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企業が従業員に株式で報酬を渡す制度が広がっている

企業が従業員に株式で報酬を渡す制度が広がっている

企業が従業員に株式で報酬を渡す制度が広がっています。

譲渡制限付き株式報酬など主な制度の導入数は2022年8月時点で777社と、過去10年で3倍弱に膨らみました。

自社の株価と報酬を結びつけ、株主目線の経営を意識しつつ、企業価値向上に向けた従業員の「やる気」を引き出します。

高い流動性を求める東京証券取引所の市場再編に対応する狙いもあり、当面、増加傾向が続きそうです。


株式報酬は株高の恩恵を従業員も享受でき、やる気を引き出しやすい

株式報酬は株高の恩恵を従業員も享受でき、やる気を引き出しやすい

野村証券の調査によると、リストリクテッド・ストック(RS)と呼ばれる譲渡制限付き株式報酬、株式給付信託、ストックオプション(株式購入権=SO)を含めた従業員向けの株式報酬制度を導入した企業は、8月10日時点で777社で、21年末の740社から増加しました。


株式報酬は株高の恩恵を従業員も享受でき、やる気を引き出しやすいです。

従業員が株式を持つことで株主の意識も理解しやすくなり、株主目線での企業価値向上に向けてプラスです。

現金による基本報酬や賞与に上乗せして支給するため、社員のやる気やスキルアップなど「人的資本」への投資という観点からも導入が進みます。


主流は譲渡制限付き株式報酬

主流は、あらかじめ従業員に現物株を割り当て3~5年後に売却できる譲渡制限付き株式報酬です。

従業員持ち株会向けも含めた導入数は350社を超え、16年の制度導入から急速に普及しました。

一定の業績目標を達成したことを売却の条件とするなど、長期的な目線で株価上昇を促す効果があるとされています。


今年は丸井グループが従業員への導入を決め、「人的資本投資と位置づけて経営参画意識を醸成し、株価向上による経済的な利益享受でともに豊かさを実現する」考えです。

オムロンも従業員持ち株会向けで導入。20年にはユニ・チャームが「5年後を見据えた企業価値にワンチームで取り組むため」として導入しています。


譲渡制限付株式(RS) - SMBC日興証券

譲渡制限付株式(Restricted Stock、RS)とは、一定期間の譲渡(売却)が制限された株式のことで、欧米では、株式報酬スキームの一つとして普及しています。



株式給付信託を導入する企業も多い

株式給付信託は322社が導入しました。

株価や業績に基づいてポイントを毎年与え、獲得数に応じて自社株を交付します。

導入や運営を引き受ける信託銀行に手数料を支払うが、株式を直接交付するRSと比べ会社の事務負担が軽くなります。

良品計画は「従業員一人一人の高いレベルでのコミットメントとチャレンジが必要で、実行する従業員に報いる」として導入を決めました。

Zホールディングスは8月、「優秀な人材のつなぎ留めに寄与する」として導入を発表しました。


株式給付信託 - みずほ信託銀行

株式給付信託(BBT:Board Benefit Trust)は、会社が拠出する金銭を原資に信託銀行が自社株式を取得し、役員に対する報酬として自社株式を給付する仕組みです。



東証の市場再編に伴う上場基準の厳格化も影響している

東証の市場再編に伴う上場基準の厳格化も影響している

東証の市場再編に伴う上場基準の厳格化で資本政策を見直そうとする企業が増えていることも、株式給付信託の導入を後押ししています。

最上位のプライム市場では流通株式比率を35%以上とする必要があります。

株式給付信託を使うと従業員に交付される株式は流通株と算出され同比率が高まります。


東証再編を契機に進む政策保有株主や大株主の株式売却の受け皿として、株式給付信託の注目度は高いです。

みずほ信託銀行の企業戦略開発部次長は「4~7月の相談件数は前年の約5倍」と話しています。

ただ従業員を安定株主とせず経営の緊張感を維持するため、従業員が自由に議決権を行使できるよう設計するなどの工夫も求められそうです。



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