米国株式の信用取引が7月から解禁されます。
日本証券業協会が解禁に向けて検討を重ね、このほど取引に必要なルールを整備しました。
信用取引が可能な米国株は約1300の大型銘柄になります。
若年層を中心に米国株への投資意欲が高まっており、信用取引を解禁することになりました。
米国株式の信用取引が2022年7月に解禁
外国上場株式の信用取引は法令上禁止されていませんが、投資家保護や取引手順などのルールが整備されておらず、証券会社は取り扱ってきませんでした。
米国の大型IT株など外国株を売買する個人投資家が増え、投資機会の多様化を進める狙いで日証協と金融庁が信用取引に関するルールをそれぞれ改正。
7月から米国株の信用取引を解禁することを決めました。
取引できる銘柄は約1300の大型株に限定
為替変動や流動性のリスクがあるため、対象銘柄はS&P500種株価指数やダウ工業株30種平均などの構成銘柄のほか、時価総額50億ドル以上などの条件を満たす約1300の大型株に限定されます。
サービスを提供する証券各社は対象銘柄の中から取り扱う銘柄を選ぶことになります。
信用取引に必要な保証金率は取引する株式時価の50%
取引にあたり、顧客は専用の口座を開設することになります。
信用取引に必要な保証金率は取引する株式時価の50%とし、追加の担保差し入れ(追い証)の発生基準となる保証金維持率は30%となりました。
日本株の保証金率は30%、追い証は20%で、国内株と比べて基準を引き上げました。
米国株は1株単位で購入できる
米国株は1株単位で購入できますが、アマゾン株などは1株30万円以上の元手が必要になります。
信用取引を活用すれば自己資金以上の取引ができます。
自分が保有していない銘柄を売って、値下がりした段階で買い戻す投資手法も可能になります。
SBI証券と楽天証券、マネックス証券は7月からサービスを提供します。
auカブコム証券は2022年冬に開始予定です。
米国株は「ストップ高」や「ストップ安」という仕組みがない
信用取引は自己資金以上の取引をするため、見通しが外れた際に発生する損失が大きく膨らむリスクがあります。
米国株は大きく値が動いた個別銘柄の取引を停止する「ストップ高」や「ストップ安」という仕組みがありません。
信用取引で買った銘柄の株価が急落すれば、損失が急拡大しかねません。
まとめ
外国上場株式の信用取引は法令上禁止されていませんが、投資家保護や取引手順などのルールが整備されておらず、証券会社は取り扱ってきませんでした。
7月から米国株の信用取引が解禁されます。
為替変動や流動性のリスクがあるため、対象銘柄はS&P500種株価指数やダウ工業株30種平均などの構成銘柄のほか、時価総額50億ドル以上などの条件を満たす約1300の大型株に限定されます。
信用取引は自己資金以上の取引をするため、見通しが外れた際に発生する損失が大きく膨らむリスクがあります。
大手証券からは「慎重に検討したい」との声が上がっています。
主要国で大規模な金融緩和が縮小し、米大型株に資金が一方的に流入する局面は転換点を迎えつつあります。
仕組みを十分に周知し、投資家がリスク許容度に応じた運用を続けられるかが定着のカギを握ります。
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