この記事では、「ウォール街で使われている、銘柄選択のコツが分かる格言」について解説していきます。
株式投資で利益を上げたいのであれば、銘柄選びを間違ってはいけません。
それさえ間違えなければ、株式市場から退場させられることはないでしょう。
この記事を読めば、銘柄選択のコツを知ることができます。
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市場第1、銘柄第2
株式投資を考える上で大事なことは、まず市場(相場全体の流れ)、その次が個別銘柄、という意味です。
株式投資を行う際に、まず市場(株式相場全体)が現在どのような状態にあるか(上げ相場なのか、下げ相場なのか、横ばい相場なのか、上げ相場なら現在は何合あたりに位置しているのか、など)を調べることが重要です。
上昇相場の1~3合目(遅くても5合目まで)なら、株式投資のチャンスと言えます。
そこで次は、どのような銘柄を選べばよいかを考えます。
業績見通し、財務内容、材料などから成長性を判断し、時価、過去の高値・安値、配当利回り、PERなどから現在の株価が割安か割高かを判断し、今後の成長が期待でき、その割には割安な銘柄を選びます。
一般投資家の中には、市場状態をほとんど無視して個別銘柄の研究ばかりしている人も少なくありません。
それでは株式投資で大きな成果を得ることは難しいです。
遠くのものは避けよ
内容がよく分からない金融商品や、どんな事業をやっているのかよくわからない会社の株を買ってはいけない、という教えです。
IT関連企業、ハイテク企業などはどんな事業をやっているのか、よくわからない会社が少なくありません。
そういう会社は将来、どれぐらい成長するのか判断が難しいです。
そういう企業の株に投資することは、できるだけ避けたほうがよいでしょう。
知っているものだけを買え
1920~1930年に活躍した米国の経済評論家、ハーバート・カッソンの言葉です。
株式市場に上場している会社の中には、どんな事業を行っているのか、素人ではさっぱりわからない会社も少なくありません。
しかし、中にはどんな事業をやっている会社かが誰にでもすぐわかる会社もあります。
そういう何をやっているかが誰にでもすぐにわかるような会社、誰もが知っている会社は将来どれぐらい成長するかも分かりやすいです。
そういう会社の中から、将来性の高い会社を選んで投資すれば、失敗する恐れは少ないです。
米国の有名な投資家、ウォーレン・バフェットはコカ・コーラ、ディズニーランドなど、分かりやすい銘柄だけを選んで長期投資して、米国一の投資家になったことで知られています。
麦わら帽子は冬に買え 麦わら帽子は冬に買うもの
ハーバート・カッソンの言葉で、ウォール街を代表する相場格言の1つです。
麦わら帽子を夏に買うと、店は混んでいて気に入った商品が売り切れていたり、値段が高かったりすることが多いです。
シーズンオフならば、店は空いており値段も安くなっています。
株式市場でもサマーストック(クーラーや扇風機、アイスクリームのメーカーなどの株式)といって、夏になると人気化して、株価が高くなる銘柄群があります。
このような銘柄は、人気のない冬に買って人気化する夏に売れば、儲かることが多いです。
サマーストックは冬に買え、というわけです。
株式と結婚するな
株式投資は結婚や就職とは違います。
結婚や就職では、多少相手に不満があっても、簡単に別れることはできません。
しかし、株式投資の場合には気に入らない銘柄、予想に反して値上がりしない銘柄・値下がりした銘柄は、さっさと処分して、別の銘柄に乗り替えた方が、投資効率が高くなる場合が多いです。
株式投資は儲けるのが目的に行うものです。
期待外れの株式とはさっさと手を切った方がいいのです。
Don't marry your stocks
相性のよい銘柄につけ
いくつかの銘柄を選んで投資していると、相性のよい銘柄と相性が悪い銘柄があることが分かります。
相性のよい銘柄は買えば上がり、利食えば値下がりして安くなり、そこでまた買えば値上がりして利食いのチャンスが来る、ということを繰り返せます。
相性の悪い銘柄は、買えば大きく値下がりし、そこでまた買い増すとさらに大きく値下がりし、なかなか平均買いコストまで戻りません。
そのうち業績が悪化して、赤字・無配に転落し、売るに売れないという状況に追い込まれてしまいます。
相性の悪い銘柄とはさっさと縁を切り、相性脳よい銘柄を中心に株式投資を行うべきです。
その方が投資効率は高くなりますし、精神衛生上もよいです。
虫の好かぬ株は買うな
自分の好みに合わない業種や会社は、誰にでも大なり小なりあるものです。
そういう会社の株は、いくら好材料があっても避けたほうがよいでしょう。
虫のつかない会社の株主になること自体、あまり楽しいことではないからです。
その株で損したら、なおさら悔やむに違いありません。
株と会社は常に同じものではない
会社としては優良企業・名門企業であっても、株式投資の対象としては魅力がない銘柄というケースが少なくありません。
会社としての魅力と、株としての魅力は必ずしも一致するとは限らないのです。
投資する場合には、株としての魅力を優先しなければなりません。
A stock and a company are not always the same thing
