この記事では、「住宅ローンの金利が上昇した場合の注意点」を解説していきます。
変動金利型で住宅ローンを利用すると、金利の動向により総返済額が増減します。当然、毎月の返済額にも影響しますので、生活に直結します。
そのため、住宅ローンの金利上昇には「5年ルール」と「125%ルール」という住宅ローン利用者を保護する制度が存在します。
-
住宅ローンについて学べるおすすめの本 9選!人気ランキング 【2024年版】
住宅は非常に大きな買い物です。絶対に失敗したくないと考えている人が殆どでしょう。そのために必要なのは事前のリサーチです。この記事でおすすめする本は、住宅ローン・住宅購入で失敗しないための情報が詰まった ...
続きを見る
金利1%の上昇で総返済額が数百万円も増加する
変動金利は半年に一度見直されます。
超低金利時代がずっと続けばよいのですが、金利上昇すると返済額はどうなるのでしょうか。
たとえば3000万円の物件を金利1%で35年ローンを組んだ場合、金利が0.5%上昇すると毎月の返済額は大差ありませんが、総返済額で約300万円、1%上昇で約600万円の差が出ます。
このような金利上昇は、過去の変動金利の推移にも見ることができます。
1987年に4.9%だった金利は、4年後の1991年には8.5%にまで上昇。
そして、その4年後には2%台にまで低下しています。
このように、変動金利は金利の動向に左右されますので、借入額が少なく、短期間で返済できる場合にメリットとなります。
上記のような金利上昇リスクを避けるためにも、借入金額が大きく、返済期間が長期にわたる場合は全期間固定金利型の住宅ローンのほうが安心です。
金利上昇した場合の2つのルール
上記で説明したように、変動金利で住宅ローンを借りると金利の増減に振り回されることになります。
微々たる変化なら対応することも容易ですが、急激な変化となると生活が破綻する可能性が出てきます。
金利の急上昇による生活困難者を出さないために、金利が上昇した場合には下記の2つのルールが存在します。
それぞれわかりやすく解説していきます。
5年ルール
住宅ローンは急激な金利上昇でも月々の返済額が一気に増えるようなことはありません。
多くの金融機関ではどんなに金利が変動しても、5年間は返済額を一定にする「5年ルール」があるからです(元利均等返済の場合)。
たとえば、月々の返済額が10万円の場合、当初は元金6万円・利息4万円、半年後は元金5万円・利息5万円、1年後は元金4万円・利息6万円といったように、返済額の10万円を保ちながら、元金分を減らすことで一定額にする仕組みです。
ただし、この5年ルールにより元金の支払が最終返済日まで持ち越された場合、原則として一括返済することになり注意が必要です。
125%ルール
また、5年ごとの返済額見直しの際には、金利がどんなに上昇しても最高1.25倍を限度とする「125%」が適用されます。
たとえば、最初の支払額が10万円で、見直し時に金利が急上昇していても、最高12.5万円に抑えられることになります。
ただし、125%を超える分については、次の5年以降に先送りされます。
これら2つのルールは、導入していない金融機関もあるので注意が必要です。
気がついたら返済額が増えて貯蓄が減っていたということにもなりかねないので、申し込む前によく確認しましょう。
-
住宅ローンについて学べるおすすめの本 9選!人気ランキング 【2024年版】
住宅は非常に大きな買い物です。絶対に失敗したくないと考えている人が殆どでしょう。そのために必要なのは事前のリサーチです。この記事でおすすめする本は、住宅ローン・住宅購入で失敗しないための情報が詰まった ...
続きを見る
-
【まとめ】住宅ローンの返済にまつわる情報をわかりやすく解説
住宅ローンの返済は長期にわたります。その間に金利が上昇したり転勤を命じられたりなどさまざまな変化があるかもしれません。住宅ローンの返済が滞ると、それまで住んでいた住居の退去を命じられ、競売にかけられる ...
続きを見る