韓国の現代自動車は2022年2月8日、日本で電気自動車(EV)と燃料電池車(FCV)の販売を始めると発表しました。
カーシェアリングで体験してもらい、ネット販売で購入してもらう新たな販売モデルで再上陸します。
中国、米国に次ぐ世界3位の自動車市場である日本でブランド力を高め、電動車の世界販売拡大につなげます。
同社は2009年12月に日本での乗用車販売から撤退、約12年ぶりの再進出となります。
エンジン車は販売せず、電動車の展開に絞る戦略を取ります。
韓国の現代自動車が日本で電気自動車を販売
現代自が8日に開いた記者会見で、張在勲(チャン・ジェフン)最高経営責任者(CEO)はビデオメッセージで「日本市場は多くのことを学ぶべき場所であり、挑戦すべき場所だ」とコメントしました。
今回、日本市場で発売するのは多目的スポーツ車(SUV)のEV「アイオニック5」とFCV「ネッソ」の2車種です。
韓国・蔚山(ウルサン)の工場で生産した車を輸出することになります。
現代自動車が日本で販売する電気自動車の価格
価格はアイオニック5が479万~589万円、ネッソが776万円です。
補助金の対象になればアイオニック5は400万円台前半から購入できることになります。
5月より受注を始め、納車は7月を見込んでいます。
ディーラー網を持たず、新たな販売方式で顧客開拓に挑みます。
ディー・エヌ・エー系のカーシェアサービス「Anyca(エニカ)」と協業。購入前に乗り心地などを体験してもらった上で購入につなげたい考えです。
購入の際の契約手続きはすべてオンライン上で実施
購入の際の契約手続きはすべてオンライン上で実施します。
対面での購入相談を希望する消費者向けに、今夏に横浜市内に直営拠点を開きます。
同拠点では商品の展示や整備、納車などのサービスを担い、23年以降、主要都市にも広げる計画です。
東海東京調査センターは「米テスラのオンライン販売で、消費者の意識も変わりつつある。若年層や環境意識が高い層の購入意欲を引き出せる可能性がある」と指摘しています。
現代自動車が日本で電気自動車を販売する理由
現代自動車の張在勲(チャン・ジェフン)CEOは、日本の自動車市場に再挑戦する理由を下記のように話しています。
「電動化という転換期に、車の購入方法や利用方法などすべてが変わる。この100年ぶりの機会を迎え、日本で『共有』と『所有』を行き来できるプラットフォームをつくる。所有者は乗らない日にマイカーを貸し出し、車を持たない人は必要なときに借りる。所有コストだけでなく、社会全体のコストも下げられる」
「日本に販売網を持たない我々だからできる新たな試みだ。自動車市場が電動化していく今、カーシェアとネット販売を組み合わせる新手法を試したい。試行錯誤で精度を高めて世界に広げていきたい」
現代自動車とはどのような会社なのか
現代自動車の世界販売台数は現代自動車単独では2017年の時点で年間450万台で、ホンダと同規模を誇るります。
またグループでの販売台数は817万台で、GMグループを抜いて世界第5位です。
現代自動車が蔚山で稼働させている世界最大の総合自動車製造工場は、年間160万台の生産能力を持っています。
日本のEV販売台数は2021年で新車販売の1%
日本でのEV販売台数は21年で約2万台と、新車販売の1%に満たず潜在的な成長市場といえます。
日産自動車は3月から500万円台のSUV「アリア」の一般モデルを販売するほか、トヨタ自動車やSUBARU(スバル)もSUVの販売を予定しています。
テスラは21年に主力車種「モデル3」を値下げし、現在は400万円台後半からの価格で販売しています。
中国勢では、大手自動車メーカーの中国第一汽車集団が21年12月に大阪市内に日本初の販売店を開きました。
同社は22年夏にSUVのEVを投入する計画。22年中に東京都内でも店舗を設けるなど競争が激しくなってきています。
まとめ
韓国の現代自動車は日本で電気自動車(EV)と燃料電池車(FCV)の販売を始めることを決めました。
日本市場で発売するのは多目的スポーツ車(SUV)のEV「アイオニック5」とFCV「ネッソ」の2車種です。
価格はアイオニック5が479万~589万円、ネッソが776万円です。
補助金の対象になればアイオニック5は400万円台前半から購入できることになります。
日本でのEV販売台数は21年で約2万台と、新車販売の1%に満たず潜在的な成長市場といえます。
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