近年では、主婦の方が借金をするケースが増えてきています。
どちらかというと、夫が財布の紐を握っている家庭よりも、妻が財布の紐を握っているほうが多いです。
やりくりを任されているということに責任感を感じ、「自分でなんとかしなくては」と、一人で抱え込んでしまうのが大きな原因のようです。
主婦が借金をする理由
ここからは、主婦が借金をする理由を3つ挙げて解説していきます。
- 家計の責任を負った主婦が借金をする
- 夫の減収によって借金をする
- 夫に相談できないことで借金をする
それぞれわかりやすく解説していきます。
1.家計の責任を負った主婦が借金をする
夫から「家計はお前に任せた」と一任されると、「お金が足りない」とはなかなか夫に言い出せない主婦が多いようです。
なかには、「実はお金が足りないのよ」と打ち明けても、「家計はお前に任せているんだからなんとかしろよ」とか「やりくりが下手なんじゃないのか」などと言われてしまっては一人で背負うしかありません。
せっかく相談したのに、これでは「もう借りるしかない」となってしまいます。
もちろん、夫に相談することすらできず、一人で抱え込んでお金を借りてしまう方がほとんどです。
いずれにしても、借金で目の前の不足を補ったところで、根本的には何も解決していません。これではいつか家計破綻してしまいます。
夫に秘密で借金をしていると、「今月の返済どうしよう」という不安に加えて、「夫にバレたらどうしよう」と、毎日不安な思いで日々を送ることになります。
それで、あるとき夫から「ずいぶん時間が経ったが、いくらぐらい貯金貯まったんだ?」と聞かれたりします。
しかし、実際は貯金どころではありません。その場はなんとか誤魔化しても、いつかは知られてしまいます。
2.夫の減収によって借金をする
借金のきっかけが夫の減収というケースは少なくありません。
転職で年収が減る。他部署への異動でそれまでもらっていた手当がつかなくなる。事情はさまざまですが、収入が下がったとしても、それまでの生活レベルを落とすのが難しい家庭もあります。
自分としては節約しているつもりなのに、実際に使っている金額がそれほど変わらない。
仕方ないので、その場しのぎでカードで支払う。
こんなことを繰り返していくうちに、カードの限度額いっぱいまで使ってしまう。そんな事態に陥りがちです。
また、妻のほうで夫に遠慮してしまうということも往々にしてあります。
頼りにしていた夫の給料が、転勤や移動によって突発的に下がってしまった。
そんなとき、「あなたの給料が下がったんだから節約して欲しい」とはなかなか言えない主婦が多いようです。
妻の出費は切り詰めているのに、夫の金遣いはそのままになっているというケースも多く見られます。
3.夫に相談できないことで借金をする
家計の問題は、夫婦で腹を割って話すことが大切です。
そうはいっても、夫が協力してくれそうにない場合、なかなか話を切り出すのは難しいものです。
中には、夫が生活費として月何万円かを奥さんに渡し、「これでなんとかして。これ以上出せない。俺が稼いだ金なんだから」という家庭もあります。
このように夫婦間のパワーバランスがいびつですと、「話したところで怒られるだけ」と、状況を伝えることすらできなくなってしまいます。
夫婦仲がよくないというのは、家計の相談がしにくい大きな要因の一つです。
不仲だと、どうしても家計内の権力争いの様相を呈してしまい、「相手に自分の弱みを見せたくない」と思うようになります。
そんな状況では、借金があるなどとはとても言えません。
DVやモラハラがある場合、事態はさらに深刻です。
「お金が足りない」などと言おうものなら、大変なことになってしまいます。
生活費不足を夫に言えないという時点で、そもそも家庭内に問題があると言えるでしょう。
本来、夫婦は助け合うもののはずです。
妻に借金をさせないために必要なこと
夫婦で家計を把握する
家計を一方だけが把握していることで、予期せぬ事態を招くこともこともあります。
8年間乗り続けた愛車の調子が悪くなり、ディーラーに行った夫。見積もりを出してもらうと、なかなかの金額です。
「そろそろ車検ですし、このタイミングで買い替えを検討されてはいかがでしょうか」と勧められました。
自動車ローンの支払も終わっているし、そろそろ次を買ってもいいだろう。
そう思った夫は、400万円の新車をローンで購入を決めました。
帰宅後、新車を買ったことを報告すると、突然、奥さんが不機嫌になりました。
というのも、夫は知らなかっただけで、家計は毎月3万円ほどの赤字になっており、とても毎月5万円のマイカーローンを支払えるような状態ではなかったのです。
そのことを知った夫は、預貯金通帳とクレジットカードの利用明細をチェックし、貯金がまったくない上に、借金が100万円を超えていることを知ります。
このようなことは、夫婦間で家計を把握していれば防げることです。
家計を一方だけに任せるの行為は避けるべきです。
家計簿をつける
信頼して家計を任せている妻が、自分に内緒で借金を抱えていたとしたら、夫としてもショッキングなことです。
しかし、先述したとおり、奥さんとしては、家計を任されていることに強い責任感を感じていたり、心配をかけたくなかったり、場合によっては夫を恐れていたりしていることによって、打ち明けられずにいるのです。
そこを理解して、夫婦力を合わせていくことが非常に重要です。
とはいえ、潤沢なお金があるとはいえない状態での借金返済は本当に大変です。
そうならないように、妻がコソコソ借金を作らないでいいような環境を作りましょう。
最も効果的なのは、家計簿をつけることです。
奥さんに家計を任せているなら家計簿もつけてもらいましょう。それを夫婦で共有することで、それが家計改善への第一歩になります。
しかし、いきなり1円単位の家計簿をつけようとすると大変です。
慣れないうちは、多少おおざっぱな家計簿でも構わないので、リアルタイムに家計の状況を把握できるように心がけましょう。
妻が多重債務を抱えていても、夫は家計が苦しいということ自体を把握していないケースが大半です。
また、夫は家計管理を甘く見がちです。家計を管理するということがいかに大変かを理解していません。
家族の家計というのは、一人暮らしのやりくりとは全く別物です。
家賃や住宅ローンの額ぐらいは把握しているかもしれませんが、食費や日用品については気にしたことがないという方がほとんどだと思います。
自分の稼いだお金が何にいくら使われているのか、大体のところを把握しておきましょう。
大抵の場合、夫が想像しているよりはるかに家計が厳しい状況にあるものです。
月に1回ぐらい、給与明細を渡すタイミングで夫婦の時間を作り、話し合ってみるのがおすすめです。
「今月もお疲れ様」とねぎらいながら、「今月どうだった?家計が問題ないの?」と声をかけるだけでも違います。
そうすると、何かあったとき「実は・・・」と切り出しやすいものです。
仕事に忙しい夫としても、一杯いっぱいになっているようです。
そうなると、奥さんに丸投げしている家計は、気にする余裕もないのかもしれません。
「ヤバいんじゃないのかな」と薄々思っていたとしても見たくない。
ただでさえ仕事で疲れているんだし、「こっちから言わなくてもいいか」「何かあったら言ってくるだろ」と、つい逃げてしまいます。
気持ちは非常にわかりますが、これでは気がついたときには手遅れになっていたということになりかねません。
妻がお金の心配を正直に伝えられないのは、夫にも責任があるということを自覚しておきましょう。
とにかく、普段からきちんと気にしてあげることです。
定期的に「家計大丈夫か?」と話を聞く機会を持つように心がけましょう?