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未成年による投げ銭のトラブルが急増!親のカードで計700万円

未成年による投げ銭のトラブルが急増!親のカードで計700万円

SNSやライブ配信アプリで視聴者が配信者に送金する「投げ銭」を巡るトラブルで、未成年者の利用に関する相談が4割を占めていることが分かりました。

親のクレジットカードを無断で使った送金が目立ち、使用が700万円にのぼったケースもあります。

個人がコンテンツを配信し収益を上げる「クリエーターエコノミー」が拡大する中、トラブル防止が求められます。


投げ銭トラブルの43%は未成年の利用

投げ銭トラブルの43%は未成年の利用

投げ銭は「ライバー」と呼ばれる気に入ったライブ配信者らに任意で金銭などを送る機能です。

配信者の応援のほか、画面上で自分の投稿(コメント)を強調できる効果もあります。

送金にはクレジットカードのほか、コンビニ店などで購入するプリペイド式カードも利用できます。


日本経済新聞が47都道府県の消費生活センターに聞き取り調査を行ったところ、2021年1月から11月中旬までに投げ銭に関する利用者側からの相談は少なくとも127件あり、うち55件(43%)は未成年の利用を巡る内容でした。

東京都消費生活総合センターへの相談は19年には2件ですが、21年はすでに15件を数えます。


女子高生が親のカードで計700万円を使った

ある相談事例では、女性のクレジットカードに2日間で約40万円の記憶にない利用履歴が残っていました。

小学生の娘が全額をライブ配信への投げ銭に使ったと説明。

パソコンは家族共用で娘は親のアカウントなどのパスワードを覚えており、カード情報はパソコンに記憶され利用できる状況でした。

女子高生が親のカードで計700万円を使った例もありました。


10代の視聴経験は、男性で72%、女性で68%

10代の視聴経験は、男性で72%、女性で68%

新型コロナウイルス禍で活動の場を失ったアーティストらがオンラインで配信するケースが増え、視聴者の裾野が広がりました。

調査会社テスティー(東京・渋谷)の20年11月の調査では「ライブ配信アプリを利用したことがある」と答えた10代は男性で72%、女性で68%にのぼりました。


筑波大の辻泰明教授(映像メディア論)は「若い世代は友人の延長線上のような感覚でライブ配信者とやり取りしている」と指摘。日本にはアイドルの「推し文化」があり、投げ銭にも「抵抗感が小さいのではないか」と話しています。


未成年者が送金した場合でも、返金されない可能性がある

未成年者が送金した場合でも、返金されない可能性がある

「やめると約束したのに、また子どもが投げ銭をしていた」。相談事例からは、こうした親が対応に苦慮する姿が浮かびます。


未成年者が送金した場合、民法の「契約取り消し」の規定が適用され、返金される場合もあります。

しかし、国民生活センターによると、子どもが親のアカウントを使うなど成人と偽って投げ銭した場合は適用されない可能性が高いと話します。


総務省の担当者は「問題が生じている認識はある。業界は真摯に向き合ってほしい」と話します。

消費者庁も、22年4月から成人年齢が18歳に引き下げられることもあり、LINEやツイッターで「投げ銭の高額課金が増えています」と注意喚起しています。


ライブ配信を含む動画配信市場は今後も成長する

ライブ配信を含む動画配信市場は今後も成長する

ライブ配信を含む動画配信市場は今後も成長する見込みです。

デジタルコンテンツ協会(東京・千代田)によると、市場規模は20年の3710億円から25年には5020億円に拡大すると推計しています。


海外でも投げ銭機能の利用者は広がり、世界のクリエーターエコノミーの市場規模は約12兆円に達するという試算もあります。

米国では20年、10代の少年が親のカードで約200万円を投げ銭などに使った事例がネットメディアで報じられました。


子どもの高額課金が問題となったソーシャルゲームの「ガチャ」を巡っては、交流ゲーム運営6社が連絡協議会を立ち上げ、アイテムの当選確率の明示や未成年者への利用制限などを盛り込んだ指針を策定。

消費者庁は射幸性の高い「コンプリートガチャ(コンプガチャ)」を景品表示法違反と認定、各社が廃止しました。


辻教授は「コロナ禍でライブ配信市場が急拡大し、問題点が鮮明になった。健全な発展のためにもルールを整備すべきときに来ている」と指摘。運営者らについて、「トラブルを放置すれば、投げ銭自体が悪いこととされかねない。早急な対応が必要だ」と訴えています。


まとめ

まとめ

SNSやライブ配信アプリで視聴者が配信者に送金する「投げ銭」を巡るトラブルで、未成年者の利用に関する相談が4割を占めていることが分かりました。

親のクレジットカードを無断で使った送金が目立ち、使用が700万円にのぼったケースもあります。

調査会社テスティー(東京・渋谷)の20年11月の調査では「ライブ配信アプリを利用したことがある」と答えた10代は男性で72%、女性で68%にのぼりました。


未成年者が送金した場合、民法の「契約取り消し」の規定が適用され、返金される場合もあります。

しかし、国民生活センターによると、子どもが親のアカウントを使うなど成人と偽って投げ銭した場合は適用されない可能性が高いと話します。



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