会社四季報を初めて開いた時、ぎっしりと文字が詰め込んであるのを見てビックリしたと思います。
思わず「なんだコレ」と感じた人もいたでしょう。
会社四季報に書かれているすべての情報を読む必要はありません。ぎっしりと文字が詰め込められた掲載欄は細分化されていて、エリアによって掲載されている情報は決まっています。
自分に必要な情報のエリアだけを選んで読めばいいのです。
会社四季報とは
会社四季報は担当記者の徹底取材による中立・客観的な文書や予想に定評があり、「株式投資のバイブル」として広く親しまれています。
四季報はその名の通り、春分(3月)、夏至(6月)、秋分(9月)、冬至(12月)など四季の節目の直前に発売されています。
日本の上場企業約3700社をすべて掲載した2000ページ以上にもおよぶ分厚い上場企業に関する経済誌です。
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四季報の見方・読み方 基礎知識
四季報はエリアによって書かれている情報が決まっています、どのエリアにどのような情報が掲載されているのか「ざっくり」解説していきます。
掲載されている情報は下記の通りです。
①:【証券コード】【社名】
②:【業績予想記事】【材料記事】
③:【本社】~【販売先】
④:【株主】【役員】【連結子会社】
⑤:【株式】【財務】
⑥:【指標等】【キャッシュフロー】
⑦:【資本移動】
⑧:【株価】
⑨:【特集記事】
⑩:【業種・比較会社】
⑪:【業績】
⑫:【配当】
⑬:【業績予想の修正記号】【独自予想マーク】
⑭:【株価チャート・株価指標】
それぞれわかりやすく解説していきます。
①:【証券コード】【社名】
【証券コード】【社名】のエリアは、ざっくり説明すると「会社の自己紹介」になります。
会社の特徴や設立、上場年月などの歴史を知ることができます。【特色】からは事業内容や市場シェアなどがわかります。他にも、売上構成比率、海外比率などが記載されています。
②:【業績予想記事】【材料記事】
【業績予想記事】【材料記事】のエリアは、ざっくり説明すると「四季報編集部の記者によるコメント」です。
コメントは会社に対する評価で、「前半」と「後半」に分かれていてます。
前半には会社の「今期予想」についてのコメントになります。つまり短期的な状況を客観的に解説しています。
後半には「中長期の予想」についてのコメントになります。つまり記者による中長期の展望が掲載されています。
③:【本社】~【販売先】
【本社】~【販売先】のエリアは、ざっくり説明すると①と同じ「会社の自己紹介」のエリアになります。
本社の住所や電話番号が掲載されています。他にも、付き合いのある銀行や証券会社、従業員の平均年齢や平均給料などが掲載されています。1人当たりの売上高や利益を計算すれば、会社の効率性がわかります。
④:【株主】【役員】【連結子会社】
【株主】【役員】【連結子会社】のエリアは、ざっくり説明すると「株式の保有状況」のエリアになります。
会社の株式をたくさん持っている上位10社が掲載されます。他にも、外国比率、投資信託比率、特定株比率、浮動株の情報が掲載されています。
⑤:【株式】【財務】
【株式】【財務】のエリアは、ざっくり説明すると「会社の健全性」のエリアになります。
会社の貯金、借金の金額が掲載されています。他にも、総資産額や自己資本比率が掲載されているので一目で会社の健全性が確認できます。
⑥:【指標等】【キャッシュフロー】
【指標等】【キャッシュフロー】のエリアは、ざっくり説明すると「会社のお金の流れ」のエリアになります。
本業の損益や投資額がわかります。他にも、お金を返したのか、それともお金を集めてきたのかが掲載されています。
⑦:【資本移動】
【資本移動】のエリアは、ざっくり説明すると「株式数の推移」のエリアになります。
株式数は「株式分割」や「株式併合」などで増減します。資本移動には株式数の推移が掲載されています。
⑧:【株価】
【株価】のエリアは、ざっくり説明すると「株価の歴史」のエリアになります。
株価欄には、株式上場日以来の株価を収録しています。
⑨:【特集記事】
【特集記事】のエリアは、ざっくり説明すると「各号によって異なる特集記事」のエリアになります。
特集記事は各号ごとで特集を組んでいます。「夏号:会社業績修正」「秋・新春号:四半期進捗率」「春号: 採用」が掲載されています。
⑩:【業種・比較会社】
【業種・比較会社】のエリアは、ざっくり説明すると「類似会社との比較」のエリアになります。
会社四季報編集部が独自に選考した、当該企業の同業あるいは類似業種の上場企業を掲載しています。
⑪:【業績】
【業績】のエリアは、ざっくり説明すると「これまでの成績表・これからの成績予想」のエリアになります。
業績のエリアには売上高や営業利益、経常利益、純利益、配当などが掲載されています。それぞれ過去3年までの業績と2年先の予想まで確認できます。
⑫:【配当】
【配当】のエリアは、ざっくり説明すると「これまでの配当金・これからの配当金予想」のエリアになります。
配当のエリアには、過去5年の配当金が掲載されています。また、2年先の配当金予想が確認できます。
⑬:【業績予想の修正記号】【独自予想マーク】
【業績予想の修正記号】【独自予想マーク】のエリアは、ざっくり説明すると「今後の業績予想」のエリアになります。
業績予想の修正記号のエリアには、前号からの営業利益の修正率によって矢印の記号が付けられます。
独自予想マークのエリアには、会社が発表した営業利益予想と四季報の予想に乖離があると顔マークが付けられます。
⑭:【株価チャート・株価指標】
【株価チャート・株価指標】のエリアは、ざっくり説明すると「株価チャート」のエリアになります。
株価チャートのエリアには41ヵ月分のチャートを収録しています。画像右端の株価指標は株価が割安か割高か、判断する参考になります 。
まとめ
簡単に説明してきましたが、それでもかなりの情報量だったと思います。それだけ会社四季報の情報は多いのです。
自分に必要な情報だけ選択して読めば、苦痛なく四季報の良さを理解していただけると思います。
筆者がおすすめする株価が上昇しそうな銘柄検索の方法は、まず「⑪:【業績】」を確認して売上高や利益が上がる予想を確認します。
次に、「⑤:【株式】【財務】」と「⑥:【指標等】【キャッシュフロー】」を見て、会社の健全性を確認します。
上記の情報に問題がなければその他の情報にも目を通します。
こうすることによって、余計な情報に目を通す必要がなくなり、負担が軽減します。
四季報のどこの情報を優先するかは、それぞれの投資スタイルによって異なります。