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インフレ下で定期預金を辞めて海外株式を始める人が急増

インフレ下で定期預金を辞めて海外株式を始める人が急増

資産形成の王道とされてきた定期預金の減少が続いています。

日銀によると銀行が保有する2022年4月末の残高は219兆円と、06年5月以来16年ぶりの低水準に沈みました。


物価上昇で実質金利に低下圧力が強まる中、定期預金から投資信託など利回りが期待できる金融商品へ資金がシフトしています。

低金利の長期化も定期預金の減少に拍車をかけています。


 

国内銀行の定期預金残高は75カ月連続で減少

国内銀行の定期預金残高は75カ月連続で減少

日銀が調査した国内銀行の定期預金残高は、4月に219兆円と前年同月比2%減りました。

前年同月を割り込むのは75カ月連続ですが、足元で減少率が加速しています。


背景にあるのが、顕在化しつつあるインフレです。

4月の消費者物価指数(CPI)の上昇率は7年1カ月ぶりに2%台に乗りました。

日銀は22年度に1.9%、23年度以降も1%超の物価上昇が続くと見通しています。


ある大手行の担当者は「ここ数カ月、毎月約1000億円規模のペースで定期預金が流出している」と打ち明けています。

減少率は昨年の同時期と比べて3倍近くのペースに達するといいます。


インフレ下では定期預金の魅力は低下する

インフレ下では定期預金の魅力は低下する

日本では長引くデフレ下で預金が相対的に優位な状況が続いていました。

デフレ下では表面上の金利が0%程度でも実質金利は一定のプラス幅が確保できたからです。

調査会社インテージが2~3月に調べたところ、「人生を豊かにする資産」に現金や預金を挙げた人の比率は71.5%。長引くデフレが米国(54.0%)、中国(66.8%)と比べて根強い預金神話に拍車をかけてきました。


だが、インフレ下では定期預金の魅力は低下します。

たとえば2%のインフレのもと、1%で運用すれば実質金利はマイナス1%になります。

実際、3メガバンクやゆうちょ銀行、りそな銀行の定期預金金利は0.002%と、実質でマイナスとなる計算です。

こうしたなか、金融機関も顧客の資産を防衛するために動き始めています。


定期預金から投資信託へと、資金が流れる

定期預金から投資信託へと、資金が流れる

りそなホールディングスのファンドラップの残高は3月末時点で前年同月比4割増の7568億円。

担当者によると4月以降も増加基調がつづいているそうです。


三井住友銀行は20年11月、顧客に提案する退職金の運用プランを改定。

定期預金のみで運用する選択肢をなくし、資産の半額は投資信託などで運用するよう見直しました。


海外株式への資金流入が活発

海外株式への資金流入が活発

米連邦準備理事会(FRB)による利上げを受けて、世界の株式相場は調整局面に入っています。

それでも一定の利回りが期待できる海外株式への資金流入は活発です。

投資信託協会によると、海外株式を対象とした投資信託への資金流入額は1~4月に1兆3066億円と前年同期比7割増えました。


大手銀行は定期預金金利を0.01%から0.002%に引き下げ

大手銀行は定期預金金利を0.01%から0.002%に引き下げ

定期預金の減少には銀行側の事情もあります。

大手銀行は定期預金金利を20年に0.01%から0.002%に引き下げました。

マイナス金利の長期化で、銀行の資金運用環境が厳しさを増していることが主因です。


新型コロナウイルス禍で企業が資金調達を活発にしたり、給付金などの補助金が支給されたりしたことで銀行の普通預金の残高は20年4月比2割増えました。

銀行はこうした資金を貸し出しなどに回すが、コロナ禍で企業が新たな設備投資に慎重になるなか、預金に対する貸し出しの割合を示す預貸率は低下しています。


日銀によると、国内の銀行が保有する国債の残高は101兆円と前年同月比6%増えました。

行き場のなくなった資金を利幅の低い国債に回している状況で、かつてのように定期預金の獲得に躍起になる意味合いは薄れています。


まとめ

まとめ

資産形成の王道とされてきた定期預金の減少が続いています。

日銀によると銀行が保有する2022年4月末の残高は219兆円と、06年5月以来16年ぶりの低水準に沈みました。


日本では長引くデフレ下で預金が相対的に優位な状況が続いていました。

だが、インフレ下では定期預金の魅力は低下します。

たとえば2%のインフレのもと、1%で運用すれば実質金利はマイナス1%になります。


ロシアのウクライナ侵攻などに端を発した予想外の物価上昇で、資産形成の重要性は増しています。

家計には厳しいインフレですが、日本が長年なし遂げられなかった「貯蓄から資産形成」への動きを後押しする可能性があります。



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