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【金融教育】2024年、資産形成を助言する専門資格を新設

【金融教育】2024年、資産形成を助言する専門資格を新設

政府は金融教育を国家戦略の1つとして推進するための体制を整備するようです。

2024年にも官民一体となった新たな機構を立ち上げ、個人の資産形成を中立的に助言できる専門資格を新設します。

英国や米国のように、投資初心者が資産形成をする時に気軽に相談できる専門家を用意したい考えです。


政府が国民全体の金融リテラシーを向上させる取り組みですが、「金融庁の天下り先を増やすのでは」と懸念する声も出ています。


詳しく解説していきます。


動画でも解説しています



金融教育を国家戦略として推進

金融教育を国家戦略として推進

新しい資本主義実現会議の資産所得倍増分科会で提示された「資産所得倍増プラン(案)」は金融経済教育を抜本的に見直す内容を盛り込みました。


具体的には下記の2つです。

(1)金融経済教育を戦略的に実施するための中立的な組織として24年中に金融経済教育推進機構(仮称)を設立する。

(2)資産形成支援に関する施策を関係省庁や地方自治体・民間団体が連携し、国家戦略としての基本的方針を策定する。

金融庁は金融教育に関する新しい法律を策定し、来年の通常国会提出をめざしています。


参考にするのは英国の公共機関「MaPS」

新機構は英国にある政府外の公共機関「MaPS」を参考にするようです。

MaPSは2020年1月、「ファイナンシャル・ウェルビーイングのための英国国家戦略2020~2030」を策定し、金融教育の司令塔を担っています。

日本も金融庁が事務局を担い、協議会などを通じて国家戦略を策定します。


投資の未経験者が相談できる専門資格の新設

投資の未経験者が相談できる専門資格の新設

政府の狙いは投資の初心者が相談したいときに気軽に相談でき、的確な助言ができる人を増やすことです。

中核に据えるのが、金融機関に属さずに中立的な助言をする資格の創設です。


新資格は「資産運用ってなにをすればいいのか」「株と投資信託の違いはなんなのか」といった相談に無償または極めて少ない手数料で応じる予定です。


ファイナンシャルプランナーでは不十分

日本にはすでに国家資格としてファイナンシャルプランナー(FP)が存在していますが、金融商品の価値を分析して薦める投資助言機能を持っていません。

証券や保険、銀行などの各業法には代理業者制度は存在していますが、業者からの報酬に影響されやすく中立的な立場ではありません。


具体的な商品を提案できる専門資格の新設

中立だからといって金融商品の中身について言及できないと効果的な助言ができません。

政府は現在の投資助言業の登録要件について、積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)や個人型確定拠出年金(iDeCo、イデコ)などでリスクの低い商品を扱う場合に限定し緩和を検討しています。


日本ではFPは全国に260万人います。

こうした専門家が、新設される専門資格を取得することを想定しています。


米国のファイナンシャルアドバイザー

海外では中立的な投資助言をできる資格・制度が既に存在しています。

米国のファイナンシャルアドバイザー(FA)は顧客の立場に立って資産形成を提案したり助言したりしています。


みずほ総合研究所によると、アドバイザー経由の米国の個人証券投資の残高は2022年に24兆ドル(約3300兆円)もあります。

そのうち、4割強を独立系のFAが占めています。


英国のファイナンシャルアドバイザー

英国のMaPSはオンラインや電話で、借金のアドバイスから相談に合った情報提供、被害が起きたときの苦情窓口まで幅広く実務的なサービスも提供しています。

どの商品を買うかの相談は独立系FAが担うケースが増えています。

日本は推進機構が認定する中立アドバイザーを補助金で資金支援し、助言サービス業者を育成することを考えてるようです。


専門資格新設の懸念点

専門資格新設の懸念点

1990年代から「貯蓄から投資、資産形成へ」のスローガンが叫ばれながら国民全体の金融リテラシーは向上してきませんでした。

個人の現預金は2022年6月末で1102兆円にのぼります。


家計の金融資産構成を日本と米国で比較してみると、

日本が、預金53%、投資信託4%、株式10%なのに対して、

米国では、預金13%、投資信託12%、株式34%です。

こうした実態が新組織設立につながった側面があります。


もっとも、民間金融機関からは霞が関の肥大化を嫌う声が早速出始めています。

新組織が金融庁の天下り先になるのではないかと懸念している人もいます。


まとめ

まとめ

政府は金融教育を国家戦略の1つとして推進するための体制を整備するようです。

2024年にも官民一体となった新たな機構を立ち上げ、個人の資産形成を中立的に助言できる専門資格を新設します。


日本にはすでに国家資格としてファイナンシャルプランナー(FP)が存在していますが、金融商品の価値を分析して薦める投資助言機能を持っていません。

証券や保険、銀行などの各業法には代理業者制度は存在していますが、業者からの報酬に影響されやすく中立的な立場ではありません。


日本ではFPは全国に260万人います。

こうした専門家が、新設される専門資格を取得することを想定しています。


税金を投じて新機構をつくる以上、成果を出さなければいけません。

新機構は金融リテラシー向上のための教材や統計作成といった仕事で満足せずに、金融機関や企業も巻き込み国民の金融力を底上げする仕組みをつくらなくてはいけません。



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