いきないテクニカル分析を勉強しても、理解するのが難しいです。
この記事では、これからテクニカル分析を始めようと思った人のために「テクニカル分析の基礎知識」を解説していきます。
この記事を読めば、テクニカル分析の勉強がはかどるようになります。
相場には「ボックス相場」と「トレンド相場」がある
相場の状態を表す時、
- トレンド相場
- ボックス相場
と大きく2つの状態があります。
テクニカル指標には、それぞれに相場の状態との相性があります。
より適格なテクニカル分析を行うためには、現在の相場がどちらの状況なのかを見極め、相性の良いテクニカル指標を選択する必要があります。
トレンド相場とはどういう状態か
トレンド相場とは、市場に一方向のトレンド(方向性)が出ている状態のことをいいます。
緑で囲った部分がトレンド相場の期間です。
ボックス相場とはどういう状態か
ボックス相場とは、トレンド相場とは反対に、市場にトレンドが無く、ある程度上限と下限の価格が決まった範囲の中で、株価が上下している状態のことをいいます。
黄色で囲った部分がボックス相場の期間です。
相場に合わせて使いこなす「オシレーター系指標」と「トレンド追随型指標」
オシレーター系指標とは何か?
オシレーターとは「振り子」や「振り幅」という意味で、投資用語では「買われ過ぎ」や「売られ過ぎ」を示すテクニカル分析手法です。
相場の流れを読むトレンド系に対し、オシレーター系は相場の変化の大きさで判断します。
オシレーター系指標の特徴
オシレーター系指標は、株価が上下へどれだけ振れているのかを、株価チャートよりもわかりやすく表現しています。
- ボックス相場に強いが、トレンド相場に弱い。
オシレーター系指標の欠点
オシレーター系指標の欠点は、振れ幅が小さくなった時に、サインが出なくなる点です。
トレンド追随型指標とは何か?
トレンド追随型とは、相場の大きな流れを捉える指標のこと。
トレンドの波に乗るためには欠かせない指標です。
トレンド追随型指標の特徴
トレンド追随型指標は、相場の小さな振れを無視して、株価が「どちらへ向かっているか」だけを表します。
株価が上向きだと判断したら買いサイン。下向きだと判断したら売りサインをだします。
トレンド追随型指標の欠点
トレンド追随型指標の欠点は、株価が反転するサインが遅れてでることです。
この指標は、株価の方向を確認してからサインをだすので、どうしても売買サインが反転地点からズレてしまいます。
株価が、急上昇してから急落へ転換する場面では、トレンド追随型指標が「売りサイン」を出した時点で、すでにそれまでの利益の大部分がなくなっている可能性があります。
テクニカル指標を使う時は、株価の5つの動きに注目する
ボックス相場とトレンド相場を理解し、テクニカル指標の大枠を理解しましたが、それだけではテクニカル指標は使いこなせません。
テクニカル指標を使いこなすには、以下の5つの値動きを見る必要があります。
その1:株価の「振れ幅」
その2:株価の「方向」
その3:株価の「勢い」
その4:株価の「注目の度合い」
その5:株価の「反復する期間」
その1:株価の「振れ幅」を見る
振れ幅を見る指標は、株価が上下への触れる値幅の大きさ、株価が上昇したときの上げ幅、下げ幅(前日比、始値と終値比など)を調べ、株価が反落するポイントを見つけます。
その2:株価の「方向」を見る
方向を見る指標は、株価のジグザグの振れを滑らかにして方向を探る、あるいは、特定の値幅の反対方向への振れは無視して、方向性のみを捉えるといったやり方で、株価の「方向」を調べます。
その3:株価の「勢い」を見る
株価の「勢い」とは、上昇、下降する「速度」のことです。株価は、10日で100円上がることもあれば、1日で100円上がることもあります。
株価の上昇、下降には、必ず速度の違いがあります。
そういう違いを見つけて、上昇の勢いが強い流れに乗る、あるいは上昇する時に勢いがつきやすい(そういう傾向がある)銘柄へ投資すれば、投資効果は高まります。
株価の「勢い」は、「標準偏差」という関数を使ったり、一定期間の上げ幅、下げ幅を調べたりすることでわかります。
その4:株価の「注目度合い」を見る
株価の注目度合いとは、その銘柄へ投資している市場参加者がどれだけいるのか、ということです。
それは、出来高をそのまま見ただけでも判断できますが、過去の出来高と比較、特定の水準での出来高の量などを調べると、個々の銘柄の「人気の度合い」だけでなく、特定の水準での人気もわかるようになります。
その5:株価が「反転する期間」を見る
反転する期間を見る指標は、株価が反転しそうな期間がきたら、それを教えてくれます。
株価が上下へ振れるときには、その値幅や期間にパターンができることが多いので、その期間のパターンを把握できれば、振れ幅を見る指標だけでは見抜けなかった株価反転の目安が見えてくるのです。
テクニカル分析は重要だが 指標を使う時の注意点
テクニカル指標は、種類が豊富で「あれもこれも」使おうとすると、かえって売買ポイントを外したり、分析に手間がかかりすぎてしまいます。
できるだけ扱う指標を少なく絞り込みながら、その組み合わせであらゆる局面に対応できるようにしてください。
値動きは「一定のパターン」と「変化」の繰り返し
「テクニカル分析」の値動きパターンというと、「ボックス型」「三角持ち合い」などの中段持ち合いや、「ダブル・トップ」「ヘッド・アンド・ショルダーズ・トップ」などの天井型のパターンを思い出すと思います。
しかし、テクニカル指標を有効に活用するには、そういったパターンではなく、基本的な値段の動きに注目します。
① (下への)振れ幅が大きくて、緩やかな上昇
② (下への)振れ幅が小さくて、緩やかな上場
③ (下への)振れ幅が大きくて、急激な上昇
④ (下への)振れ幅が小さくて、急激な上昇
⑤ (上えの)振れ幅が大きくて、緩やかな下降
⑥ (上えの)振れ幅が小さくて、緩やかな下降
⑦ (上えの)振れ幅が大きくて、急激な下降
⑧ (上えの)振れ幅が小さくて、急激な下降
⑨ 振れ幅の大きな横ばい(持合い)
⑩ 振れ幅の小さな横ばい(持合い)
テクニカル指標の「個性」とは、上記の10通りのパターンのどういう場面が得意なのか、どういう場面で有効なのか、ということです。
まとめ
さまざまなテクニカル指標には、それぞれ、得意とする値動きがあり、株価が「ある動き」をしたときにその指標を使うと、絶好のポイントで売買サインを出してくれる、という「個性」があります。
テクニカル指標は「個性」を生かして使いましょう。
テクニカル分析は、一定のパターンを見つけ、それが継続するのか、変化するのか、調べる作業です。