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上がらない給料・上がる社会保険料。実質可処分所得は15%減

上がらない給料・上がる社会保険料。実質可処分所得は15%減

若年層の懐が寂しくなっています。

新卒後10年間の給与の伸び率は1990年に比べ1割あまり縮小しました。


社会保障費の負担増で自由に使えるお金も少なくなり、結婚や出産などの将来設計に影を落とします。

生活不安の解消へ成長力の底上げを急がなければ、少子化が一段と加速しかねません。


上がらない給料・上がる社会保険料。実質可処分所得は15%減

上がらない給料・上がる社会保険料。実質可処分所得は15%減

厚生労働省の賃金構造基本統計調査によってさまざまなことがわかりました。

給与水準は20代前半を100とすると、30代前半は90年が151.0、2020年は129.4でした。

伸び率は30年で14%縮んだ。50代にかけての上昇も緩やかになりました。


自由に使えるお金はさらに減っています。

第一生命経済研究所の試算によると、20代独身男性の実質可処分所得は20年に平均271.6万円と90年(318.7万円)から15%減少。

健康保険や厚生年金保険の料率が上がり、社会保険料の負担額が29.4万円から49.8万円に膨らんだ影響が大きいです。


90年当時はボーナスに保険料がかかっていませんでした。

社宅なども減っており、自由なお金にはさらに差がつくかもしれません。


国際的にも日本の若年層の経済力は低いです。

経済協力開発機構(OECD)のデータをもとに計算すると26~40歳の可処分所得は2.6万ドル(約350万円)と、米国(5万ドル)の6割に満たない。欧州主要国よりも低いです。


結婚するカップルは戦後最低の50万組

結婚するカップルは戦後最低の50万組

前向きに人生設計できない傾向も浮かびます。

国立社会保障・人口問題研究所(社人研)の15年の調査では「1年以内に結婚するための障害」として18~34歳の4割以上が「結婚資金」をあげました。

厚生労働省によると婚姻数は19年に「令和婚」で一時増加した後、再び減少に転じました。

21年は50万組で戦後最少を更新しています。


実家にとどまる壮年層も増えています。

親と同居する35~44歳の未婚者の割合は16年に16.3%と80年の7倍超になりました。

独り立ちせず、金銭的負担の少ない生活を選ぶ風潮が強くなっています。


合計特殊出生率は21年に1.30と6年連続で低下

合計特殊出生率は21年に1.30と6年連続で低下

婚外子の少ない日本は結婚の減少が少子化に直結します。

1人の女性が生涯に産む子どもの数を示す合計特殊出生率は21年に1.30と6年連続で低下し、出生数は81万1604人と過去最少を更新しました。

新型コロナウイルス禍からの経済の回復の遅れが結婚の妨げになり、負の循環が加速する恐れもあります。


経済の持ち直しが早かった米欧の一部は出生数が回復に向かっています。

米国の21年の出生数は約366万人と7年ぶりに増えました。

出生率も1.66と前年の1.64から上昇しました。

ドイツも21年の出生数は増加する見通しです。


日本の少子化対策は児童手当や保育無償化、育児休業の促進など子育ての支援が中心です。

日本総合研究所は「賃上げなどで経済環境を良くしていくことがまず必要だ」と発想の転換を促しています。


社人研の15年の調査では夫婦の理想の子どもの数は平均2.32人、実際の予定数は2.01人でした。

調査時点の実際の子どもは1.68人と開きがありました。

理想通りに産めない理由は「お金がかかりすぎるから」が30歳未満で77%、30代前半で81%と最多でした。


まとめ

まとめ

日本も人手不足などから新卒の初任給が上昇傾向ではあります。

問題は中長期で安定した所得の増加が見込めるかどうかです。

今の若い世代は普通に働いていると低賃金に陥りがちで、上の世代よりも低収入になりやすいです。

環境を改善できなければ国全体が先細りになります。


国会では足元の物価高対策が大きな争点になっており、中長期の成長戦略の議論は盛り上がっていません。

目先のばらまきにとどまらず、経済を底上げするための骨太な政策の議論が求められます。

若年層に負担が偏りがちな社会保障制度の持続可能性を高める改革も先送りにはできません。


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