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自分で自己破産をする場合の「手続きの流れ」と「必要書類」

自分で自己破産をする場合の「手続きの流れ」と「必要書類」

この記事では、自分で自己破産をする場合の「手続きの流れ」と「手続に必要な書類」を解説していきます。


自己破産を弁護士等に依頼すると、20万~40万円程度の費用が発生することになります(その他にも、裁判所への費用が20万円以上必要になります)。

そのため、できることなら自分で手続きを済ませたいと思う人も少なくないと思います。


この記事を読めば、弁護士等に依頼することなく、自己破産の手続きを終わらせることができるようになります。




自分で自己破産をする場合の手続きの流れ

自分で自己破産をする場合の手続きの流れ

自己破産の手続きは、下記の3つの段階に分けることができます。

1.申立書類の作成

2.申立て

3.申立て後の手続き


それぞれわかりやすく解説していきます。


step1.申立書類の作成

自己破産の申し立てをするにあたっては、「破産申立書」を管轄する地方裁判所に提出します。

したがって、破産申立書の作成が必須です。


破産申立書は各地方裁判所によって形式が異なることから、自己破産を希望する者の住所地を管轄する地方裁判所(基本的に自分の住民票がある地域を管轄する地方裁判所です)に問い合わせて書式を調べましょう。

この破産申立書のほか、住民票や戸籍等の添付書類も取集・作成する必要があります。


これらの各地方裁判所で書式を用意していることが多いため、破産申立書について問い合わせをする際に、添付書類の書式も手に入れましょう。


step2.申立て

破産申立書を作成し、添付書類を揃えたらいよいよ申立てです。

自分で地方裁判所の破産系の窓口に持参して提出するほか、郵便での提出も認められています。


step3.申立て後の手続き

申立てを行った後は、管財手続の場合は、破産管財人がさまざまな手続きを行うので、申立人がすべきことはあまり多くありません。

基本的には債権者の通知、裁判所に出頭して裁判官から事情を聞かれる手続である審尋(審問ともいいます)と、裁判所や破産管財人から追加書類の提出依頼への対応等です。


申立てに必要な破産申立書

申立てに必要な破産申立書


破産申立書は、正式には「破産手続開始・免責許可申立書」といい、記載事項は大きく2つに分けられます。


1つ目は「申立ての趣旨・理由」です。

2つ目は申立人の住所・氏名・生年月日・本籍・住所など「申立人に関する事項」です。


〈申立ての趣旨・理由〉

申立ての趣旨には、「破産手続きの開始と免責の許可を求める」旨を、申立の理由とは、「添付の債権者一覧表のとおり債務を負担しており支払うことができない」という趣旨の記述を記載します。

