財務省が2022年10月20日発表した2022年度上期(4~9月)の貿易統計速報によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は11兆74億円の赤字でした。
資源高と円安が響き、赤字額は比較可能な1979年度以降の半期で最大になりました。
これまで最大だった2013年度下期の8兆7600億円の赤字を超えました。
9月単月の貿易収支は2兆939億円の赤字でした。
9月として最大の赤字額となりました。
原油やLNGなどの値上がりと円安が響きました。
輸入額は60兆5837億円
22年度上期の輸入額は60兆5837億円で、前年同期比で44.5%増えました。
中東からの原油のほか、オーストラリアの液化天然ガス(LNG)や石炭などの輸入額が国際価格の上昇と円安によって膨らみました。
原油やLNGといった鉱物性燃料の輸入額は2.2倍の17兆7145億円となり、全体の3割近くを占めます。
原油の輸入単価は1キロリットルあたり9万3106円と前年同期比で91.8%上昇。
ドル建て価格の上昇率は59.1%で、円安が単価上昇に拍車をかけました。
輸出額は49兆5762億円
輸出額は19.6%増の49兆5762億円でした。
米国向けの自動車やアジア向けの鉄鋼などが増えました。
輸出入とも半期で最高額となりましたが、輸入の増加に比べて輸出は勢いを欠いています。
輸出の荷動きを示す数量指数(15年=100)は対世界全体で前年同期比で1.5%減少。
低下は新型コロナウイルスの感染拡大が本格化した20年度上期以来となります。
中国向けの輸出は13.8%減
感染対策のための都市封鎖や不動産不況で経済が減速した中国向けは13.8%の大きな落ち込みとなりました。
世界からの輸入数量指数もわずかに下がり、2年ぶりの低下となりました。
ロシア向けの輸出は46.9%減
ウクライナに侵攻したロシア向けの輸出は前年同期比で46.9%減の2323億円でした。
電子部品や通信機などの電気機器は経済制裁の影響でほぼゼロ。
輸入は36.0%増の9822億円でした。
LNGの単価上昇が押し上げました。
まとめ
財務省が2022年10月20日発表した2022年度上期(4~9月)の貿易統計速報によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は11兆74億円の赤字でした。
資源高と円安が響き、赤字額は比較可能な1979年度以降の半期で最大になりました。
22年度上期の輸入額は60兆5837億円で、前年同期比で44.5%増えました。
輸出額は19.6%増の49兆5762億円でした。