住宅ローン

【住宅ローンの破綻率】いくらぐらい借りて何年で返すのが普通なのか

【住宅ローン破綻率】いくらぐらい借りて何年で返すのが普通なのか

住宅ローン利用者の実に100人に4,5人は何らかの問題を抱えています。

借入れてからできる対応は限られています、重要なのは未来のリスクを想定して、無理のない返済計画を立ててから住宅ローンを利用することです。


こうすることによって住宅ローンの破綻を避けることができます。


この記事では、住宅ローンの「破綻率」「一般的な借入額、返済期間」「住宅ローン破綻しないための心得」などについて解説していきます。



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いくらぐらい借りて何年で返すのが普通なのか

いくらぐらい借りて何年で返すのが普通なのか


借入額は年収の6.5倍、返済期間は約25年

初めて住宅を購入した人は、平均どれくらいの金額を借りているのでしょうか。

2016年度の国土交通省による調査結果から物件別に見てみましょう

  • 新築建設住宅:2845万円
  • 新築マンション:2963万円
  • 中古戸建住宅:1602万円
  • 中古マンション:1476万円


上記のような結果が出ています。


中古マンションの借入額が少ないのは、担保評価が低くなるからだと思われます。

住宅ローンでまかなえないぶんは自己資金が必要になり、自己資金比率はもっとも高く41.5%になっています。


また住宅金融支援機構がフラット35の利用者を対象に行った2016年度の調査によると、年収に対する借入額は全国平均で新築建売住宅6.5倍、新築マンション6.8倍、中古戸建5.1倍、中古マンション5.4倍となっています。


ローン契約時の返済期間は平均25.4年ですが、実際に完済するまでに要した期間は平均、14.4年となっています


つまり、繰り上げ返済などにより、当初から11年間短縮しているということです(ただし、この数字には借り換えをしたケースも含まれています)。



ローンを返済しながらも貯蓄できることが大事

住宅ローンは必ずしも早く返さなければいけないわけではありませんが、現役中(就職中)に完済したほうが安心です。

年金制度が不確実な現在、退職金でいったん返済しようなどと考えていては、老後破綻の原因になりかねないからです。


また、若いうちから毎月きちんと返済しながらも、将来設計に合わせて貯蓄するようにしていかないと、教育費や住居の修繕費など、いずれまとまっとお金が必要になるときに困りますし、万一の金利上昇リスクへの備えもできません。

住宅ローンを組む前に、将来の家族のための資金計画を含めたライフプランの策定をおすすめします。


まとまったお金が必要になる時期や、住宅ローンを完済する年齢などを加味しないと、無理のない返済プランは立てられません。



住宅ローンの破綻率はどれくらいなのか

住宅ローンの破綻率はどれくらいなのか


100人に4、5人が返済困難に

上記で説明したとおり、住宅ローンの平均的な返済期間は約25年です。

30代で借りたとして完済するのは55歳以上になり、定年が視野に入ってくる頃です。


住宅ローンの返済は長い期間にわたりますから、大企業に勤務していても、将来、何が起こるかはわかりません。

出向や転勤で収入が減ったり、教育費などで支出が増えたりすれば、家計が圧迫されて返済が苦しくなってきます。


また、全期間固定金利を除けば、現在どんなに低い金利の住宅ローンであっても、金利上昇リスクがあることを忘れてはいけません。

かつては1年間で変動金利が2%上昇したこともあります。専門家でも予測不能なのが金利なのです。


では、住宅ローンを借りた人のうち実際にどれくらいの人が返済に問題を抱えているのでしょうか。

住宅ローン全体についてのデータはありませんが、住宅金融支援機構のフラット35を中心とする債券の破綻確率0.3%、3ヵ月以上延滞しているケースも含めると1.89%、さらにローンの貸出条件を緩和しているケース(返済期間の延長など)も加えると4.52%となっています。


つまり、100人に4、5人は返済が困難になっているのが現実です。

事前審査、本審査と2度の審査をクリアした人でも、これだけのリスクがあるのが住宅ローンなのです。



住宅ローン破綻しないための心得

住宅ローン破綻しないためには、前項の年収に対する借入額などを参考に、無謀な金額を借入れないことが何よりも大事です。


特に毎月の返済額で無理をしないようにしましょう。

総返済額を減らしたい気持ちはわかりますが、返済期間を短く設定して、毎月返済していけるギリギリの金額にしてしまうと、万が一のときの対処が難しくなります。

また、将来に向けて絶対の保証もない、ボーナス払いの設定なども避けるべきでしょう。

繰り上げ返済で、ほぼ同じ効果を得られます。



金利上昇したときに返済額増加への対応は?

対応の内容 固定金利期間選択型 変動金利
返済のめどや資金があるので返済継続 20.5% 26.3%
金利負担が大きくなれば全額完済する 17.9% 11.7%
一部繰り上げ返済する 29.1% 28.7%
借り換えする 9.9% 12.1%
見当がつかないわからない 21.1% 20.3%
その他 1.5% 1.0%


上表は、フラット35の利用者を対象に「金利上昇によって返済額が増加したときの対応策」を調査したものです。

「見当がつかない・わからない」と回答した人が21.1%に及びます。


リスクを回避するためにも、住宅ローンについて最低限の知識は身につけておきたいところです。

 

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