株にいい株と悪い株の区別はない。あるのはただ上がる株と下がる株だけだ
株式市場では、就職したくなるような優良企業、名門企業がいい株とは限りません。
急成長しているものの、倒産する心配のある新興企業が悪い株とは限りません。
就職したくなる会社は、業績が安定して、倒産する心配のない会社、知名度が高く給料も高い会社などですが、そういうところは今後の高成長が期待できない、という会社も少なくありません。
一方、歴史の浅い会社の中には、知名度が低く、財務内容もあまり少ないが、時流に乗って高成長を続けているという会社も見られます。
投資の対象としてみる限り、安定しているが、高成長が期待できない名門企業より、財務内容はあまりよくないが、時流に乗って、高成長を続けている企業の方が有望と言えます。
投資家にとって、上がる株がよい株で、下がる株は悪い株なのです。
ひとつのカゴにすべての卵を盛るな
イギリスの相場格言ですが、ウォール街でもよく使われています。
卵は割れやすいので、1つのカゴに入れていると、かごを落とした時にすべての卵をダメにしてしまう恐れがあります。
しかし、いくつかのカゴに分散して入れておけば、その心配はありません。
株式投資でも同じことで、1つの銘柄に集中投資するより、いくつかの銘柄に分散して投資する方が、効率のよい投資が期待できます。
Don't put all your eggs in one basket
株を買うより時を買え 株を選ぶ前に時を選べ
相場全体が上昇する大相場の時には、どの銘柄でも大半が大なり小なり値上がりします。
逆に、相場全体が崩れてしまっている時には、どんなによい銘柄でも、大きな値上がりを期待することが難しいです。
株(個別銘柄)を選ぶことより、相場が上昇する時かどうかを判断することの方が、株式投資でははるかに重要です。
多くの株はゼロになるより倍になる
株価がゼロになる銘柄は、経営が破綻した会社です。
ごく一部の銘柄は経営破綻して、株価がゼロになることもあります。
しかし、大半の上場銘柄は経営破綻することなく、景気(起業業績)がよくなれば、株価は安値から2倍3、倍に値上がりするケースが多いです。
そういう意味では、上場している大半の株は、株価がゼロになるより2倍(あるいはそれ以上)に値上がりする確率の方がはるかに高いです。
ただし、相場がピーク(天井圏)の時には、そこから株価が2倍になるより、半値あるいは3分の1以下に値下がりする銘柄の方がはるかに多いことにも留意しておきましょう。
眠られぬ株は持つな
ある会社の銘柄を持ったばかりに、心配で夜も眠れないという経験を持った人はいないでしょうか?
急に業績が悪化して赤字・無配当転落の可能性が出てきた会社、累積赤字が膨らんで経営破綻のリスクが出てきた会社、粉飾決算を行って上場廃止になりそうな会社、などなど。
そんな会社の株はさっさと売り払って、もっとましは銘柄に乗り換えたほうがよいでしょう。
そうでないと、投資効率が悪くなるだけでなく、精神衛生上もよくありません。
前科者ほどよく上がる
仕手株の世界では、同じような銘柄が仕手筋に狙われて、仕手化する傾向があります。
過去に仕手株として人気化した銘柄には、かつて異常な高値を付けた実績があり、夢よもう一度として、人気化しやすいためです。
また、悪材料をかかえている銘柄が人気化することもあります。
悪材料をかかえている銘柄が値上がりすると、信用取引でカラ売りが増えます。
カラ売りは将来、買い戻さなければならないため、買い戻しを狙ったカラ売り(信用買い)も増えます。
その結果、いわゆる信用取引における取組妙味が出て、人気が高まり大きく値上がりすることもあります。
よい魚は底に近いところを泳いでいる
水面近くで泳いでいるのは小魚が多く、大物の魚は底近くで泳いでいることが多いです。
それと同じように株式投資でも、誰もが簡単に気が付く銘柄に投資して大きな利益を得るのは難しいです。
大きく値上がりするのは、一般の投資家が気が付かないような意外な銘柄であることが多いです。
上げ相場は株価収益率、下げ相場は利回り
上げ相場では投資尺度として株価収益率(PER)が使われ、下げ相場では配当利回りが使われることが多い、という意味です。
上げ相場では大きな値上がりが期待できるため、配当よりPERが重視され、下げ相場では値上がりが期待できないため、PERより配当が重視されるのです。
不況の時こそ、その業界代表株を買え
米国の経済評論家、ハーバート・カッソンの言葉です。
業界を代表する会社であれば不況でも倒産する可能性は低いです。それでいて、株価はかつてなほどの安値を付けています。
景気が回復すれば、真っ先に人気を集めて買われるのは、そういう会社の株式です。
業界を代表する会社は、普段は高値を付けていて、一般投資家にはなかなか手を出すことができません。
不況で業績が悪化し、株価が空前の安値を付けている時こそ、そういう銘柄を買う絶好のチャンスなのです。
高利回りで守られている株は下げない
配当利回りの高い銘柄の中には、銀行の定期預金の金利や国債の利回りなどより、はるかに高い銘柄もあります。
そいう銘柄は、配当利回りを狙って買う投資家も少なくないため、株価が大きく値下がりすることはありません。
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