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108万円だった軽自動車の平均価格は10年で157万円!

108万円だった軽自動車の平均価格は10年で157万円!

軽自動車の価格上昇が止まりません。

政府統計によると過去10年で平均価格は5割近く上昇しました。

軽にも高機能の安全装備が付加されるようになったうえ、激しい販売競争を繰り広げた2強のダイハツ工業とスズキが採算重視に転じたことも背景にあります。

この間の所得の伸びを大きく上回り、「庶民の足」が家計に与える負担は増しています。


軽自動車とは

軽自動車とは

現在の軽自動車の規格は、排気量660cc以下、長さ3.4m以下幅1.48m以下、高さ2.0m以下の三輪および四輪自動車です。

軽自動車は規格の改正および拡大を繰り返し、平成10年に現在の規格になりました。


108万円だった軽自動車の平均価格は10年で157万円

108万円だった軽自動車の平均価格は10年で157万円

政府は2035年に軽を含むすべての新車を電動化する目標を示しています。

電池やモーターのコストが加わって価格はさらに上昇する見通しで、国内の自動車市場の4割を占める軽の販売にブレーキがかかる可能性があります。


総務省の小売物価統計調査によると、11年に108万円だった軽の平均価格は21年8月には157万円に上昇しました。

普通乗用車は同期間に19・8%の上昇と値上がりは緩やかです。

結果として軽の割安感は薄まってきています。


原因は安全性能などの機能向上

原因は安全性能などの機能向上

価格が上昇した背景には、軽自動車の安全性能などの機能向上があります。

高齢ドライバーによる事故が増え、車を購入する際の決め手の一つが安全性能の高さになってきています。


ホンダの人気軽「N―BOX」は17年から安全運転支援システム「ホンダセンシング」を軽自動車として初めて採用しました。

前方の車両や歩行者を感知したり、車線からはみ出さないようにしたりする機能で、カメラやセンサー、処理に使う車載コンピューターがコスト増の要因になっています。

11年の時点では124万~178万円だった価格は、現在は142万~202万円まで上昇しました。


安全機能を付けることで、直接関係しない素材もコスト増になることがあります。

大手ガラスメーカー幹部は「近年では軽でもカメラを取り付ける加工をしたガラスが一般的になり、その分価格は上がっている」と話します。

10年ほど前には軽自動車メーカーからそうしたガラスの注文はほとんどなかったそうです。


一般労働者の賃金上昇は10年で3・7%

一般労働者の賃金上昇は10年で3・7%

厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、一般労働者の20年の平均月例賃金は30万7700円と11年比で3・7%の上昇にとどまっています。

11年に月例賃金の3・6カ月分だった軽の価格は20年には5カ月分まで上昇し、負担感は増しています。


ダイハツとスズキの低価格競争が終わった

ダイハツとスズキの低価格競争が終わった

値上がりの背景には、軽2大メーカーのダイハツとスズキのシェア競争、いわゆる「SD戦争」が10年代半ば以降に一服したこともあります。

両社は軽自動車市場の6~7割を二分しています。

2社はかつて「低燃費、低価格」を軸に激しい販売競争を繰り広げていました。


例えば11年にダイハツが1リットルあたり30キロメートル走る「ミライース」を79万円で発売すると、スズキはすぐ「アルト エコ」で対抗。

シェアを大きく見せるため系列販売店が新車を引き取る「自社登録」も横行していました。


ただ今では、燃費や価格からメーカーの収益性向上にもつながる居住性や安全機能などに競争軸が移ってきています。

スズキが2021年9月10日に発売する新型軽「ワゴンRスマイル」では、乗り降りのしやすさで人気のスライドドアをワゴンRシリーズとして初めて採用するなど、機能面を充実させています。


EV化すると100万円以上のコスト増

EV化すると100万円以上のコスト増

メーカー各社は性能向上に伴って価格を引き上げてきました。

ただ脱炭素に必要なハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)の開発でこれ以上の価格上昇が進めば、需要への影響が大きいと見られています。

補助金を差し引いた負担が200万円を切るくらいでないと、受け入れてもらえない可能性があります。

一般に軽自動車をEV化するとバッテリーやインバーターなどで100万円以上のコスト増になるとされています。


軽自動車の販売台数は減少傾向

軽自動車の販売台数は減少傾向

軽自動車は新車販売の4割程度を占め、上位2社をホンダと日産自動車・三菱自動車連合が追う市場です。

販売は14年の227万台をピークに減少傾向にあり、20年は14年より2割以上少ない171万台まで落ち込んでいます。

少子高齢化による自動車市場全体の縮小や、15年の軽自動車税の増額などが主因とされていますが、割高になった軽自動車の新車購入を諦め、中古車などを選択している可能性もあります。


公共交通機関が手薄な地方などでは生活を支えるインフラとしての側面を持ちますが、優遇のあり方については議論の的になってきました。


15年には軽自動車税が引き上げられた一方、19年には一般の自動車にかかる自動車税が大幅に引き下げられました。

性能面でも経済的な負担でもその差が縮まるなかで、メーカー各社は軽自動車の位置づけを探る時期に来ているのかもしれません。


まとめ

まとめ

総務省の小売物価統計調査によると、11年に108万円だった軽の平均価格は21年8月には157万円に上昇しました。

価格が上昇した背景には、軽自動車の安全性能などの機能向上があります。

高齢ドライバーによる事故が増え、車を購入する際の決め手の一つが安全性能の高さになってきています。


厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、一般労働者の20年の平均月例賃金は30万7700円と11年比で3・7%の上昇にとどまっています。

11年に月例賃金の3・6カ月分だった軽の価格は20年には5カ月分まで上昇し、負担感は増しています。



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