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陳述書とは?陳述書の「目的」と「書き方」をわかりやすく解説

陳述書とは?陳述書の「意味」と「書き方」をわかりやすく解説

この記事では、主に自己破産手続きにおける陳述書の「目的と書き方」について解説していきます。

自己破産の手続きの開始が決定されるかは、陳述書にかかっているといっても過言ではないほど重要なものです。


この記事を読めば、裁判所から高評価を受けられる陳述書を作成できるようになります。





陳述書の目的

陳述書の意味

自己破産手続きにおける陳述書は、裁判所が破産開始決定を判断するために参照する書類です。

つまり、申立人の生活状況を詳細に把握し、申立人が支払い不能の状況にあるかどうかを判断するために必要な書類なのです。


※自己破産は申立人が「支払い不能の状況」であることが条件です。


陳述書の目的を考えると、「破産申し立てに至った事情」を記載することは必要不可欠です。

その他にも、「職務経歴」や「家族関係」、「現在の住居の状況」などの記載が求められます。


陳述書の書き方

陳述書の書き方

陳述書に記載するべきことは、下記の4つになります。

  1. 破産申し立てに至った事情
  2. 職務経歴
  3. 家族関係
  4. 現在の住居の状況


それぞれわかりやすく解説していきます。


1.破産申し立てに至った事情

破産申し立てに至った事情は、裁判所に理解してもらえるようにわかりやすく記載しましょう。

上手に伝えたいのならば、下記の4つに分けて説明することをお勧めします。

  • いつ、誰から、いくら、何のために借りたのか
  • 借金を支払うことができなくなった事情
  • 債権者との関係
  • これまでの生活状況など



いつ、誰から、いくら、何のために借りたのか

破産手続きが終われば申立人は債務から解放されますが、債権者からすれば、貸したお金がまったく回収できない。あるいは、返ってきてもほんのわずかという状況になります。


このように自己破産は債権者に重大な影響をおよぼすため、「いつ、どんな金融業者から、いくら借りたか、それはどいう理由なのか、実際の使い道は何だったのか」という点をふまえて裁判所は破産の申し立てを認めるかどうかを判断します。


したがって、これらについては時系列にそって可能な限り具体的かつ正確に記載しましょう。

故意に虚偽の記載をすると、それを理由に自己破産が認められないこともあり得ますから、絶対に嘘の記載は厳禁です。


借金を支払うことができなくなった事情

借入当初から踏み倒すつもりでお金を借りる人はほとんどおらず、何らかの事情で返したくても返せなくなったという方ばかりだと思います。


自己破産にあたって、「なぜ返せなくなったのか」「それはいつなのか」という事情が重視されるので、たとえば病気が理由で半年前に退職を余儀なくされ収入を失ったためなど、具体的かつ詳細に記載することが求められます。


債権者との関係

場合によっては、支払えなくなった借金の支払い方法について債権者と話し合いをしていたり、訴訟を起こされて差押えをされているということもあるでしょう。

そうした事情があれば、それらも記載します。


これまでの生活状況など

破産法上、浪費やギャンブル等の免責不許可事由がある場合には、基本的に免責が認められることは難しいです。

これら免責不許可事由に関する生活実態の有無や、その具体的な状況についての記載が求められます。


自分にとって不都合な事実も隠さず、正直に記載しましょう。

浪費やギャンブルによって借金が増えた事実があっても、免責が得られる可能性があります。



2.職務経歴

申立ての10年前から現在に至るまでの職務経歴を記載します。

就職していた場合は勤務先の会社名、雇用形態を現在に至るまで正確に記載しましょう


10年前というのは一応の目安であり、自己破産につながる事情の説明に必要ということであれば、さらにさかのぼって記載すべきです。


3.家族関係

裁判所が、申立人の生活状況、収入状況を把握するために求められます。

具体的には、氏名、年齢、申立人から見た続柄、職業、同居の有無も記載します。


4.現在の住居の状況

現在の住居の状況も、裁判所が申立人の生活状況を把握するために求められる事項です。


賃貸物件か持ち家なのか、賃貸だとしたら誰が借りているのか。また、民間賃貸か公営賃貸か。

持ち家だとしたら誰の所有なのか等、家計の状況や資産状況を明らかにするために必要な事項を記載します。


陳述書作成の注意点

陳述書作成の注意点
  • 陳述書に記載されていない重要な事実が尋問で突然出てきた場合、裁判官が不信感を抱く可能性がありますから、重要な事実は一通り陳述書に書いておいた方がいいです。

  • 事実と意見は区別し、意見については当時のものか現在のものかがわかるように記載しましょう。

  • 都合の悪い事実であっても反対尋問が予想されるものは書いておいた方がいいです。隠ぺいしようとしていたと思われたら不利になります。

  • 体験したことではっきりした記憶があるものはそのとおり記述すればいいのですが、すでに記憶があいまいだという部分も当然あり得ます。
     そういう部分は、今となっては記憶がはっきりしませんと正直に書いていただいた方が、裁判所に与える印象がいいです。

  • 何でもかんでも明快に、断定調で書けばいいというものではありません。
     記憶を喚起しても、それ以上明らかにならないところは、ここは今となってはよく分からない、思い出せないと正直に書いた方が、裁判所に与える印象がいいです。

  • 陳述書では、陳述書の作成者が直接体験した生の事実をできる限り日時を入れて時系列で記述することが重要です。
     記載内容としては、争点に関係する生の事実が中心となりますものの、背景事情にも言及した方がいいでしょう。






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