借金整理の方法は、主に下記の4つの方法があります。
- 任意整理
- 特定調停
- 個人再生
- 自己破産
整理方法を検討する際に考えるポイントはいくつかありますが、上記はデメリットの小さい順番ともいえますので、この順番で債務整理を検討することをおすすめします。
任意整理とは
任意整理は、裁判所を介さず、直接各金融業者と交渉して、将来利息や延滞損害金(滞納してしまった際の損害金)などを免除してもらい、毎月の支払額も減額してもらって、分割和解(一般的には残債務額を36回払い、または60回払いで分割を組むことが多い)を組む手続きのことをいいます。
将来利息とは、今後の支払にかかる利息のことです。
借入に対して通常どおりに返済をする場合、「借金の元本」に加えて「契約で定められた利息」を支払うことになります。
任意整理の場合は、原則としてこの利息の支払が免除されますので、返済した金額がすべて元本に充てられます。
そのため、金融業者に支払う返済額はかなり少なくなります。
また、利息を支払っていると、払っても払ってもなかなか元本が減らない感覚に陥ることになりますが、利息の支払を免除してもらうことで、支払えば支払う分だけ借金が減っていくとになり、債務者としても返済への意欲が湧きます。
ただ、債務者が自ら金融業者と交渉をしても、通常は将来利息免除などの条件を受け入れてもらえないので、任意整理をする場合は、基本的には弁護士に依頼したほうがよいです。
特定調停とは
特定調停は、裁判所で調停委員を介して各金融業者と交渉し、債務の減額や毎月の弁済額の減額、利息の免除などの条件で和解を組む手続きのことをいいます。
簡易裁判所で行われ、「調停委員」という借金問題の仲裁の専門家と、裁判官で構成される「調停委員会」が、債務者と債権者(消費者金融など)の間で橋渡しをしてくれることになります。
特定調停は、裁判所で調停委員が間に入った状態で交渉が進むので、弁護士には依頼せずに債務者が自身で行うのが一般的です。
個人再生とは
個人再生は、裁判所を介して、すべての債務のうち一部を免除してもらい、残りの債務を3年(5年間まで返済期間を延ばせる場合もある)かけて分割で弁済する手続きのことをいいます。
この手続きによって、債務を大幅に減額でき、多くの方は5分の1程度になります。
債務の圧縮については下記のとおりです。
債務額 | 圧縮後 |
100万円未満 | 減額なし |
100万円以上500万円以下 | 100万円 |
500万を超え1,500万円以下 | 5分の1 |
1,500万円を超え3,000万円以下 | 300万円 |
3,000万円を超え5,000万円以下 | 10分の1 |
※債務額に住宅ローンは含みません。住宅ローンはそのまま支払う必要があります。
※保有資産がある場合には、上記とその清算価値(保有資産の価値)の総額と比べて多い方が弁済額となります。
個人再生は、裁判所を通じて行う厳格な手続きですから、債務者自身で行うことは困難です。
弁護士に依頼して手続きを進める必要があります。
また、すべての債権者を平等に扱わなければならず、特定の債権者を除いて手続きをすることはできません。
親族や友人、勤務先から借入がある場合には、親族等にも手続きに協力してもらう必要があります。
自己破産とは
自己破産は、裁判所を介して、すべての債務を免責(支払義務の免除)してもらう手続きのことをいいます。
結果的に、すべての債務がなくなります。ただし、逆に保有している資産も清算しなければなりません。
個人再生と同様に、すべての債権者を平等に扱わなければならず、特定の債権者を除いて手続きをすることはできないので、その点に注意しましょう。
また、ギャンブルや浪費による借金は、免責不許可事由(債務をなくすことができない事情)とされており、免責を受けられない可能性があります。
まとめ
借金整理の方法は、主に下記の4つの方法があります。
- 任意整理
- 特定調停
- 個人再生
- 自己破産
上記はデメリットの小さい順番ともいえますので、この順番で借金整理を検討することをお勧めします。
任意整理は、裁判所を介さず、直接各金融業者と交渉して、将来利息や延滞損害金(滞納してしまった際の損害金)などを免除してもらい、毎月の支払額も減額してもらって、分割和解を組む手続きのことをいいます。
特定調停は、裁判所で調停委員を介して各金融業者と交渉し、債務の減額や毎月の弁済額の減額、利息の免除などの条件で和解を組む手続きのことをいいます。
個人再生は、個人再生は、裁判所を介して、すべての債務のうち一部を免除してもらい、残りの債務を3年(5年間まで返済期間を延ばせる場合もある)かけて分割で弁済する手続きのことをいいます。
自己破産は、裁判所を介して、すべての債務を免責(支払義務の免除)してもらう手続きのことをいいます。結果的に、すべての債務がなくなります。ただし、逆に保有している資産も清算しなければなりません。