株式投資で利益を上げるには、「安いときに買って高くなったら売る」または、「高いときに買って安くなったら売る」ことです。
しかし、株価はなぜ変動するのでしょうか?
この記事を読めば、株価が変動する理由を知ることができます。
株価が変動する理由を知れば、株式投資で利益を上げやすくなります。
需要と供給が株価を動かす
株価は何故動くのでしょうか?
買い注文が多ければ価格が上昇し、売り注文が多ければ下落するといわれますが、売買が成立した数量は売りも買いも常に同数です。
売買注文では指値(さしね)の高い買い注文が指値の低い注文に優先し、指値の低い売り注文が指値の高い注文に優先します。
これを価格優先の原則といいます。指値とは売買価格を指定することです。
同じ売り買いで、かつ同じ指値の注文では、先に出された注文から順番に処理されます。
これを時間優先の原則といいます。
1日の取引が開始される寄付きなどでは、板寄せという方法で価格を決めます。
まず、売りと買いの成り行き注文を相殺。
次に、残数を対応する一番高い買い注文か一番安い売り注文と付け合わせます。
優先順位の高い注文から順番に付け合わせてゆくと、最後には1つの価格に収束するので、この価格をすべての注文の約定価格とします。
板寄せでは需給が反映され、買い注文が多ければ価格は上昇しやすく、売り注文が多ければ下落しやすくなります。
急ぐ心が株価を動かす
普通の取引期間中(ザラバともいう)は、2つの原則に従ってオークション方式で取引され、価格や数量が合致した注文だけが成立します。
同一価格で売り買いの注文が一致しない場合は、少ない方の数だけ成立し、残りは未約定として残ります。
指値注文では、価格がどちらかへ動くということは起こりません。
つまり、受給だけでは価格は動かないのです。
ところが、もしここで、企業の業績が事前予想より大幅に好調らしいというニュースが流れたらどうなるでしょうか。
株価の上昇が期待されるので、現在取引されている価格よりも少しぐらい高くても、他人より先に買いたいと考える投資家が現れても不思議ではありません。
こうした買手が指値を引き上げるので、価格は徐々に上昇してゆくことになります。
反対に、企業業績が予想外に悪化して赤字になりそうだというニュースが流れたらどうでしょうか。
株価の下落が予想されるので、現在の取引価格よりも多少安くても、他人より先に売って処分してしまいたいと考える投資家は多いでしょう。
こうした売り手が指値を引き下げるので、価格は下落することになります。
このように、ザラバでは、注文の多い少ないでは価格は動かず、売り買いを急いでいる方が価格条件で譲歩するので、反対方向へ価格が動きやすいと考えた方が事実に近いと思います。
窓を空けるとは
出典:I×Bcollege
ある日の取引価格帯が前日の価格帯を上回り、上昇した日の最安値が前日の最高値を上回っていると、前日の最高値と当日の最安値の間に価格の重ならない隙間ができます。
反対に、ある日の取引価格帯が前日の価格帯を下回り、下落した日の最高値が前日の最安値を下回っていると、前日の最安値と当日の最高値の間に価格の重ならない隙間ができます。
この隙間のことを「窓」といい、隙間ができることを「窓が空く」「窓を空ける」といいます。
窓が空くのは、投資家の思惑が片方に偏ったときで、需給のバランスが崩れています。
上場株式数が少なく、日々の出来高も少ない銘柄では、市場に参加している投資家も少ないので、比較的頻繁に窓を空けます。
しかし、東証1部に上場する大型株や株価指数などでは稀です。
これらが窓を空けるときには、市場全体の需給のバランスが大きく崩れていることを意味します。
背景に大きな材料があるはずですから、明確でない場合には、何かを先見している可能性があります。