これらについては、裁判所に用意してある定型の申立書にはじめから記載されていますから、自分で記載することはありません。

〈破産申立書は裁判所で手に入る〉

破産申立書は、各地方裁判所が定型の書式を用意しています。自分で申立ての手続きをする場合は、この書式を利用しましょう。

破産申立書は地方裁判所ごとに書式が若干異なりますので、自分の住所地を管轄する地方裁判所に問い合わせをして、管轄の地方裁判所の書式を手に入れるようにしてください。


自己破産の手続きに必要な添付書類

自己破産の手続きに必要な添付書類

自己破産の申立てでは、破産申立書のほかに下記のような書類を提出することが求められます。

  • 住民票
  • 戸籍謄本
  • 陳述書
  • 債権者一覧表
  • 財産目録
  • 家計全体の状況


これらの書類が自己破産をする際の添付書類となります。

それぞれわかりやすく解説していきます。


住民票

「住民票」は、家族全員の記載があり、世帯主、続柄・本籍地等がすべて省略されずに記載されているものです(マイナンバーの記載がないものが必要)。

「申立ての日から3ヶ月以内に発行されたもの」である必要がありますから、注意してください。


住民票は、住所地の市区町村役場の窓口で手に入ります。また、郵送での請求も可能です。


戸籍謄本

「戸籍謄本」も住民票同様、世帯全員の記載があるものが必要です。

また、「申立ての日から3ヶ月以内に発行されたもの」である必要がありますから、注意してください。


戸籍謄本は、住所地ではなく、本籍地の市区町村役場に交付を請求します。

住所地と本籍地が異なる場合には、請求する市区町村役場が異なるので注意しましょう。


交付請求は住民票と同様に、窓口のほか、郵送でも可能です。


陳述書

「陳述書」とは、自己破産の申立てをするに至った経緯を説明するための書類です。

自己破産に至る経緯のほか、現在の生活状況や財産状況等も記載します。


陳述書は、申立人が破産の要件である「支払不能の状況にあるかどうか」を知るために裁判所が提出を求める書面ですから、どういった原因で債務が増え、なぜ返済できなくなったのかという点を、現在の収入状況等をふまえてわかりやすく説明する必要があります。



債権者一覧表

債権者一覧表は、「いつ、誰に、いくら借りたか」、そして「それをどのように使ったのか」ということを明らかにするために必要な書類です。


金融業者だけでなく、友人・知人等の個人債権者も記載します。

すべての債権者をもらさず記載するようにしましょう。



財産目録

「財産目録」とは、裁判所が申立人の資産状況を把握するために提出する書類です。


手持ちの現金、預貯金の有無(あるとすればその金額)、生命保険等の各種保険に加入しているか否か、退職金を受給することができるのかどうか(あるとすればその金額)。

不動産を所有しているか否か、ゴルフ会員権などの有価証券の有無、その他換価処分できそうな動産の有無等、申立人のおよそすべての資産状況を報告する必要があります。


財産目録に重大な記載もれがあったり、故意に虚偽の記載をしていたことが判明すると免責許可を得られないこともありますから、正直に申告しなければなりません。


なお、不動産や有価証券等の資産を所有している場合、登記簿謄本や証券口座の履歴等、資産に関する資料の提出も求められます。



家計全体の状況

「家計全体の状況」とは、わかりやすくいえば、家計簿です。


申立て直近の2ヶ月分の一家全体の家計状況を記載します。

配偶者等の同居人を含めた給与や賞与等の収入状況、水道光熱費、食費等の支出状況等、申立て時の申立人の経済的な状況が裁判所に明らかになるような事項を記載します。


裁判所によって提出を求められる期間が異なるので、申立前に何ヶ月分の家計全体の状況が必要なのかを確認しましょう。


これらの添付書類については、多くの地方裁判所で定型の書式を用意しており、自分で一から作成しなければならないケースは少ないです。

また、定型の書式がある場合には、裁判所としてもその書式の利用を求めていますから、自分で手続きをする際には、まずは定型の書式の有無や取り寄せ方法について管轄の地方裁判所に問合わせましょう。


自己破産の申立てに必要なその他の書類

自己破産の申立てに必要なその他の書類

〈申立てに最低限必要な書類〉

  • 住民票(3ヶ月以内発行で、世帯全員のもの)
  • 戸籍謄本または抄本(3ヶ月以内発行のもの)
  • 生活保護・年金・各種扶助などの受給証明書のコピー
  • 給料明細書のコピー
  • 源泉徴収票のコピー、または区役所発行の課税証明書(課税証明書のない人は不要)
  • 退職金計算書
  • 通帳のコピー
  • 生命保険証書、生命保険の解約返戻金計算書のコピー
  • 車検証・登録事項証明書のコピー


〈不動産所有者が必要な書類〉

  • 不動産登記事項証明書(3ヶ月以内発行のもの)
  • 不動産評価関係書類
  • ローン残高証明書
  • 不動産物件目録


〈自営業者(個人事業主・法人代表者)の人が必要な書類〉

  • 事業に関する陳述書
  • 事務内容、営業状態、倒産に至る経緯、営業継続の有無
  • 資産、負債の概要、整理、清算の概況
  • 従業員の状況、解雇の有無
  • 法人に関する提訴の有無、破産申立て予定の有無
  • その他、税金の申告書控え(直近の2期分)のコピー


上記は、東京地方裁判所の同時廃止の時に必要なその他の書類です。各地方裁判所によって若干異なります。









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