりの水準で推移しています。

今後も高水準が続けば、7月以降もさらに住宅ローン金利が上がる可能性があります。


変動型の住宅ローン金利も上昇

変動型の住宅ローン金利も上昇

変動型でも住信SBIネット銀行とイオン銀行が3月のマイナス金利解除後に、基準金利を先行して引き上げたほか、楽天銀行も基準金利を6月から1.333%と、0.02%高くなっています。


変動型は大半の銀行が短期プライムレートをベンチマークとしており、今後の焦点は日銀の追加利上げです。

将来、日銀が追加利上げに踏み切れば短期プライムレートが引き上げられそうです。


住宅ローン金利上昇の影響で、各銀行が独自の戦略

住宅ローン金利上昇の影響で、各銀行が独自の戦略

住宅ローン金利上昇の影響で、今後消費者の借り入れ意欲が鈍り、銀行の新規貸出額にも影響がでそうです。

これに対する銀行の戦略は分かれており、ネット銀行や異業種系の銀行は優良な新規顧客には金利を優遇し、囲い込む戦略をとっています。


住信SBIネット銀は2023年11月に、変動金利での新規借入時に頭金が住宅価格の2割以上の場合、金利を引き下げる仕組みを導入しています。

PayPay銀行やイオン銀行も頭金に応じて金利水準を変える枠組みを取り入れています。

頭金の割合が高い顧客は総支払い額が少なくなり、その分延滞や貸し倒れに陥るリスクも低い傾向にあるためです。


また、資産価値の高いマンションのローン金利を下げるケースも有ります。

多くの銀行は住宅ローン実行額の2%程度を手数料として徴収しており、ローン金利自体が低くても、一定の手数料収入を確保できるからです。


固定金利上昇でも変動型の人気は根強い

固定金利上昇でも変動型の人気は根強い

住宅ローン金利の上昇の消費者行動への影響は限定的です。

変動型の人気は根強く、今回の固定金利上昇でもその傾向は今のところ変わっていません。

固定型と変動型の金利差は拡大しており、元本3500万円の場合で支払い額に月々2万円程度の差が出ます。


住宅ローンの契約者の7割が変動型を選んでいますが、今後はどうなるか分かりません。


変動金利を選んだ場合、金利が大幅に上昇すれば家計破綻

変動金利を選んだ場合、金利が大幅に上昇すれば家計破綻

都内を中心にマンション価格の高騰が続いています。

将来的な返済額を考え、生活にゆとりがなければ金利差があっても固定金利を選ぶ選択をする人は増えそうです。

変動金利を選んだ場合、金利が大幅に上昇すれば、支払い額が膨らみ家計が破綻するリスクがあるためです。

将来の金利変動の可能性を見据えた家計のリスク管理が重要になります。


金利上昇にもメリットはある

金利上昇にもメリットはある

金利が上昇することは家計にとってマイナス面ばかりではありません。

日本総合研究所によると、市場金利が5年かけて2%上昇した場合、定期預金や普通預金の金利上昇で家計の利息収入は年間8.7兆円増えます。

住宅ローンなどの利払い負担の増加(年間4.4兆円)を上回り、4.3兆円の受け取る金額の方が多くなります。


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